【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る

にゃーつ

文字の大きさ
上 下
84 / 105

83

しおりを挟む

「前に話した僕の側近候補がマリクなんだ。そして、今日付でマリクとムーマを僕の側近とした。だから、これからはずっと一緒だ。」

「そうなの?僕これからもマリクさんとたくさん会える?」

「あぁ、それに2人は母は違うが兄弟だろ?2人を引き離すなんてしない。」

よかった、、、、。

「あ、そういえば、、、、その、、。」

「なに?」

「ニアたちは、どうなるの?」

気になっていた。幼いレイラたちもいる。確かに酷いことも言われたが、、、どうなったか気になる、、。

「王妃と第一王女、第一王子はサベルクの北にある鉱山に行ってもらうことになる。罪人が死ぬまで働く場所だ。冬が厳しいが山の中なので逃げることは死を意味するんだ。だが、食事や睡眠は満足に与えられる場所だ。これまでのような我儘は通用しない場だからあの人たちにとってはかなり辛い場だけどね。幼い2人は国の管理している教会に預けられる。教育に厳しい教会で一から教育し直し、成長してからの動向でまたその後の身の振り方をこちらで考えることにしたよ。」

そうか。

「最後に会いたければ会えるよ?どうする?ルイ。」

「会わない。」

自分でも驚くほどすぐに口が動いた。

ニアたちは父親が簡単に自分たちの命を差し出したことのショックが大きかったようで今のところ魂が抜けたようにおとなしくしているという。

終わったんだ。全部。
もう思い出すこともしたくない。

僕には家族がいるから。

「そっか。よし、ルイも目覚めたし、公爵も待ってるよ?帰ろ?」

「うん!!」

「セドリック様、私たちは少し寄り道してから帰ってもよろしいでしょうか?」

マリクさん、、、?

「あぁ、構わないよ?どこに寄るんだい?」

「・・・母と父のその後を知りたいのです。」

そっか、、、。マリクさんはおばあさんとサベルクに逃げてきたから弔うことを自分でも出来なかったんだ。

「そうだな。マリクは今日までよく頑張ってくれた。当分休みを与える予定だったし好きなだけ休め。ムーマ、一緒にいてやるんだぞ。」

「俺が兄貴のそば離れるわけねえっすよ!!セドリック様!な!!兄貴!!」

「あぁ、ありがとなムーマ。・・・セドリック様、帰りましたら城に報告に行きます。ルイも、その時にまたゆっくり話しましょう。」

「うん、、マリクさん、その、、ありがとう!!!」

たくさん助けてもらった。僕が出来ないことをしてくれた。僕があの人を恨めしく思ってしまっている気持ちも受け入れてくれた。

「私たちは兄弟ですよ。これからはお互いに支え合って生きていきましょう。私も、幸せになるために生きていきますから。」

「ちょっと待って、聞きづてならないんだけど。ルイと支え合って生きていくのは僕だからね?マリク、だめだからね?ルイはあげないからね?」

セド、、、。マリクさんはそういう意味で言ったんじゃないよ。

「ははっ、セドリック様はルイのことが好きで好きでたまらないんですね。良かった、ルイのことを大切にしてくれる方がセドリック様で。」

「兄貴っ!!俺たちはそろそろいきましょう!!」

「えぇ、ではセドリック様、ルイ、少し休暇をいただきますね。」

そう言い、マリクさんとムーマは宿を去った。

「1日ここで休んでから帰ろうか。」

「あ、、その、、」

「ん?どうした?早く帰りたい?でも、意識失って倒れたんだし少し休んだほうがいいよ。」

そうじゃなくて、、、。
もともとは夜には戻るってセドが約束してくれていたから僕が眠っていたと聞いて、夜が過ぎちゃったって、そう思ったんだ。

「夜の分と、、朝の分、、、。」

「ぁ、、、キス?」

「ぅん、、、。夜の分と朝の分まだだから!!!」

この時間がたまらなく好きなんだ。いつも決まって僕の左頬に手を当てて、親指で頬を撫でてくれる。

「んっ、、」

「ねぇ、ルイ?ちょっと大人のキスしてみる?」

大人のキス?なにそれ!!

「僕大人?大人のキスしたら大人になれるの?」

「そうだよ、大人しかしないキス。」

「やる!!教えて?」

「じゃあ、キスしたらちょっと口開けてごらん?」

またセドの唇が迫ってきて、触れたので言われた通り少し唇を開いてみるとぬるっとしたものが入ってきた。すぐにはそれがセドの舌だと分からなかった。

「んっ、ふっ、、ぅぁっん、、」

「んっ、、かわぃ、、」

セドの舌が口の中を動き、歯の裏や上顎を舌でなぞられ自分のものとは思えない声が出てしまいなんだかそれが恥ずかしくなる。

「んっ、今日はここまでね?」

「ぅ、、」

「何?恥ずかしかった?」

「~~っ、、」

「時々大人のキスもしようね。」

「ぅん、、。」

頑張ったご褒美という名前で一緒にベットに入り横になりながら何度も何度もキスをされ朝出かける頃にはセドの顔を見るのが少し恥ずかしくなるほどになってしまった。







しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

優しく暖かなその声は(幽閉王子は最強皇子に包まれる・番外編)

皇洵璃音
BL
「幽閉王子は最強皇子に包まれる」の番外編。レイナード皇子視点。ある日病気で倒れたレイナードは、愛しいアレクセイに優しくされながら傍にいてほしいとお願いしてみると……?

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

キミと2回目の恋をしよう

なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。 彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。 彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。 「どこかに旅行だったの?」 傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。 彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。 彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが… 彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

処理中です...