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運命の番
しおりを挟む「僕はれおんだけだよ!!」
「うん。ね?そう思うでしょ。俺もだよ、俺も、周だけなんだよ。周しか嫌なんだ。」
「うん、、ごめん。・・・まだ生理ついてないけど、、」
僕の頭を撫でる大きな手も、抱きしめる逞しい腕も、不安そうに揺らす瞳も、ぜんぶ僕のだ。
「俺こそ不安にさせてごめん。初めて会った時に話しておけばよかった。まさか周の友達だとは思ってなかった、、言い訳にしかならないけど。」
「テストとかもあって気遣ってくれたんでしょ?ありがとうね。でも、やっぱり隠し事は嫌だ。僕が傷つくことであっても話して欲しい。」
「うん。周、、、一緒に風呂入ろう?」
・・・・・はい?
「な、なに、、急に。」
「いや、その、、、さっきの子のフェロモンがまだついてて、、、嫌だ。」
性格悪いな、僕って。翔くんは大切な友達で、大好きなのにれおんが翔くんのフェロモンが嫌だって言うのを聞いて嬉しくなってるなんて。
僕がれおんと離れないってことは翔くんから運命のつがいを奪う行為だ。
世間的にそれがどう思われるのかとか、どうするべきだったとかは今はどうでもよくてただただれおんがここにいてよかったってそう思う他なかった。
チャプンと水音が風呂場に響く。少しの動きでも音が響くからなんだか恥ずかしい。
「俺、周がれおんは渡さないって言ってくれたの嬉しかった。」
「う、うん、、、」
濡れた髪がすごく色っぽくてちょっと緊張してしまう。風呂に一緒に入ったことはあったけど、今日は何だか前以上に胸のドキドキが止まらない。
前髪から垂れる雫も、体が温まり少しほてった体も、密着した体も。
なにもかもがれおんの存在を僕に突きつけてくるようで堪らなく愛おしい。
「周、好き。好きだよ。」
「うん、僕も好き。誰よりも大好き。お願い、僕から離れないで。」
「当たり前でしょ。周も俺から離れないで。絶対に。」
今日の出来事は2人にとって衝撃が強くて、お互い不安が0になることはない。でも、不安を伝えてお互いがお互いしかいないと確認し合えたからそれでよかったんだ。
「・・・俺のせいで友達と気まずくなったよね?ごめん。でも、俺は彼にもう会いたくないから弁明したりとか仲良くしてって言ったりできない。」
「ううん。大丈夫、僕ももうれおんに翔くんには会って欲しくないから。」
「今日でわかったと思うけど、周も必ず抑制剤飲んでて。もし、運命に会っても抑制剤があれば発情を抑えられるから。俺は周を誰にも渡す気はないから。」
「うん。・・・れおん、ベッド連れてって。今日はいつも以上に愛して欲しい。」
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