85 / 189
5
ケーキ
しおりを挟む「そんな可愛いことして、明日が学校なのに抱きたくなるでしょ。」
「・・・別にいいよって言ったら困る?」
「・・・・・・だめ。流されちゃいそうだったけど、俺より周に負担がかかることだから、無理させたくない。・・・でも、土曜はいつもよりいっぱい愛しちゃうかもしれないからな。」
「・・・うん。今日もギュッってして寝てくれるんでしょ?」
「もちろん。」
数時間前までは暗かった気持ちがもうほとんどなくなって、土曜が楽しみっていう思考が頭の半数を占めてる。
「あ!!忘れてた!」
「ぅぇ、、っ!!!ちょ、、れお、え、待って!お、おろして!」
忘れてたと言ったと思ったら、僕を抱えたまま立ち上がって歩き始めたから焦る焦る。
「だってちょっとも離れたくないから。周は軽いからなんの問題もないでしょ。」
「そ、そういうことじゃなくて、、軽くないし、、なんか、恥ずかしくて、、」
「俺が幸せだからさせて?ね?」
「・・・・ずるい。」
もう知らない。恥ずかしいから胸に顔埋めてやる。
「周?恥ずかしがってないで見てみて?」
いつの間にかソファへと戻ってきていて、拗ねている僕に優しく話しかけてくれる。
れおんが優しく言うから拗ねてたのに素直に言葉に従ってしまう。
「わぁ、、すごい」
そこには見たことのないケーキがあった。
「この間買ったのとはまた違う種類のケーキを買ってきたよ。試験頑張ったご褒美。」
「・・いいの?」
「もちろん。ほら、どれから食べる?」
「この茶色の丸いやつがいい。」
「これは、モンブランって言うんだ。栗のケーキだよ。」
れおんに口まで運んでもらって食べさせてもらう。前に食べたショートケーキとかのクリームとはまた違ってちょっとねっとりしたクリーム、それがすごく美味しくて口元が緩んでしまう。
「気に入った?これね、俺が1番好きなケーキなんだ。」
「れおんの好きなケーキ、、れおんも食べて?」
そう言ってれおんからフォークを奪い食べさせると嬉しそうに食べていて僕まで嬉しくなった。
「ん!これ僕好き!」
「ミルフィーユか。この間の3つと比べてもこれが好き?」
「うん!パリパリしてて美味しい!」
「パリパリが好きなら今度アップルパイとかも買ってこようか。」
僕が好きなものを見つけると、れおんはすごく嬉しそうにする。僕は食べたことのないものが人より多いから、その反応を見れるのが嬉しいんだって言っていた。
僕は、最近表情がわかりやすくなったから食べている顔を見るのも好きなんだって言ってくれた。
そう言ってくれるのが僕は嬉しい。
「ねぇ、周?」
33
お気に入りに追加
1,656
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る
黒木 鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!
出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様
冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~
二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。
■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。
■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
こじらせΩのふつうの婚活
深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。
彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。
しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。
裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる