【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る

にゃーつ

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扉を開けるとソファにどっかりと座っているスカナの王と必死に宝石や金を詰め込んでいるルーチェの王族。

城の外でも内でも必死に騎士たちが戦っているのに、この王族は財産を持ち逃げようとしている。こういう時に人間の器が分かる。

「おい!!私たちを守れ!!!」

「ふっ、そんなの条件に入ってたか?ていうかこれ、負けるだろ。負けたら条件なんて知ったこっちゃねえよ。」

「なんだと!!!」

「それでも一つ目の条件は達成したじゃねえか。ルイってやつは殺してやっただろ?」

こいつなら、ルイの居場所知ってんのか?

「おい、ルイはどこだ。」

「今の話聞いてなかったのか?今頃死んでるよ。俺が側近に命じたからな、あいつは優秀だ。」

「もう一度聞く、ルイはどこだ。」

「セ、セドリック!!!私を助けてよ!!婚約者でしょ!!」

---ドーーーン!!!

「うるせえ、黙れ。妄想が激しいんだよ、何回言わすんだ?てめえみたいなクズと結婚するならこの場で自害する。おめえら全員俺らに喧嘩売った時点でこれまで通りの生活なんて送れねえんだよ。さっさとルイの居場所吐けや。」

「っ、、」

やべ、すぐには攻撃するなって言われてたのについ攻撃してしまった。

「ルーチェの王にスカナの王、両者我ら2国に降伏しろ。」

「なっ!!だいたい!なぜラフマがこの争いに参入するのだ!お前たちは独立国家であろうが!」

対サベルクのためにスカナとルーチェは組んだんだろうが、スカナの操影術は魔力の高いものには通じないしラフマの戦力の前では使う暇もない。

今回の戦争は瞬殺という言葉がぴったりなほどだった。

おそらくスカナの王は自身の操影術でこの場から逃げるつもりだろうな。

「まぁ、お前たちからしたら不思議だろうな。だが、私はお前に10年前から恨みを持っている。」

「なんだと!私が何をしたというのだ!!」

「我が愛しき妻はこの国の命で殺されかけた。」

ルーチェの王は意味がわからないという顔をしているな。おそらくレオ殿の妻が獣人だと思っている。獣人を殺す命など出したつもりがないんだろう。

この王はこれまで何人を殺したのだろう。

ルイは、ルーチェ教で殺人が重罪だから自分は殺されなかったと言っていたがおそらく違う。ルイは王族の特徴を持って生まれてきている。

死体を見られたら王族に直結してしまうから殺されなかったんだ。だから、アンナさんは殺されかけた。

「我が妻は元々この国におり、この城に支えておった。名はアンナ。ルイのお世話係だった者だ。」

アンナの名前が出た途端にサッと顔が青くなった。流石に覚えているということか。

「ア、アンナだと!!あいつ生きていたのかっ!」

「私はお前らを許さんぞ?獣人族は番となる妻を何より大事にする。」

「国王に逆らい意見してきたのだ!!殺されて当然なのだ!!ルイもそうだ!!あいつは疫病神!死んで当然なのだっ!!!」

もう無理だ、こいつは俺がやる。

「まだ死んでませんよ?」

サベルク側の殺気が漂う中、そんな声が響いた。

振り向くとルイの首元にナイフが当てられていた。

「ルイっ!!!」

「セド、、ごめんっ、、、」

「お前、我が愛し子からそのナイフを離せ。」

「おや、ラフマ国王にサベルク国王に王太子、お揃いですね。」

「ははっ!!まだ殺してなかったのかっ!!我が側近、マリクよ。この場で殺してやれ。ショーとして面白そうだ。目の前で婚約者を殺されるやつの顔を見てみたいな。」

今の状態じゃ動けない、、。

「では、この場で殺すとしましょうね。」

マリクという男がそう言い終わると同時に首が掻っ切られ血飛沫が飛び散った。







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