【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される？ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ！

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追撃 れおんside

「た、ただの冗談だ！！これは！戯言なんだ！！！」



『・・・増田宗二という男は、息子を無理矢理取引先の方々の性処理として引き渡していました。あの方がが初めてそういったことを無理やりさせられたのは11歳になったばかりの頃です。いつ誰とどこで時間を共にしたかはすべて記録がございます。他の不正の証拠も全て揃っています。』


増田家の執事からとれた証言だ。
彼は周をらどうにか助けたいと思いながらも半ば脅されている状態であることがわかったためこちらで家族の安全を保証する代わりに全てを話してもらった。

今その証言がこの会場に響き渡っている。


増田宗二はもう言葉すら出てこないようだ。


「お前がしていたことは、全て調べがついている。脱税も、裏金も、未成年の売春も、違法薬物の取引もな。」

そういった途端勢いよく顔を上げた。

「な、、な！なぜそれを！！」

「優秀な知り合いがいたからな。調べてもらったんだよ。お前の家には今家宅捜索が入っている。この会場を出ればすぐに捕まるさ。当分は出てこれないはずだ。」

「な、なぜ！なぜそこまで、私を陥れるんだ！！！」

「陥れる？人聞き悪いこと言うなよ。お前が勝手に落ちぶれたんだ。それと、増田宗二の不正に関わっていた奴等とは南財閥は取引をしない。特に売春の方に関わっていた奴。記録がしっかりと残っているからな。」

「あ、それは北野財閥も！！」

そういった瞬間顔色が悪くなった奴らが何人かいた。
取引がなくなるやつもいるし、今回のことで家族にもバレる可能性が高い。
家族に黙ってそんなことしてたんだからな、そりゃあそうだ。

これは両親に頼み込んだ。
俺は周を苦しめた奴らと仕事をしたいとは思わない。
幼少期から俺が周のことを好きなことも知っていたし、周とも2、3度会ったことのある両親は

「当たり前でしょ！！そんな奴ら地獄に落ちればいのよ！！まだ幼い子にトラウマ植え付けて！！」

大賛成してくれた。


増田宗二は警察が来るまで会場端の椅子に座らせ警備員に見張りをしてもらうことになった。


「皆様、お騒がせして申し訳ございませんでした。」

そう言うと俺は会場の端へと移動する。

ここからが本番なんだ。


増田宗二の失脚など容易い。
こんなことこの場でなくてもできた。

だが、ここでした理由は一つ。
誰一人逃さないためだ。

義母の方は泰生に頼んだ。だから俺は、


「南れおん、様？」

「あなたは？」

「あ、私、大学の方に在学しているのですが以前高等部に顔を出した時にあなたをお見かけしまして、その後も何度かお顔が見たくて後頭部に通っていたのですがいつからかいなくなってしまい悲しく思っていたところ、今日こうして会えたのが嬉しくて！

私、剛と言います。」


増田剛。俺が最も憎くて仕方のない男。