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夏休み①

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「では、連絡は以上。夏休みだからといって羽目を外しすぎないように。」

先生がそう言って去った途端に一気にクラスがガヤガヤとしてみんないっときの解放感を露わにしている。
今日が1学期最後の登校日。

進学校であるこの高校は他校よりも少し夏休みが短い。8月に入ってから夏休みが始まり、9月から学校が始まる。1ヶ月ないくらいの期間が夏休みだ。

「周!!今日もすぐ帰る?ちょっとさ、夏休みの計画立てたいんだ!」

「今日はれおん帰ってくるの遅いから大丈夫だよ。」

今日は会議があるから19時を過ぎるって言ってた。

「ほんと!!ならさ!近くのハンバーガー屋に行こう!今回もテスト僕が勝ったから神谷くんが奢ってくれるんだって!!」

そう言ったハルヒの言葉通り僕たちは3人でハンバーガー屋に来て夏休みの計画を立てている。

ハルヒは神谷くんに奢ってもらってハンバーガーのセットを食べていた。
僕は夕飯があるからとポテトだけ頼んだ。

目の前にあるポテトを数秒見つめていると、

「どうした?そんな不思議そうにポテト眺めて。」

神谷くんにそう聞かれ、僕は白状した。

「僕、ポテト食べるの初めてでさ。これって手で食べるの?ケチャップも付いてきたんだけどかけるの?」

夕飯あるならポテトとかにすればと言われ注文したが食べたことがなかった。

2人はかなり驚いていたが面倒くさがらずに教えてくれた。
ハンバーガーも食べたことがないと言うとハルヒが一口くれて、びっくりするくらい美味しかった。お肉がパンに挟まってるからサンドイッチみたいな感じかと思ったら全然違って驚いた。

ポテトが美味しかったので帰りにれおんにも買って帰ろうと心に決めた。

「俺、8月中旬は親について海外だ。」

「あ、僕れおんと明後日から旅行いく。1週間くらい行ってくる。」

「んー、じゃあ8月の20日とかは?土曜日だしれおんさんも来れるでしょ?」

「うん!!れおんは合わせてくれるとは言ってたけど、土曜日なら仕事はない!」

明後日からはれおんと旅行で、8月の後半にはハルヒの家に遊びに行って、お盆はれおんの実家で過ごすことになってる。

スマホの中のスケジュール帳が埋まっていっててワクワクが止まらないや。

「ま、その日以外も周に会いたくなったら連絡するね!!」

「うん!僕もハルヒに会いたくなったら連絡する!」

「俺の存在無視か?」

神谷くんが本気で拗ねたみたいに言うから思わず笑ってしまった。

「じゃあまたね!!周、旅行楽しんで!!」

「うん!!2人ともまたね!!」

2人と分かれて着く帰路は夏休みのことで頭がいっぱいだ。
手に持った袋からいい匂いがしてつまみ食いしたくなる気持ちを抑えながられおんのために作る夕食を考える頭に切り替えた。
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