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ケーキ

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「そんな可愛いことして、明日が学校なのに抱きたくなるでしょ。」

「・・・別にいいよって言ったら困る?」

「・・・・・・だめ。流されちゃいそうだったけど、俺より周に負担がかかることだから、無理させたくない。・・・でも、土曜はいつもよりいっぱい愛しちゃうかもしれないからな。」

「・・・うん。今日もギュッってして寝てくれるんでしょ?」

「もちろん。」

数時間前までは暗かった気持ちがもうほとんどなくなって、土曜が楽しみっていう思考が頭の半数を占めてる。

「あ!!忘れてた!」

「ぅぇ、、っ!!!ちょ、、れお、え、待って!お、おろして!」

忘れてたと言ったと思ったら、僕を抱えたまま立ち上がって歩き始めたから焦る焦る。

「だってちょっとも離れたくないから。周は軽いからなんの問題もないでしょ。」

「そ、そういうことじゃなくて、、軽くないし、、なんか、恥ずかしくて、、」

「俺が幸せだからさせて?ね?」

「・・・・ずるい。」

もう知らない。恥ずかしいから胸に顔埋めてやる。

「周?恥ずかしがってないで見てみて?」

いつの間にかソファへと戻ってきていて、拗ねている僕に優しく話しかけてくれる。

れおんが優しく言うから拗ねてたのに素直に言葉に従ってしまう。

「わぁ、、すごい」

そこには見たことのないケーキがあった。

「この間買ったのとはまた違う種類のケーキを買ってきたよ。試験頑張ったご褒美。」

「・・いいの?」

「もちろん。ほら、どれから食べる?」

「この茶色の丸いやつがいい。」

「これは、モンブランって言うんだ。栗のケーキだよ。」

れおんに口まで運んでもらって食べさせてもらう。前に食べたショートケーキとかのクリームとはまた違ってちょっとねっとりしたクリーム、それがすごく美味しくて口元が緩んでしまう。

「気に入った?これね、俺が1番好きなケーキなんだ。」

「れおんの好きなケーキ、、れおんも食べて?」

そう言ってれおんからフォークを奪い食べさせると嬉しそうに食べていて僕まで嬉しくなった。




「ん!これ僕好き!」

「ミルフィーユか。この間の3つと比べてもこれが好き?」

「うん!パリパリしてて美味しい!」

「パリパリが好きなら今度アップルパイとかも買ってこようか。」

僕が好きなものを見つけると、れおんはすごく嬉しそうにする。僕は食べたことのないものが人より多いから、その反応を見れるのが嬉しいんだって言っていた。

僕は、最近表情がわかりやすくなったから食べている顔を見るのも好きなんだって言ってくれた。

そう言ってくれるのが僕は嬉しい。


「ねぇ、周?」
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