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しおりを挟む「前に話した僕の側近候補がマリクなんだ。そして、今日付でマリクとムーマを僕の側近とした。だから、これからはずっと一緒だ。」
「そうなの?僕これからもマリクさんとたくさん会える?」
「あぁ、それに2人は母は違うが兄弟だろ?2人を引き離すなんてしない。」
よかった、、、、。
「あ、そういえば、、、、その、、。」
「なに?」
「ニアたちは、どうなるの?」
気になっていた。幼いレイラたちもいる。確かに酷いことも言われたが、、、どうなったか気になる、、。
「王妃と第一王女、第一王子はサベルクの北にある鉱山に行ってもらうことになる。罪人が死ぬまで働く場所だ。冬が厳しいが山の中なので逃げることは死を意味するんだ。だが、食事や睡眠は満足に与えられる場所だ。これまでのような我儘は通用しない場だからあの人たちにとってはかなり辛い場だけどね。幼い2人は国の管理している教会に預けられる。教育に厳しい教会で一から教育し直し、成長してからの動向でまたその後の身の振り方をこちらで考えることにしたよ。」
そうか。
「最後に会いたければ会えるよ?どうする?ルイ。」
「会わない。」
自分でも驚くほどすぐに口が動いた。
ニアたちは父親が簡単に自分たちの命を差し出したことのショックが大きかったようで今のところ魂が抜けたようにおとなしくしているという。
終わったんだ。全部。
もう思い出すこともしたくない。
僕には家族がいるから。
「そっか。よし、ルイも目覚めたし、公爵も待ってるよ?帰ろ?」
「うん!!」
「セドリック様、私たちは少し寄り道してから帰ってもよろしいでしょうか?」
マリクさん、、、?
「あぁ、構わないよ?どこに寄るんだい?」
「・・・母と父のその後を知りたいのです。」
そっか、、、。マリクさんはおばあさんとサベルクに逃げてきたから弔うことを自分でも出来なかったんだ。
「そうだな。マリクは今日までよく頑張ってくれた。当分休みを与える予定だったし好きなだけ休め。ムーマ、一緒にいてやるんだぞ。」
「俺が兄貴のそば離れるわけねえっすよ!!セドリック様!な!!兄貴!!」
「あぁ、ありがとなムーマ。・・・セドリック様、帰りましたら城に報告に行きます。ルイも、その時にまたゆっくり話しましょう。」
「うん、、マリクさん、その、、ありがとう!!!」
たくさん助けてもらった。僕が出来ないことをしてくれた。僕があの人を恨めしく思ってしまっている気持ちも受け入れてくれた。
「私たちは兄弟ですよ。これからはお互いに支え合って生きていきましょう。私も、幸せになるために生きていきますから。」
「ちょっと待って、聞きづてならないんだけど。ルイと支え合って生きていくのは僕だからね?マリク、だめだからね?ルイはあげないからね?」
セド、、、。マリクさんはそういう意味で言ったんじゃないよ。
「ははっ、セドリック様はルイのことが好きで好きでたまらないんですね。良かった、ルイのことを大切にしてくれる方がセドリック様で。」
「兄貴っ!!俺たちはそろそろいきましょう!!」
「えぇ、ではセドリック様、ルイ、少し休暇をいただきますね。」
そう言い、マリクさんとムーマは宿を去った。
「1日ここで休んでから帰ろうか。」
「あ、、その、、」
「ん?どうした?早く帰りたい?でも、意識失って倒れたんだし少し休んだほうがいいよ。」
そうじゃなくて、、、。
もともとは夜には戻るってセドが約束してくれていたから僕が眠っていたと聞いて、夜が過ぎちゃったって、そう思ったんだ。
「夜の分と、、朝の分、、、。」
「ぁ、、、キス?」
「ぅん、、、。夜の分と朝の分まだだから!!!」
この時間がたまらなく好きなんだ。いつも決まって僕の左頬に手を当てて、親指で頬を撫でてくれる。
「んっ、、」
「ねぇ、ルイ?ちょっと大人のキスしてみる?」
大人のキス?なにそれ!!
「僕大人?大人のキスしたら大人になれるの?」
「そうだよ、大人しかしないキス。」
「やる!!教えて?」
「じゃあ、キスしたらちょっと口開けてごらん?」
またセドの唇が迫ってきて、触れたので言われた通り少し唇を開いてみるとぬるっとしたものが入ってきた。すぐにはそれがセドの舌だと分からなかった。
「んっ、ふっ、、ぅぁっん、、」
「んっ、、かわぃ、、」
セドの舌が口の中を動き、歯の裏や上顎を舌でなぞられ自分のものとは思えない声が出てしまいなんだかそれが恥ずかしくなる。
「んっ、今日はここまでね?」
「ぅ、、」
「何?恥ずかしかった?」
「~~っ、、」
「時々大人のキスもしようね。」
「ぅん、、。」
頑張ったご褒美という名前で一緒にベットに入り横になりながら何度も何度もキスをされ朝出かける頃にはセドの顔を見るのが少し恥ずかしくなるほどになってしまった。
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