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嘘
しおりを挟むあれから4日。
僕はれおんに言えずにいる。
体調は回復してないし、気持ち悪さは増してる。病院にも行かなきゃいけない。
調べれば調べるほど不安なことが増えてきて、僕がちゃんと産めるのかとかちゃんと親になれるのかとか、れおんは今のタイミングで子供を授かったことどう思うのかとか、そんなことばっかり考えて、れおんが喜ばなかったらどうしようと考えてしまっている。
学校のこともだ。卒業は問題ないとして、来週には願書出さなきゃいけないし。でも僕は、進学したいと今は思っていない。
この子を全力で育てて、家でれおんを支えていきたいって思ってる。獣医になりたいという夢がなくなったわけではないが、もっと叶えたい夢ができたから。家族ってものにずっと憧れていたから。
れおんからも体調治ってからでいいから進路話そうねと言ってくれてて、余計になんて言えばいいのか。
今日こそは、言おう。
---ガチャ
あ、帰ってきた。
「おかえり、、、。」
「ただいま、、。体調は、どう?」
れおんも僕が何か隠して大丈夫と嘘をついていることに気づいている。それでも無理やり聞き出そうとはしない。
だからこそ、ちゃんと僕の口から言わなくちゃ。
「れおん、話がある。ご飯の前に、いい?」
「・・・うん。」
なかなか話し出せない僕をいつまでも待っててくれる。
話せ、話すんだ。大丈夫だ、れおんなら大丈夫。
「・・・周、別れ話なら聞かないから。」
れおんはそう一言だけ言った。
え?別れ話?
そうか、そうだよ、、、
よそよそしい態度、気まづくて顔も見れなくて、極め付けは大事な話。
以外とネガティブなれおんは嫌な想像してしまうよ。
「違うよ!!そんなんじゃない!ちょっと待ってて!」
普段は使わない自室に入った。この部屋の机の引き出しに予備の妊娠検査薬をしまったんだ。
それを持ってトイレに行く。最初に陽性の出た検査薬を取っておいたんだけど、時間が経ったら線が消えてしまっていた。
陽性が出たのを確認して、れおんの元へ向かう。不安な顔をしながら椅子から動いていなかったれおんの目の前に検査薬を置いた。
「・・・・!?」
机に置かれたものに驚いた直後、動かなくなったので不安になって顔を覗き込むとポタポタと大粒の涙を流すれおんがいた。
「っ、、、ぅ、、」
「れおん?」
そばに近寄るとグッと抱き寄せられた。れおんは僕のお腹を優しく撫でると、
「ありがとぅ、、、っ、うれ、しぃ、、」
「ぅん、っっ、」
僕も涙を流しながられおんの頭をギュッと抱きしめた。
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