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再会
しおりを挟む僕が無意識でした作り笑いを見抜いたれおん。無理矢理、笑わなくていいだなんて。変なの。
「そうだ!周にはサプライズがあるんだ!」
そう言って部屋から出たれおんが戻ってきた時手に持っていてのは、
シャーーー!!!
「お前たち、俺に対して威嚇しすぎだよ?」
そう言って、れおんがかごの扉を開けた途端出てきたのは、、
「っ~トト!!ココ!!!」
あの日、僕の視界から消えていってしまった、トトとココだ。
2匹は一目散に僕のベッドへ駆け寄ってきた。
思わず抱きしめて
「ごめんな。ごめんな。よかった。無事でよかった。っっうぅぅぅ、、トト、、ココ、、」
「近くの溝の中で発見したんだ。2匹とも怪我をしていたから病院に連れていってね。一時は命の危険もあったから確実に助かるまで周に報告しなかったんだ。黙っていてごめんね。」
諦めていた。もう2度と会えることはないって。僕の、家族。
「っっ、、あ、りがと、、、れおん、ありがとう、、ぅ、、」
「うん。にしてもこの子達、周にはすんごい懐いてるけど、俺にも病院の人たちにも威嚇しまくりで一切懐いてくれなかったんだよ?」
たしかに。剛さんにもすごい威嚇していた。僕のこと守ろうとしてくれたのかな?
「周の部屋に朝運んだやつはね、キャットタワーって言って猫が遊ぶものだよ。ここに置けば寝たままでも2匹のこと見えるでしょ?」
「ここで、飼っていいの?」
「もちろん。まだ生後2ヶ月ぐらいの子猫、周がちゃんと育ててあげて。そのためにいっぱい猫グッズ買ったから!」
トトとココとまた一緒に過ごせる。
ニャー!
「よしよし、おいで。」
トトもココも流れ続ける僕の涙を舐めてくれる。元気づけてくれてるんだな。
「ありがとう。」
泣き疲れて昼まで眠ってしまった僕が起きると、トトは顔の横に。ココはお腹の上に乗っかっていた。
いつもの光景だ。
ほんとに、戻ってきてくれたんだ。
よかった。本当に無事でよかった。
「もう~、また泣いてんの?泣いてる顔も可愛いけど、今からご飯だから、泣き止んで?」
れおんが近くに来て涙を拭う。
すると、
シャー!!
トトもココも威嚇する。
「周のナイト、怒らせちゃったみたい。」
「トト、ココ、だめだよ。いい子だから。」
そういうと2匹は威嚇をやめて僕に擦り寄ってくる。
「周すごい。手懐けてる。さ、車椅子乗って、ご飯行こ。久しぶのまともなご飯でしょ?トトとココのご飯も用意しているからね。」
「うん。ありがとう。」
僕は2匹を膝に乗せて車椅子に乗った。
「ご飯の前に軽く家の中案内しちゃっていい?」
そっか。僕あの部屋しか知らないや。
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