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押し込めたもの
しおりを挟む「さ、抱き上げるからね?まだ安静にしてなきゃいけないのに無理したんだから。夕飯までちゃんと寝ること!」
そう言ってレオンに抱き抱えられた。
は、恥ずかしい。
何にも思ってなかった時があるだなんて信じられないくらいに今はドキドキする。
「!?!?え、れ、れおん!そっちはれおんの部屋でしょ?僕の部屋じゃない、よ?」
「・・・俺の思いやっと通じて恋人になれたのに一緒の部屋で寝ないわけないでしょ。」
い、一緒の部屋!?!?
え、いきなり?
一緒の、部屋、、、
そういうことするため?
「・・・俺は、周が心の底から俺と触れたいって思うまでそういうことも、キスも絶対にしない。」
僕が触れたいって思う。
これまで触れたいって思ってしたことなんてなかった。ご飯のため。お風呂のため。殴られないため。
初めの頃はしていた抵抗ももうしなくなってどれぐらいたっていたんだろう。
抵抗はしなくなったけど、嫌だって気持ちがなくなるなんてことはなくて、その気持ちを無理やり押し込めて、無視して生きてきた。
「周、きっと君は自分の気持ちを何回も何回も心の奥にしまったんでしょ?その気持ちがあると余計辛くなるから。
・・・偉かったね。自分を自分で守ってあげたんだよ。簡単にできることじゃないんだ。
でも、押し込めた気持ちも周の一部だからそろそろ外に出してあげて欲しいんだ。俺に話せなくてもいい。トトとココにでもいい。1人の時にでもいい。外に出してみて欲しいんだ。周が周自身を無視しないであげて欲しい。その押し込めている一部も俺の世界で一番大好きな周なんだから。」
・・・俺の、一部。
「一気に言ったら混乱するよね。ほら、夕飯まで休みな?」
そう言って僕をベッドに寝かしてくれたれおんはトトとココもベッドの上にあげてくれた。引っ掻かれながら。
頭を撫でてからおやすみと言って部屋を出たれおん。
れおんが居なくなり僕が布団に横になっているからトトとココはいつもの定位置で寝る体制に入っている。
さっきれおんが言っていたことに対して何も言えなかった。
この奥にしまったものを外に出したらどうなるんだろう。
もう何年も押し込めていたこの気持ちを。外になんて出してもいいのだろうか。
-----その押し込めている周の一部も俺の世界で一番大好きな周なんだから。-----
れおんの言っていた言葉を思い出す。
・・・だめだ。どうしたらいいのかわかんなくなってきた。
ここ数日で環境も変わりすぎてついていけていないんだ。
それに、恋人までできた。
初めての恋人。
しかも初恋の人。
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