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しおりを挟む「この部屋は今、セドリック様が使っておいでです。」
セドが、、、?横に自分の部屋があるのに?
「1年ほど前のことでした。急にこの部屋を使えるようにしてくれと頼まれまして、掃除はいつもしてたのでシーツ等を嫌いにする程度でしたが整えました。その日の夜からはこの部屋で過ごされています。」
「セド、が?」
「えぇ。私はセドリック様が幼い時からお支えしていますが、1人寝が幼い頃から当たり前だったセドリック様にとってルイ様の温もりはか変え難いものだったのでしょう。寂しくても、異国の地で頑張っているルイ様に弱音を吐くこともできずにいたのでその寂しさを埋めるためにルイ様の残り香のあるこの場所にいるんだと思いますよ。」
「ここで待っていたら、セドが帰ってきますか?」
「ええ、毎日ここに帰ってますから。」
「なら、ここで待ってますっ。」
「ではこちらにお食事をお持ちしましょう。セドリック様は夕食の時間には間に合わないと思いますから。」
その日の夕食にはここに来て初めて普通の食事を食べたときのメニューと全く同じだった。初めてきたときにはまだ怖くて怖くて仕方なくてセドのこともまだ疑っていた頃だ。
このスープ、エビのスープだと思って飲んだんだよな。
「あぁ、はやくセド帰ってこないかな~。」
食事も終わってしまってお風呂も入った。あとは寝るだけなのにセドが帰ってこない。この部屋からは城の門の方は見えないからこの部屋の扉が開くのを待つしかない。
セドに会ったら最初になんて言えばいいんだろう。ただいまは言うとして、そのあとは長くなってごめんね?待たせてごめんね?うーん、僕セドから頑張ったねって言ってもらいたいから褒めてって言う?
セドはなんて言うかな。
分かんないよ。レスターさんが言うようにセドがここで過ごしていたならセドに新しく好きな人ができていないってそう信じていいんだよね?
だめだ、グルグルする。
この2年沢山の人に関わってきた。いろんな人がいたし、いろんな国があった。僕らの国と違う服や文化に触れた。
その中で恋愛のこともたくさん教えてもらった。他国でできた友人たちにセドのことをたくさん話したんだ。
だから、今の僕はもう恋人がキス以外に何をするのかも知ってしまった。セドと少しだけしていたから、あの行為がその先へ進む前段階だったんだと知ったときには恥ずかしさが倍増してしまった。
サベルクは魔法薬を使って男でも妊娠することができる。だから、僕とセドもいつかそうなるのかなとか妄想しちゃってニヤニヤしちゃって、、それもよくからかわれたな~。
ってダメだ。またそんなことばっかり考えちゃってる。今はどうやってセドに再会するかを考えなくちゃ。
ベッドの中に潜って待ってたらびっくりするかな?
そう思ったら即行動で綺麗にベッドメイクされている布団の中に潜る。セドが帰ってきたら、わっ!!って言って驚かせたら驚くかな。ちょっと楽しみになっちゃった。
今日はセドにぎゅってしてもらって寝るんだ。それで、今日からまた夜寝る前と朝起きたときにキスしてもらえるかなって期待してるし、世界が友好的になったからその、、結婚の話も、、先に進めるのかなって期待してる。
あぁぁぁ、こんなの自分ばっか期待してるみたいで恥ずかしいや。
---ガチャッ
あっ、帰ってきた!!!
布団に隠れてしまったから出て行くタイミングを失ってしまった、、、。
このベッドにはカーテンがかかってるからベッドに上がるときじゃないとここにいることはバレないとは思うんだけど。
セドが、いる。ここにいる。
服を着替えている音が聞こえたと思うと部屋についているお風呂場へ消えてしまった。この間に出といた方がいい?どうしよう、、分かんないよ。
悩んでるうちにセドがお風呂から上がってしまった。近づいてきてる。息を殺してその時を待つ。
潜入ってこんな感じなのかな。ドキドキしすぎて心臓の音がセドに聞こえちゃわないか怖いよ。
「誰だ。」
カーテンを開けたらベッドの中に誰かいるんだもん、そりゃあそうなるよね。
敵だと思ってるのかな?お願い攻撃しないでね!!と思いながら恐る恐る顔の目だけをひょっこりと覗かせた。
「ぇ、、、ル、イ?」
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