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お礼

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「ほ、本当にこれがいいの?その、僕上手くできるかわからなくて、、一生懸命頑張るけど、できるかわかんないよ?」

デートに行った日にれおんが僕にしたお願いは

「周の手料理が食べてみたい。」

だった。

料理はほとんどしたことないけど、なんとかレシピを調べて作っている。
でも、食材の大きさもバラバラだし、お肉ちょっと焦げちゃったし、、、

れおんに初めて作るから美味しいの作りたかったのに。僕、ほんとに何もできないじゃん。

「で、できた。肉じゃが、、、らしきもの」

「なに、肉じゃがらしきものって。美味しそうじゃん!早く食べよう!!!」

れおんが食べるのを恐る恐る見守る。
食べられないものは入れてない、、けど。

「そんな不安そうな顔しないで。美味しいよ。作ってくれてありがとう!俺、ずっとさ周の手料理食べてみたかったんだ。だからすごい嬉しい!!!」

「れおん、、、、ぼ、僕も食べる。・・・・・・・・・・ね、ねぇ!!!やっぱ村重さんにお願いした方が良かったじゃん!!」

食べてみるとじゃがいもと人参は少し硬いし、玉ねぎは切れてなくて繋がってるとこあるし、肉も焦げてる部分がたくさんある。

美味しい!と言えるようなもんじゃないよ、、、、、

「俺はこれが良い。俺は、周が作ってくれたこの肉じゃがが世界で1番好き。」

そう言ってどんどん食べ進んでいく。そう言っても、、、

お味噌汁も味が濃かったし、初めて炊いたご飯も水が多くてべちょべちょだった。

れおんへのお礼なのに。れおんに美味しいって言ってもらいたかったのに。

れおんは言ってくれた。でも、こんなの食べて美味しいなんて思っているはずがない。僕に気を遣って行ってくれたんだ。


「しゅー?なんで落ち込んでんの?俺のお願い聞いてくれたでしょ?嬉しかったんだよ、俺は。」

「だって、、全然上手くできなくて、、、れおんに美味しいご飯作りたかったのに。」

「俺は、周がそうやって俺のこと思って作ってくれたからこそ美味しいって思ったんだよ?・・・・でも、そんなに気になるならさ、習う?料理。」

「料理、、、習えるの?」

「母さんがさ、周に花嫁修行しにおいで~って言ってたんだよね。そういう名目で周と話したいだけだと思うけどね。」

花嫁修行、、、僕、1人で何もできない。
それしたら、れおんにいっぱい恩返しできるかな?

「行く!!!」

「そういうと思った。じゃあ、母さんに連絡しとくね。学校がある日はダメだからね。」

「え、、どうして?勉強もちゃんとするよ?」

「ただでさえ学校に何時間もいるのに、そこから実家に行かれたら俺と過ごす時間少なくなるからだめ。」

そんな恥ずかしいこと言われると何も言えないじゃんか。






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