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決意 れおんside
しおりを挟む疲れたんだろう。すやすやと眠っている周の髪を撫でながら今日のことを思い出す。
電話が切れた途端体が勝手に全速力で走った。俺が傷つけられるならまだいい。でも、周を傷つけるのは絶対に許せない。だから、周の無事を俺自身の手で掴み取るために全力で走った。
教室に入った途端周が襲われているのを見て頭に血が登ったことは覚えているが周を腕の中に抱き止めるまで目の前が真っ暗で気づいた時には周を襲っていた男たちを蹴散らしていた。無意識に威嚇フェロモンを出していたし、そもそも威嚇フェロモンをここまで出したのは初めてだ。
それほど、あいつらが憎くて仕方なかった。その首謀者、あのΩが俺の運命の番だって?あんなクソみたいなやつが運命だなんて俺の遺伝子おかしいんじゃねえのかって思ってしまうくらいだ。
俺のせいで周を苦しめてしまった。
だから、俺は決めた。今回のことは妥協しない、徹底的に潰す。
今後2度と俺の前にも周の前にも現れないように徹底的に。
---プルルルッ
電話、、泰生か。今日のことだろうな。
起こしたく無いので部屋を出てすぐに電話を取ると申し訳なさそうな声色が聞こえて来た。
「・・・もしもし」
「れおん、、、俺だ。今回のこと聞いた、本当にすまなかった。俺が紹介しなければ、、」
「気にしないでくれ。学校自体は周が行きたがっていたし、レベルも周のレベルに合わせるなら泰生のところがベストだった。だけど、今回関わった生徒をそのままにするつもりはない。」
「そこは俺にも協力させてくれ。うちの親も怒ってんだ。南と北野の両家を敵に回して無事でいれる奴はいねえよ。」
「ありがとう、協力よろしく。」
電話を切ってすぐに寝室に戻る。
周は強い。こんなに小さい体でどうしてこんなに強いんだろうと疑問になる。
この数日、いや、今もだが俺は生きた心地がしなかった。周を失う可能性に絶望したし、また同じことが起きたらどうしようとそんな不安でいっぱいだった。
周はそんな俺を見捨てることなくそばにいてくれて、抱きしめてくれて。
今日だって相当怖かったはずだ。なのに、友達を気遣って、俺を気遣って、俺が来てくれたことが嬉しいって言ってくれて。俺はもうこの子を悲しませないって何度決意するんだ。
「周、ごめんね。俺、今度は絶対に周を悲しませない。誓うよ。」
「・・・・れおん、、、」
「っ、、起きてたの、、?」
恥ずかしい、周の頭撫でながらニヤニヤして誓ったの聞かれてた。
「うん、、、。僕ね、確かに怖いって思ったし悲しいのもあったけどね、れおんに対しての気持ちって絶対に変わらないよ?だから、守らなきゃとか思わなくていい。れおんが僕だけのこと好きでいてくれればそれだけで幸せだし、僕は笑っていられる。」
「・・・周、俺、、、周のこと毎日好きで好きでたまらない。閉じ込めたいくらい大好き。」
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