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しおりを挟むルイが、、いる?
本物?本物のルイ???
困惑していると目だけしか出してなかったルイが顔を全部出してくれた。
あの頃より少し短くなった髪に、異様なほど真っ白だった肌は日光を浴びていたからか健康な色をしている。といっても男の中では白い方だけど。
顔は少し大人びたかな?大きい目にピンクの頬、ピンクの唇。可愛い顔に変わりはないが、可愛さの中に綺麗さも加わっていつかの男が言っていたように美人という言葉がぴったりだ。
昔とは少し違った雰囲気を出す容姿だったが抱きしめてみるとその匂いや抱きしめられ方は間違いなく僕の愛したルイだった。
もう2度とこの手から離れて欲しくない。もう、1人は嫌だ。ルイを自分のものにしないと気がすまない。
だから、もうルイがなんと言おうと結婚する。ルイを公的にも僕のものにする。絶対に。もう、婚約という約束じゃ満足できない。
ルイも同じように思ってくれて、結婚すると言ってくれてよかった。断られたらきっと・・・・
こうして離している間もルイを抱きしめたまま離すことができそうにない。やっとだ、やっとルイと結婚できる。今はこの自分の中に燃えたぎる独占欲とか嫉妬心とかルイをめちゃくちゃにしたいとかいう気持ちを必死に抑える。
なのに・・・・・・
「僕っ、、セドのこと独り占めしたい。」
そんなこと言われたらもう我慢できない。だめだ、我慢しろと頭の中では自分が叫ぶがそんなのただの雑音と同じだ。あってないようなもの。
「んっっっぅ、、っ、、!」
ルイの唇に食いつくように触れる。いや、触れるなんて優しいものじゃない。ルイの開いた唇の間から自分の舌を侵入させてルイの口の中を堪能する。
久しぶりのキスがこんな奪うような噛みつくようなものになってしまった。本当はもっとロマンチックに、格好良くしたかったのに。ルイの独占欲を向けられたことで自分の中のリミッターが崩壊した。
「ルイっっ、、んっ、、」
「っっぅ、、んぅ、っ、、セ、、ド、、っ」
いったいどれほどそうしていたんだろう。ルイがポーッとするまで続けてしまったし、唇が少しヒリヒリする。
「ルイ、、ごめん。」
「ん?なんで?久しぶりにキスできて嬉しかったよ?」
「ルイに独占欲があるなんて、、思ってもみなくて嬉しくてキスしちゃった。」
「ぅん、、、僕ね?セドのこと好きなのに、セドのことが好きな人がすごい嫌に感じたんだ。だから、この2年の話を聞いて?って言われたときに僕は知らない2年を誰かは知ってるんだって思ったらたまんなくなっちゃった。」
「そんなの!!僕だって思ってる!!本当はルイを閉じ込めたいし、誰にも見せたくないしっ、、、こんなに心の小さい男なんだよ。」
「・・・ほん、、と?僕と同じ?僕性格悪いんだよ?」
人と関わって、たくさんの感情を吸収して自分の中にも芽生える。
この2年でルイは随分人間味が溢れるようになった。自分の中にこれまでなかった、というよりあることを許されてなかった多種多様な感情にまだまだルイの頭や心は追いついていない。
あぁ、それも可愛くて仕方ない。
「性格悪くなんてないよ。僕だってルイのこと話してる奴を殴りたくなるくらい恨めしく思ったし、僕だって会えてないのになんで他の男がルイのこと見れるのって考えてたよ?僕も性格悪い?」
「悪くないっ、、じゃあ、セドはこんな僕でも好き?」
「うん、大好き。それにね?嫉妬してくれるの嬉しいんだ。それほど僕のことが好きってことだからね。」
「本当?あのね!女の子たちがセドのことかっこいいって言ってたのっ。それが嫌だったんだ・・・・・」
「そんなの興味ない。僕にとってはルイしか恋愛対象にならないんだから。」
「でも、すっごい綺麗な人でっ!可愛くて!!あ!おっぱいもおっきいってお店にいた男の人が目ハートにしてたっ!」
「ルイはおっぱいある方がいいの?僕ないんだけど。」
「ううん!僕はセドがいい!!!」
「ね?僕も一緒だよ?ルイがいい」
あぁ、最っ高の気分だ。ルイが嫉妬に支配されてる。僕のことをかっこいいって言ってたらしい女の人に嫉妬心丸出し。
これほど気分がいいのは初めてだ。
嫉妬心を僕にまっすぐに伝えるルイの顔、、、ほっぺたをぷくっとふくらませて目を細めて睨んで、、、あぁ無理、、もう無理だ。今すぐにでも僕のものにしたいっ。
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