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約束

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「楽しかった?」

「うん。いっぱい買ってもらっちゃった。申し訳ないくらい。」

「いいんじゃない?もう1人子供ができて嬉しいんだと思うよ?でも、俺からもたくさんプレゼントしたい。」

「お、お義母さんがたくさん買ってくれたんだからこれ以上は当分大丈夫だよ!!れおんは当分僕のお買い物禁止!!」

れおんが僕のために用意してくれて部屋のクローゼットにはもう収まりきらないくらい服があるし、ベッドはもう使わないだろうからって撤去されたんだけど、そこにまたハンガーラックが用意されてて、そこも埋まりつつある。

あの部屋は、服で埋まってしまいそうなくらいなんだ。

「え、困る。自分の番に俺の選んだ服着て欲しいって言うだけなのに?」

「・・・なら、一緒に買いに、行こ?僕だってれおんの服選んでみたい。」

「・・・デートだね。」

「うん。デート。・・・れおん、来週、れおんの誕生日、さ?家でゆっくり、その、誕生日のお祝いしよ?」

「俺の誕生日、祝ってくれるの?」

「当たり前だよ!!だってれおんが産まれた日なんだよ?」

---ギュッ

「ありがとう!嬉しい。周、何食べたい!?なんかデリバリーしよっか?」

「あ、あのね、お義母さんが協力してくれて、当日もう手配してある、から。れおんの帰宅時間教えてくれる?それに合わせてもらうからさ、、」

「母さんが?じゃあ、何が届くか俺はドキドキってことか。周が用意してくれるってだけで嬉しいよ。ありがとう。周が好きなもの頼みなよ?」

れおんは僕がご飯を作って用意するなんて思ってないみたい。当日驚いてくれるといいな。喜んでくれるかな。1人で作れるようになったから失敗しないといいな。

「れおん、僕楽しみ。」

「俺も。」

「・・・誕生日終わったら、ちゃんと話す。それまでは僕頑張ってみるから。」

「わかった。・・・無理に話せとは言わないけど、周が泣く姿や傷つく姿は見たくない。それだけは覚えてて?あと、一昨日みたいに怪我して学校に呼ばれるのは生きた心地しないからもう嫌だよ?」

「・・・うん。ありがとう。れおん大好き。」

「俺も大好きだよ。」

「辛くなったら俺のこと頼るんだよ?俺と周は番なんだ、2人で1つなんだからね?」

「2人で、1つ、、、。」

「そう、俺は周が辛いと辛いし、周が嬉しいと嬉しいし、」

「僕、も、れおんが嬉しいと、、嬉しい。」

「ね?そうでしょ?だからね、周を傷つける人は俺のことも傷つけてる。俺は自分や自分の大切な人が傷つけられても笑っていられるほど穏やかじゃないし、俺の世界は周中心に回ってるんだからね。」

「・・・うん、ありがと。もうちょっと頑張ってみてもダメだったら頼ってもいい?」

「もちろん。約束。」

れおんと交わしたこの小指の約束、ちゃんと守るんだ。


でも、守れた時には少しだけ遅かった。



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