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2人の時間
しおりを挟む「あいつ、捕まる前に周に贈与してた。周には申し訳ないことしたって。周の母親のことが好きだったみたいで、これ以上酷いことされてるのも防ぎたくて結婚したって。」
「知らなかった、、、。なんか申し訳ないな、お金もらってたなんて、、、。」
僕を抱いている時以外は何不自由なくしてくれたし、未だにあの人が分からない。一応結婚してたんだけどね。
れおんに通帳を渡された。恐る恐る開いてみると僕の予想していたよりも0が多くて驚きですぐに通帳を閉じた。
「そのお金、好きに使っていいって。周のお金だ。君がこれまで苦しんだことは事実だ。その苦しめた相手からの慰謝料だと思えばいい。周の苦しみを考えれば少ないくらいだしね。だから、学びたいこと学びたいだけ学びな?ま、旅行とかは全部俺が出すけどね。」
「・・・うん。ありがとう。僕、今は無理だけど、いつか、勝俣さんにお礼言いに行く。」
「・・・俺も行くから、絶対。2人きりになんてさせないから。」
むすっとした顔でそう告げるれおんが可愛くて可愛くて仕方なく思った。
「れおん、大好き!」
どうしても抱きつきたくなって思いっきり抱きつくとれおんも、ぎゅっと抱きしめ返してくれる。それに、僕たちが抱きしめあっていると決まってトトとココが僕らの間に入ってこようとしてそれがまた可愛くて幸せだなって感じる。
「すっかりトトとココに懐かれたね。最初の頃はあんなにシャーシャーされてたのに。」
「この子達は、周のこと守ってるナイトなんだよ。賢いから周の敵なのか味方なのかをちゃんと判断できるんだと思うよ?」
僕のナイト、か。僕が2匹を守るんだって思ってたけど僕が逆に守られてるんだ。
「トト、ココ、これからもよろしくな~」
「周~俺にもかまって。」
「ふふっ、れおんってザ!αって感じなのに結構甘えただね。」
家の中ではいっつも僕にくっついてるし、僕の行動で一喜一憂してくれるし。
「周にだけだよ?」
多分僕はその言葉が欲しかったんだな。だってその言葉言われてニヤってしちゃうもん。
初めての夏休みがれおんと一緒っていうだけで楽しみで仕方ない。
思い出いっぱい作って一生忘れられない夏休みにしたいな。
「夏休み楽しみ!!」
「俺も。いっぱい思い出つくろ?周のやりたいこと全部やろ!」
「本当?僕、海入ってみたい!花火も見てみたい!!」
海行って泳いでみたい。プールの授業はいつも見学だった。体の傷が見えちゃうから。だから、泳げるかも分からないけど夏っぽいことしたい!
「全部叶えるよ。絶対に。だか、2人で計画立てようね。」
「うん!!」
僕にとって初めてのことづくしの夏休みが、始まる。
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