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子ども 父side

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昼過ぎに妻に連絡が来て急いで来てみると、自分の息子はいつもとは変わり果てた様子だった。

「落ち着いて、何があったの。その腕の怪我は、?」

泣きじゃくるれおんを少し落ち着かせて話を聞いてみると、αに薬を打たれΩに襲われたと。腕は理性を保つために噛んだと。

「っ、俺がっ!悪い、、っはぁ、、、浮かれて、っ、た、、もぅ、あいつにっぅ、会わないように、っ、気をつけてっいたっのに、はぁはぁはぁ、、、祝ってくれるっのがっ、嬉しくてっ、、ぅぁ、、こんな、こんな、、っ、、ぅ、」

僕たちもつられて涙が出そうになる。れおんが離れたがらないこのゴミ箱の中には周くんが捨てたであろう料理と飾り付けがある。れおんが手に持っているのはプレゼントとメッセージカードらしきもの。

少し前かられおんの誕生日を祝いたいんだと料理を練習して、プレゼントの買い物も行っていた。2人にとって幸せに過ごすはずだった番になって初めての誕生日だったのに。
加害者の2人に怒りが湧く。

小さい頃かられおんがどれだけ周くんのことを想っていたか。周くんに見合う男になるためにどれだけ努力をしたのか。
俺はずっと見てきた。れおんは、周くんに自由に楽しく日々を過ごしてほしいからと周くんと同じ学校に行くこともせずに働くことを決めたんだ。

泣き続けて過呼吸にもなりかけている。れおんがここまで取り乱すのは昔から周くんにだけだ。

目が覚めて絶望しただろう。薬を打たれた後遺症もある中で必死に帰ってきて、ゴミ箱に捨ててあるこれを見て余計に苦しかったんだろう。

「れおん、、、」

妻は僕にれおんを託し、もう1人の息子を助けにいった。

少し過呼吸はマシになったがゴミ箱の前で涙を流して苦しむ息子。

「リスク回避ができなかったことは己を責めろ。そこは周くんに全力で謝れ。だが、お前だって被害者なんだ。今は辛いだろうが、強くなれ。大事な人を守れるようになれ。」

αとして、番であるΩを傷つけてしまったことは悔いても悔いても足りないだろう。

周くんの状態はわからないが、簡単に許してくれることではない。
あんなに純粋な彼をら傷つけてしまったんだ。

最悪、番を解消したいと言われる可能性だってある。


---バンッ


目の前に周くんがやってきてれおんのことを思い切り抱きしめていた。

「れおん、ごめんね。僕、、、ごめんね。」

「っ、、ぅ、、、ちが、ぅ、、ごめ、俺、、俺、、、っぅぁ、、はぁ、、ぅ、」



僕が思っている以上に周くんは強いんだな。2人なら、大丈夫だ。
そう思って僕たちは静かにその場を離れた。


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