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怪我
しおりを挟む痛い。
すぐ立ち上がらないと、授業間に合わない。これくらい平気。最近はあったかいとこで暴力なんてない場所で過ごしてたから、久しぶりだからちょっと辛いだけ。これくらい平気、前まではこんなの毎日だったんだから。
クスクスと笑う声を聞きながら体を動かそうとするがなかなかうまくいかない。
周りからは人がいなくなって、誰もいない中、痛みを堪えながら立ち上がる。
足首が痛い気がするけど、大丈夫。歩ける。平気だから。
平気だから、だから、涙なんて出るな。
「これ、使って。涙、拭いて、、?」
そう言ってハンカチを差し出し、肩を貸して一緒に階段を降りてくれた。
「・・・鈴木、君、、、?」
鈴木ハルヒ君、いつも2位を取ってる子だ。貧乏人と揶揄われていたのも見たことがあった。
でも話したのなんて一度だけなのに、なんで、、、。
「授業、遅れちゃった、、ごめん、鈴木くんも、遅刻になっちゃって、ごめん。」
「授業行くつもりなの?だめだよ、頭も打ってるかもしれないんだよ?階段から落ちたんだよ?保健室に行こう?」
そう言われて、僕は鈴木くんと保健室に行くことになった。保健室に行けると思った途端、背中も足もどこもかしこも痛く感じてくる。
「まぁ、どうしたの?」
「・・・階段から落ちてしまって。」
階段から落とされたなんて言えるはずなかった。保健室の先生に怪我の手当てをしてもらい、このあと病院に行くことになった。頭を打ってるかもしれないから検査をした方がいいとのことだった。
「保護者の方にも連絡するわね。」
「やめて!!!お願いします、連絡は、しないで欲しいです、、。」
緊急連絡先はれおんとれおんの両親になっている。隠していたのに、知られてしまうかもしれない。れおんにもお義母さんにもお義父さんにも心配させてしまうかもしれない。僕のせいで、そんな迷惑かけられない。
「怪我してるし、連絡はしなきゃいけないわよ、、?」
「先生、連絡してきてください。そして、早く病院に連れていってあげてください。何かあってからじゃ遅いから。」
鈴木くんが先生にそう言ってしまって先生は連絡をしにいってしまった。
れおんに迷惑をかけてしまうことが嫌でまた涙が出る。その涙を鈴木くんが拭いてくれる。でも、今の僕にはありがとうをいう余裕もなかった。
「・・・ごめんね。」
急に鈴木くんが謝り始めた。
「助けなくてごめんなさい。僕が言われてた時には助けてくれたのに、僕は、僕は、、っ、、ごめんなさい。」
そう言って鈴木くんが泣きだすから、今度は僕がハンカチで彼の涙を拭く。
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