64 / 189
4
喜び
しおりを挟む「合格祝い何がいい?」
「いらないよそんなの。制服だって買ってもらうんだし、悪いよ。」
「いいんだよ。俺が働いてるの周の好きなもの買うためだし。」
「ん~、、あ、あのね、本。前に読んだ、学校に置いてあった本の続きが読みたい。」
小学6年の時、図書委員になった。
本の整理をした後になんとなく気になった本を読んでみると面白くて下校時間ギリギリまで読んでしまったんだ。
遅くなってしまって、父様やお義母様には叩かれてしまったけれど、それでもいいやって思えたほどおもしろかったんだ。
物語は1人の男の子が異世界に転移して、新たな仲間と共にいろんな国を冒険する話だった。一巻では言語のわからない国に行ったのに、身振り手振りでその国の人と打ち解けて、女の人しかいない国行ったり、魔法の使える国に行ったり、僕もいろんなところに行ってみたいってそう思えたんだ。
「本?ならさ、本屋さん行ってみる?たくさん本あるし、その本以外にも周の好きそうなものがあるかもしれないよ?」
「い、行ってみたい!!」
「じゃあ明日はデートだね。本屋さんデート。その後パフェでも食べに行く?食べたことないでしょ?」
「パフェ、、、、、食べ物?」
「うん。周の好きな甘いものだよ。」
パフェか~、どんなものだろう。名前の感じからして和菓子じゃないよな~。
楽しみ。
れおんがたくさんの初めてをくれるんだ。あの物語の主人公みたいに僕も毎日が発見の日々だ。
「ちょっと、トトとココと遊んでくる。」
「うん。俺は少し仕事残ってるから、書斎にいるね。」
「トト~ココ~、お前ら大きくなったよな~ちょっと重いもん。元気に飛んで跳ねて、可愛いな~」
「にゃ~!!!」
あの時あんなに弱っていた子猫がこんなに大きくなるなんて思わなかった。
でも2匹とも眠る時僕の近くに来ることや好きな食べ物とかはあまり変わらない。
それに、最近は僕がれおんに抱きしめてもらいながら眠るからトトは僕とれおんの間で眠ることも多いし、ココは僕とれおんの頭の方で寝てることもある。
2匹ともれおんにも懐いてくれた。僕や2匹のことを守ってくれる存在だって認識してくれたみたいだ。
「れおんのこと、初めあんなに嫌だったのに、今は近くにいないと嫌なんだ。不思議だよな。」
1年前の僕ではありえない環境の変化にびっくりしているけれど、楽しい毎日なんだ。毎日、楽しくて仕方ない。
明日のデートも楽しみで仕方ない。
ずっと勉強だったから、パーっと遊ぼうねってれおんも言ってくれた。
僕は勉強も楽しくて仕方なかったけど、れおんが楽しそうだから僕も楽しい。
早く明日にならないかな。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
1,515
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる