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4月
しおりを挟む4/6、今日は僕の編入日。
今日から高校2年生だ。
「着いて行かなくていいの??」
「いいよ、、僕1人で行けるから。」
「俺、今日休みだからなんかあったらすぐ電話して?迎え行くから。」
「うん、ありがとう。でもきっと大丈夫だよ!!!いってきます!!」
このマンションから歩いて15分ほどのところに学校はある。
1人で出歩くのは、かなり久しぶりだ。れおんのところにきてからはれおんと出かけることがほとんどだったし、パーティーに行った時はただただ必死だったから、こんな風に1人でゆっくり歩くなんて久しぶりだ。
学校へ着くとその大きさに驚いた。僕が通っていた中学校は公立だったしそんなに大きくなかった。でも僕の中ではあれが学校だったから、規模も綺麗さも違って驚いた。さすが私立だ。
「お、来た来た!!おっはよー!」
「え、泰生さん!!」
なんで泰生さんがここに?学園の運営には関わっているけれど、学園にいることはないって言っていたのに。
「泰生さんじゃなくて泰生くんって呼ぶって言ったでしょ。初日だからね、校長室まで連れて行ってあげる。」
「ありがとうございます。」
まさかの人物の登場に驚いたが、泰生くんは少し校内を案内しながら校長室まで連れて行ってくれた。
「じゃあ俺は帰るから。頑張ってね」
「はい、泰生くん!ありがとうございます。頑張ります。」
帰っていく泰生くんの背中を見送ってから扉をノックする。すると、低めの男性の声が聞こえた。
「失礼します。増田周です。今日からお世話になります。」
「増田くん、この学校の校長をしている酒井勇作といいます。よろしくね。君の担任がもう少ししたらくるからそれまで少し話そうか。」
「は、はい。」
「そんなに緊張しなくていいよ。泰生くんからもよろしく言われているしね。」
「泰生くんが?」
「友人だからよろしくと言われたよ。さて、増田くん、君の編入するクラスにはΩは君の他に2人いる。1人は不登校気味だがね。αは15人。それ以外はβだ。同じクラスではあるが体育の着替えは性別ごとに分かれている。間違いが起こらないよう、徹底している。」
校長先生から聞いた対策はすごかった。番のいないΩは首輪をつけることと抑制剤の服用が義務付けられているだけでなく、αも抑制剤が義務付けられているそうだ。校内の至る所に監視カメラやΩが逃げ込める部屋も用意されてるみたい。
財閥の御曹司や令嬢も多く通うため、校内のセキュリティも抜群。過保護なれおんが許可しただけのことはある。すごいな。
---コンコン
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