【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される?ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ!

にゃーつ

文字の大きさ
上 下
83 / 189
5

落ち着き

しおりを挟む

「周はクラスメイトの豹変ぶりと、大勢から向けられる罵倒が怖かったんだね。」

「・・・うん。」

「周の友達はいつものことだって言ってたんだよね?」

「うん、、、中等部の頃からずっとみたいで、、、。クラスのみんなは、あんな中でテスト受けてきたの?あれが普通なの?友達って急に嫌なこと言ってくるの?」

---ギュッ

「落ち着いて。俺や泰生はお互いに嫌なこと言い合うと思う?」

真剣な目をしてそう聞かれる。
れおんと泰生くん、、。

れおんは泰生くんにうるせーとか言ってるけど、言われてる泰生くんは笑顔だし、それに、相手を傷つけるようなこと言ってるのなんか聞いたことない。

だから、思いきり首を振った。
すると、れおんの真剣な目がいつも僕を甘やかしてくれる時の柔らかい目になった。

「そうでしょ?俺も泰生も傷つけるようなこと絶対に言わないし、少し言い合うことはあってもそれはただの喧嘩で、すぐ仲直りする。・・・でも、周が見たそれは、友達同士のやりとりじゃない。喧嘩っていうのはさ、この間したみたいに2人でするもんだろ?でも、それは一方的じゃないか。」

喧嘩、、前にれおんとした。
その時は、言い合いにはなったけど傷つける言葉じゃなかった。だって、言葉自身に傷ついたんじゃなくてその言葉に込められた相手の心が分からなくて悲しかったから。

「うん。僕、友達っていっぱいできたほうがいいと思ってたけど、そんな友達なら嫌だ。」

「うん、周の友達はまわりと同じように暴言吐いてた?」

「ううん、してなかった。なんにんかはしてなかったんだ。でも、僕も同じだ。」

「同じ?」

そう、僕はただ唖然として見ていた。クラスメイトが暴言を吐いて、クラスメイトが傷ついていってる様子を、ずっと見てた。怖かった、恐ろしかった。


でも、


「止めることができたかもしれないのに、止めることもしなかった。」

まだあの家にいた時、使用人の人は見て見ぬ振りをしていた。確かに、助けたら雇い主である父になにかされるかもしれないんだろうけど、そう思ったのは大きくなってからで、幼い僕にとってはみんな同じだった。みんな、僕を傷つける人だった。

「・・・偉いね、そう考えられる人は実は少ない。その考えで行動することで周が傷つくこともあるかもしれない。でも、周のその考えは正しいんだからね。」

そう言ってたくさんギュってしてくれた。頭も撫でてくれた。

キスもしてほしいって思ったら、ちゃんとしてくれた。

「あ、そういえば周のテスト結果はどうだったの?それ気になって帰ってきたんだけど。」

「あ、忘れてた。ちょっと待ってて。」

荷物を寝室に放ったらかしにしてたから、取りに行く。
そうだった。これ見せたら褒めてもらえるかもって思ってたのに、すっかり忘れてた。

しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編連載中】

晦リリ
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

処理中です...