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父親

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「周、今日嫌じゃなかった?」

「うん。嬉しかった。僕、親っていうのよくわからないし、お母さんのこともたくさんは覚えてないからさ。父親は特に。でも、」

帰り際、れおんが部屋から荷物を取っている時にお義父さんと少し話をした。

「本当に、れおんが無理矢理番にしたわけじゃないんだね?」

「も、もちろんです!」

「ならいいんだ。1人息子だからどうしても可愛くて仕方なくてね。でも、僕も妻も君の味方だからね。れおんが嫌になったらいつでもここに来なさい。」

そう言って渡されたのはこの家のカードキーだ。一軒家なのにカードキーなんて珍しい。

「いつでも遊びにおいで。」

「・・・ありがとう、ございます。」

「君の知ってる父親はね、世間的にも僕の考え的にも父親ではないよ。鬼だ。悪魔だ。」

「・・・・・・」

「ま、僕に任せなさい。彼らの取り上げられる遺産を君のものにしてみせる。」

「え、そ、そんな」

「君には受け取る権利がある。それに、君の母親の分の財産は確実に君にいく。それに、れおんの籍に入れば君の元家族とは関わらなくて済む。」

「・・・・・・ありがとう、ございます。僕、もう全部諦めてた。」

「諦めなくていいんだ。まだ若い。これからだろう。自分らしく頑張りなさい。」

「ありがとう、、ございます。これからよろしくお願いします。」

「もちろんだよ。れおんは最近大人っぽくなってしまったから周くんが可愛くて仕方ないや。こんど美味しいもの食べに行こうね。」

「あ!!父さん!やめてよ、周は俺のだからな。」

れおん、、、お父さん相手に、。

「男の嫉妬は醜いぞ。」

れおんとお父さんは仲良しだな。
帰りは車ではなく歩いて帰ることにした。30分くらいかかるが、れおんと手を繋ぎながら散歩がてら帰る。

「寒くない?」

「うん、大丈夫。れおん、僕、勉強頑張るし、れおんのこといっぱい幸せにする。」

「・・・嬉しい。俺も、幸せにする。周がいればそれだけでもう最高に幸せだけどね。」

すごい、れおんはすごい。僕の心をすぐポカポカにしてくれる。

「ねぇ、れおん。早く結婚したいね。」

「ぅぇ、!え!!??ほ、ほんと、!に??」

「うん。れおんと同じ苗字になりたい。」

本心だった。

「周が大学卒業したら、すぐに籍入れよう?」

「・・・うん。」

あと、8年。長いな~。
でも、それまでもずっと一緒にいられるんだ。嬉しい。

寒くて仕方ないってことにして、れおんにぎゅっと抱きつく。

「早く家帰ってチューしよ。」

「し、周、、?え、どうしたの、今日すごいデレデレ。」

だって幸せなんだもん。
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