【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される?ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ!

にゃーつ

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陣痛

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高校に行くこともなく1日中家にいる僕の今の楽しみは刺繍。

やることがなかった僕に橋下さんが勧めてくれた。橋下さんの奥さんが妊娠中にしていたからって。

もう臨月を迎えた僕のお腹の中では毎日のように赤ちゃんがお腹を蹴ったり動いたりしているのを感じていて、もうすぐ会えるのかと思うと楽しみで仕方ない。

昼間はずっと橋本さんがついてくれていて、お腹が大きくて動きにくい僕の代わりに家事をしてくれている。夜はれおんが僕をお風呂に入れてくれて、髪も乾かしてくれて至れり尽くせりだ。

お腹が大きくになるに連れて2人の過保護度もアップしていて、何か運ぼうとするとすぐに止められるし胎動が激しくて少し痛がった顔をすると陣痛かと心配してオロオロするし。

お義母さんが

「出産の時、男親は頼りにならないものよ?普段あんなしっかりしてる洋輔さんだってオロオロするばっかりで全然だったの。れおんにも期待しちゃダメよ~。」

と笑って言っていた。その時はお義父さんが、、?なんて信じられなかったけどそれは事実なんだろうなってここ最近感じる。

とはいっても、僕自身もいつ陣痛が来るのかとドキドキしている。予定日まであと1週間ほどはあるけど、もういつ産まれてもおかしくないって病院で言われたから毎日緊張しっぱなしだ。お腹の子の性別は聞かなかったからその楽しみのドキドキもある。

「ただいま!!!」

臨月に入ってからというもの、れおんはものすごい急いで帰ってくるようになった。本当は会社に行きたくないと毎晩駄々を捏ねている。何がなんでも出産に立ち会いたい、陣痛がきてから生まれるまで1秒たりとも離れたくないというのがれおんの考えみたいだ。

妊娠してからはネットで出産レポなどを調べて読んでいて、その中には妊娠してから旦那さんが冷たくなったや浮気されたなどの記事も多かった。読んだ瞬間は少し不安を感じたが、毎日のこんな様子を見ていたらありえないことなんだなと不安なんか禁じずに済んでいる。

「れおん、おかえりなさい。ご飯できてるよ?」

「うん、ただいま。」

お腹が大きくなってからはキスした後に後ろからギュッてしてもらうのが恒例になった。最初は橋本さんに見られるから恥ずかしかったけど、橋下さんが幸せそうなお姿見ると涙が、、とか言いながら本当に泣き出すから恥ずかしさなんて吹き飛んだ。

「今日は唐揚げだよ。」

「周の唐揚げ大好き。いつもありがとうね。」

今日もれおんとご飯を食べて、お風呂に一緒に入って、後ろから抱きしめられながら目を閉じた。


その2時間後のことだった。

お腹が少し痛む。治ったと思ったらまた始まる。

陣痛がきた。

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