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恐怖
しおりを挟む「お前、生意気に猫なんて飼ってんのかよ。」
「つ、剛さん、、、これは、」
ドカッ!!!
「父さんの道具のお前が?なんでこんな勝手してんだ?あ?」
「ご、ごめんなさい、でも、この子達は、、まだ小さくて、」
「そんなん関係ねえよ!!!」
殴られるし蹴られる。痛い。
ドンッ!!
「っかはっ!!!!」
息が止まるような衝撃を受けた。
ニャー!!!シャー!!
2匹が剛さんを威嚇している。
「トト、ココ、だめ、だめだよ、」
「お前名前までつけてんのかよ!!おら!!!何勝手なことしてんだ!!」
「ごめんなさい、でも、この子達にはなんもしないで、」
この子達には手を出さないでくれ。
僕の家族になってくれたんだ。
僕の唯一の心の拠り所なんだ。
この子達が、僕の生きる意味になっているんだ。お願いだ。
ドカッ
あぁ、僕に育てられない方が幸せだったのかもしれない。
「やめてぇぇぇぇ、、お願い!トト!!ココ!!」
痛む体に鞭を打って蹴られたトトとココの元へ急ぐ。
「トト、ココ、、ごめん、大丈夫か。痛いよな。ごめんな。」
ドカッ
蹴られた衝撃で2匹から離される。
「こいつらちゃんと正しい場所に返してやんなきゃな~」
そう言って剛さんは2匹を掴んで小屋の外に出て行った。
嫌だ。どこに連れて行くの。やめて。
息をするので精一杯な悲鳴を上げている体を無視して走る。
剛さんがいるのは家の外壁の前。
「ココの外壁の前の道、この時間帯車通り多いんだよ。ほら、聞こえるだろ?車の音。」
聞こえる。車が通っている音が聞こえる。
なにするの。やめて、お願い。
「やめ、て、お願い、返して、僕はなんでもする、から。お願い、トトとココを、返して、、」
「返してやるよ!自然にな!!!」
そう言って剛さんはトトとココを外壁の外へ投げ捨てた。
「やだぁぁぁぁ!!!!トト!!!!!ココ!!!!!!!」
「はっはっはっ!!お前のそんな顔みれるとはな!犯しても泣き叫びやしねえのに猫で泣くのかよ。車が通り続けているからきっと死んでるなぁあの猫。」
僕が見つけたときに外に逃していれば、生きていたのに。
僕のせいだ。
僕の、せいだ。
「お前はこっちこい!!」
髪の毛を掴まれて引きづられる。
もう何も思わない。
服を脱がされたって、舐められたって、犯されたって、何も感じない。
ふと、視界にトトとココがよく遊んでいた空のペットボトルが入った。
それが視界に入った途端涙が溢れて、嗚咽が止まらなかった。
「はっ、お前のその顔、最高だな。あいつらもお前に拾われなきゃ生きてたのにな。お前のせいであいつらは死んだな」
そうだ。僕のせいで、僕のせいで死んだんだ。まだ赤ん坊なのに。これからもっと、楽しいことあったかもしれないのに。僕のせいで、死んだんだ。
トトは甘えん坊で魚が大好きで、最近は僕のそばにべったりで、ココは走り回るのが大好きで、毎朝僕のこと起こしてくれて、名前を呼ぶとニャーって言ってくれて
3人で過ごした時間が、間違いなく幸せだった。
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