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しおりを挟む「ママ!あけましておめでとう!!」
「あけましておめでとう!!今年もよろしくな!」
年が明けてしまった。最近の俺の頭の中は1つのことでいっぱいだった・・・
それは年末に柊の家に行った時に日和からある話を聞いてしまったからだった。
「ねえママ、ママはりくおじさんきらい?」
「なんで?嫌いじゃないよ?」
「あのね、きのうね、りくおじさんとおじいちゃんがはなしてるのきいたの!」
そこで日和が話してくれたのは理玖さんがオーストラリアへ行く理由だった。おじいさんは俺や子供たちのそばにいだほうがいいんじゃないかって言ったみたいだが、理玖さんは俺のそばにいたくて仕方ないけどダメだからって。兄さんの弟だからって言っていたらしい。
それを聞いてから、その言葉の意味をずっと考えていた。ダメってどういうことなんだろう・・・俺は理玖さんにたくさん支えてもらったし助けてもらったし感謝してもしきれないくらい感謝してる。
優と暮らせるようになったのも理玖さんのおかげだし・・ん~分からない。
何か迷惑をかけてしまっていたのかな。それとも本当は最初から嫌々だったのかな。そうなら謝らなくちゃいけないよな。
明日の柊家の新年の集まりに理玖さんも行くって言っていたから思い切って聞いてみようかな。
「さ、優。夜更かしはおしまい!!もう寝よ?いつもより2時間近く寝るの遅いんだから。」
「えー、もうちょっと!ママとゲームしたい!!」
「もー!じゃああと1回だけだからな!!どれにするんだ?」
「んーとね!この鬼ごっこのやつ!!さっき楽しかったから!」
「よし!さっき負けたからな!今度は負けないからなー!!」
俺は人生でほとんどしたことのないゲームをここに暮らすようになってからするようになった。小学生の時、みんながあれだけ夢中になっていたのを納得するくらいおもしろくて5年生の優相手に夢中になってしまった。
俺が楽しくしているからって明日の柊家の新年会にも持っていこうねって優が言ってくれた。日和も出来そうなやつがあるからみんなで一緒にしようねって提案してくれたから新年会がより楽しみになったんだ。
「わぁーー!負けた!!ママどんどん強くなってるじゃん!!」
「やったー!勝った!!嬉しい!」
「むー!!明日は負けないからね!!」
「明日も俺が勝つよ!ほら、ベッド入ろ!」
夜更かしはやっぱり無理をしていたんだろう、布団に入って数分でウトウトし始めてしまった。
「ん、、マ、マ・・」
「ん?もう寝ような。いい子だから、な?」
「ん、、」
普段結構大人っぽく見えるけどまだまだ小学生だもんな。寝る時はいっつも俺の腕の中で寝てくれるなんて本当に可愛い。
って、明日というか今日どうしよう・・・
聞いてみても教えてくれるものなのかな。でも面と向かって嫌だったとかそんなこと言われたらショックだよ・・・
りくさんのこと考えるとちょっと苦しくなるし、なんかモヤっとするしなんなんだよ。どうしたらいいか分からないし、こんなことなかったし、あんなに優しくしてくれた人なんてほとんどいなかったから俺にとってはすごく大事な人だし。
そんなことを考えていると、はや君のことも思い出して俺ははや君のことを幼馴染として大好きなのか、その大好きに男の人としてって気持ちも入っているのかが分からなくてむずむずするようになっちゃったし、はや君は真っ直ぐ気持ちを伝えてくれたんだから俺もちゃんと真剣に考えなきゃいけないなって思ってるし。
優を寝かした後、この2つのことをぐるぐると考えて考えて頭がパンパンになるまで考えてを繰り返しているといつの間にか眠っていたのか気づくと朝になっていた。
とりあえず今日は、理玖さんに聞きたいことを聞くのと日和と陽介とたくさん遊ぶことを目標にしよう!!そうだ、そうしよう。
そう思うとなんだか少し楽になってまた目を閉じてしまって優に起こされるまで二度寝を堪能した。
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