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2人でケーキを食べ終えたあとに少しだけ2人で旅館の中を探検してからもう一度部屋に戻ってきて風呂に入ることにした。

室内のも露天もお風呂が木で出来ていてすごく良い匂いがした。調べてみたら檜風呂っていうんだって。露天風呂からは雪がかぶっているのが見えてこんな場所でお風呂に入れたことがないからすごく楽しみだ。

明日のチェックアウト前にも入ることをお風呂に入る前から決意した。

「ママ~、早く入ろうよ~」

「うん!入る!」

優にせかされながら俺は初めての温泉へと向かった。

「優、これな、檜風呂っていうんだぞ。檜風呂って体が温まりやすいんだってさ寒いし風邪引かずに三学期最後まで頑張れるようにゆっくりあったまろうな。」

さっき急いで調べたばかりの知識を優に教えて一緒に湯船につかると優はそうなんだ!と素直に聞いてくれて一緒に檜のお風呂に鼻を近づけて檜の匂いを堪能してみたり優にお風呂でやる水鉄砲を教えてもらって柵の外に向かって飛ばしてみたりとお風呂を堪能した。

「ねえママ、卓球しにいきたい!」

そういえばさっき探検行ったときに卓球する場所があったなと思ったが、俺は卓球をした記憶は中学生の時に体育の授業でしたのが最後だ。

「俺、あんまりできないぞ、、、?」

「いいの!ママと卓球したいだけだから!」

そういう優に連れられて卓球場に着くと俺は牛乳の自動販売機を見つけて思わず近寄った。お風呂入った後は牛乳っていうイメージがあって、普段は飲みたいと思うことはあんまりない牛乳を今すごく飲みたい。

俺は珈琲牛乳、優はフルーツ牛乳をかって卓球前に牛乳を飲んでほっこりした時間を過ごした。

その後の卓球はぼろ負けだったけど優は楽しそうだったし、俺が弱すぎてそれも面白そうにしていたから俺も俺自身が面白くなってしまった。

優を寝かせた後にメッセージを確認してみたが、理玖さんからの返信が来てなくて少し落ち込む・・

理玖さん、寝ちゃったのかな・・・・写真の感想聞きたかったのに。

明日の朝起きたら見てもらおうと思って理玖さんにメッセージを送ろうと書き始めたら、

---理玖さん、さっき優と一緒に卓球をしてみました。俺、卓球をするのは中学生ぶりだったんだけど2点しかとれなくて優に笑われちゃいました。でも、すごい楽しかったんです。理玖さんは卓球出来ますか?もし出来るなら今度優と一緒にしてあげて欲しいです。きっと喜ぶと思うから。あ、あと、牛乳も飲んだんです!瓶で牛乳飲むの初めてだったけど、なんかいつもより美味しく感じました。理玖さん、明日はお仕事ですか?お休みなら12時くらいには自宅に着くので、電話しても良いですか?

すこし長くなってしまったけれど、理玖さんへの気持ちが溢れて溢れて仕方ない俺は躊躇なく送信ボタンを押した。本当は、優の誕生日を一緒に祝ってくれたらなとか、今はオーストラリアにいて夜には電話をしているけれど朝にだって昼にだって電話したい。というか会いたい。

気持ちが通じた途端に離ればなれになったから、会いたい気持ちが止まらい。でも、待ってるって行ったのは俺だから10ヶ月後をはやくはやくと待っている。理玖さんには寂しいとか会いたいとか言っちゃってるけど。

明日は優の誕生日。たくさんおめでとうって言おう。








「ん、、、」

優が起きて目が合ったから一番に言う。

「優、誕生日おめでとう。俺の息子として産まれてきてくれてありがとう。」

「ママ、ありがとう!」

初めて、初めて優に誕生日おめでとうって直接言えた、誕生日おめでとうって毎年毎年冬になると思っていた。でも、今日が何月何日なのかが分からなかった俺には優の誕生日当日に直接どころかあの蔵の中でもおめでとうということが出来なかった。だから、当日におめでとうと直接言えたことが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

「ママ、僕を産んでくれてありがとう。俺、最高に幸せ!大好き!」

泣き虫な俺たち2人は涙をポロポロ流して泣いて朝風呂に入る時間が無くなってしまったけれど、泣きながらも笑っていた。

あっという間にすぎてしまった今回の旅行。旅館も最高だったし、お茶碗とマグカップも受け取った。帰ったら見るのが楽しみだ。すごくすごく幸せで、こんなに幸せなのに優の誕生日はまだまだある。

優に何がしたいか聞くと家で俺のご飯が食べたいと言ってくれた。だから、家に帰ってお昼は家にある物で作ってその後は一緒に買い物に行って優の好きなもの作ろうとなった。


でも、帰宅した瞬間違和感を覚えた。

扉を開けると、玄関に靴が置いてあった。サイズ的に俺のものでも優のものでもない。

・・・・もしかして泥棒?こんなに高そうなマンションだからきっと強盗だ。どうしよう、優を守らないと。音を立てないように外に逃げなきゃ!!!そう思うのに怖くて足が震える。でも、俺が優を守るんだ。

---ガチャン

逃げなきゃと思っているのに俺が怖がっている間に扉が閉まって音が鳴ってしまった。どうしよう、どうしよう、逃げなきゃ、、、

奥から人の足音が聞こえてきる。

ゆ、優だけでも逃がさないと。

扉に手をかけたと同時に奥の扉が開く音がした。

・・・・・・助けて、理玖さんっ




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