上 下
130 / 189
6

決着4

しおりを挟む

れおんとお義父さんとお義母さんとの話し合いに僕も入れてくれて4人で話し合った。

お義父さんは翔くんを許す気なんて全くないから経済的制裁を与えることは決定事項だと僕たちに話した。

いつもとは違う雰囲気で真剣に僕とれおんのために動いてくれたお義父さんの話は明るい話ではないのにお義父さんの僕たちへの想いが伝わってきて僕の心を温かくしていった。

「おそらく、取引をやめた後彼はここに来ると思う。自分自身がれおんにふさわしいと思い込んでいるからな。だがお前たちは対応するな。コンシェルジュから直接私に連絡が来るようにする。私たちがまず彼と接触する。そこから彼も込みで話をしよう。」

そう言っていたお義父さんの言っていた通り翔くんはやってきた。

僕への視線が怒りや恨みを含んでいてどうしても仲良くしていた日々を思い出して悲しくなりそうになる。でも、れおんがずっと手を繋いでいてくれるから僕は1人じゃないってそう思いながら翔くんと対面することができている。





「まず、君の言い分を聞こう。」

「・・・れおん君は僕の運命の番だ。そこにいるΩが脅してる。だかられおん君は僕と一緒になってくれない。」

「れおんは周のことを小さい頃から大切に、愛しく思っていた。ようやく叶った想いを捨てるような、大事な人を傷つけるような息子に育ててない。これまで全てのことが君の一方通行ではないか?」

「違う!!!!」

声を荒げて叫ぶ翔くんはいつもの様なΩらしいか弱さとさ儚さとかそんなの全く感じないほどに乱れていた。

まるで猫が逆毛をたてて相手を威嚇している時のように。

「そいつの本性知らないんでしょ!!!僕は知ってる!!その汚いΩはいろんなおっさんに抱かれてたんだ!!!それも11歳の頃からだよ?キモすぎるでしょ!!増田財閥の性玩具って裏では呼ばれてたんだ!!!そんな汚い体でれおん君の横になんて立てると思うな!!!」

その言葉には何も返すことができない。だって事実だから。僕が汚いのは事実。れおんは気にしないって言ってくれるけど、一般的にこんなΩを番にしたくないのは当たり前。

そう思ってしまってはいたが、横から鼻を啜るような音が聞こえたのでチラリと見てみるとれおんが涙を流していた。

・・・れおん?

-----バンッ

れおんにどうしたのか聞こうとしたところで大きな音が鳴りビクッとしたが音の方に視線を向けるとお義父さんが机をグーで叩いたようだった。

「穏便に済ませようと思ったが止めだ。君は私の逆鱗に触れた。」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いつか幸せを抱きしめて~運命の番に捨てられたαと運命の番を亡くしたΩ~

トウ子
BL
【第四シリーズ あらすじ】 運命の番に捨てられたαの久遠雅哉は失意の中で、運命を呪っていた。しかし、一人の青年を紹介され、彼の世界は再び色彩を取り戻していく。 「愛し方には、正解も不正解も、成功も失敗もありません」 そう笑うのは、二十歳下の美しいΩだった。 ※夕凪様のTwitter企画『#シチュ設定丸かぶり創作ゲーム(最後のキス/背徳/乗り物の中/目隠し/雨降り/指輪)』参加作品でした。 ※「いつか離れる日が来ると知っていたのに~βに恋したΩの話~」の後の話のため、こちらを先に読むとネタバレがあります。 「いつかあなたのモノにして~運命を信じないαに恋したΩの話~」の五年前からスタートします。 20:00、7:00更新 ムーンライトノベルズ、エブリスタにも掲載

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。

cyan
BL
留学中に実家が潰れて家族を失くし、婚約者にも捨てられ、どこにも行く宛てがなく彷徨っていた僕を助けてくれたのは隣国の宰相だった。 家が潰れた僕は平民。彼は宰相様、それなのに僕は恐れ多くも彼に恋をした。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

森の中の華 (オメガバース、α✕Ω、完結)

Oj
BL
オメガバースBLです。 受けが妊娠しますので、ご注意下さい。 コンセプトは『受けを妊娠させて吐くほど悩む攻め』です。 ちょっとヤンチャなアルファ攻め✕大人しく不憫なオメガ受けです。 アルファ兄弟のどちらが攻めになるかは作中お楽しみいただけたらと思いますが、第一話でわかってしまうと思います。 ハッピーエンドですが、そこまで受けが辛い目に合い続けます。 菊島 華 (きくしま はな)   受 両親がオメガのという珍しい出生。幼い頃から森之宮家で次期当主の妻となるべく育てられる。囲われています。 森之宮 健司 (もりのみや けんじ) 兄  森之宮家時期当主。品行方正、成績優秀。生徒会長をしていて学校内での信頼も厚いです。 森之宮 裕司 (もりのみや ゆうじ) 弟 森之宮家次期当主。兄ができすぎていたり、他にも色々あって腐っています。 健司と裕司は二卵性の双子です。 オメガバースという第二の性別がある世界でのお話です。 男女の他にアルファ、ベータ、オメガと性別があり、オメガは男性でも妊娠が可能です。 アルファとオメガは数が少なく、ほとんどの人がベータです。アルファは能力が高い人間が多く、オメガは妊娠に特化していて誘惑するためのフェロモンを出すため恐れられ卑下されています。 その地方で有名な企業の子息であるアルファの兄弟と、どちらかの妻となるため育てられたオメガの少年のお話です。 この作品では第二の性別は17歳頃を目安に判定されていきます。それまでは検査しても確定されないことが多い、という設定です。 また、第二の性別は親の性別が反映されます。アルファ同士の親からはアルファが、オメガ同士の親からはオメガが生まれます。 独自解釈している設定があります。 第二部にて息子達とその恋人達です。 長男 咲也 (さくや) 次男 伊吹 (いぶき) 三男 開斗 (かいと) 咲也の恋人 朝陽 (あさひ) 伊吹の恋人 幸四郎 (こうしろう) 開斗の恋人 アイ・ミイ 本編完結しています。 今後は短編を更新する予定です。

恋人に捨てられた僕を拾ってくれたのは、憧れの騎士様でした

水瀬かずか
BL
仕事をクビになった。住んでいるところも追い出された。そしたら恋人に捨てられた。最後のお給料も全部奪われた。「役立たず」と蹴られて。 好きって言ってくれたのに。かわいいって言ってくれたのに。やっぱり、僕は駄目な子なんだ。 行き場をなくした僕を見つけてくれたのは、優しい騎士様だった。 強面騎士×不憫美青年

処理中です...