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久しぶりに顔を見た。
大丈夫、僕の父はお父様だけ。僕の母もお母様だけ。僕の兄弟はベルト兄様と姉様だけ。
「お前、めんどくさいことをしてくれたな。サベルクに戸籍など作りよって、しかもサベルクが攻めてくるなど、本当にお前は疫病神だ!!生まれてすぐに飢餓被害を引き起こし、地震も起きたし、台風被害がひどい年もあった。さらに戦争など!!お前のせいで多くの民が死ぬんだ!!」
「・・・でも、、」
「汚い声を聞かせるなと何度言えばいい!!黙れ!!」
そうだった。セドがいつもルイの声は可愛いねって言ってくれてたから忘れてた。
頭の中でルカが大丈夫、大丈夫って言ってくれてるのが聞こえる。
セドとのことを思い出すんだ、僕が信じるのはセドだ。
「ふんっ!お前が死んだとさっさと伝えてあいつらを一網打尽にする。スカナの操影術があればサベルクなど敵ではない!いざとなれば国民を盾にすればいいしな。」
辞書の中では国王という意味は一つだ。でも、こんなにも違う。
サベルクの国王様はセドよりも強い魔法の使い手で何か争いが国で起きると前線に向かう。セドも同行することが多い。国民の声を聞くために各地方を1年かけて回って話を聞きにいく。どんなに小さい村にも1年に1回は国王が訪れる。
各領地の会議には出席者の3割は平民とするという法を定め、貴族だけでなく平民も満足するような国づくりをしている。
ラフマの国王、レオ殿もそうだ。独立国家ではあったが上に立つ者が肉食だからと草食の獣人のことも考えながら平和な獣人国家を作るために尽力を尽くしている。
国民第一を考えて、サベルクと同盟を組み国が発展するようにと動いてくれている。
そんな2人の国王を知っているからこそ、この人の、自分の利益しか考えていない、国民のことなんて何も考えていない。盾にするなんてそんな発言どうしてできるんだよ。
「あんたなんか、国王じゃないっ。」
---ドカッ
うっ、、お腹を蹴られてしまった。
でも、あんまり痛く、、ない。
大丈夫っ。
「今日まで生かしてやったのになんてことを言う!!お前はこの国で生まれた!私はこの国の国王だ!」
「僕はっ、、僕はルイ・アスバル!サベルクのルマの領主アスバル公爵の次男だ!!そして、サベルク王太子セドリック殿下の婚約者だ!!!」
「なっ!!!貴様っ!!!」
そう、僕はもうこの部屋でルカにだけ話しかけていた弱い子供じゃない。
アスバル家の次男として、王太子の婚約者として、今争っている最中のルーチェに怯え震えるわけにはいかない。
死んだって抵抗し続ける。
「はーいはい、ストップストップ!スカナの国王様にこいつの処理任せたのはそっちでしょ?そして、その命を受けたのはうちの兄貴だ。兄貴の獲物を横取りするんならここでお前を殺すけど?」
「くっ、さっさとこいつを殺さないか!!」
殺される直前まで抵抗する。そう決めた。
「国王様!!大変です!!」
「なんだ!!サベルクの奴らならスカナの奴らが引き留めてるはずだろう!!」
「それが!ラフマの獣人たちが参戦してきました!!」
レオ殿、、、
「なにっ!!!!なぜあの獣人の国が急にっ!!!」
レオ殿が着いたんだ、、、。
報告を受けた父上、いや、ルーチェ国王が慌てて出て行った。
おそらくもう、あの宿に僕がいないことはセドたちは知っているんだろう。
そして、レオ殿も着いた。
戦いが始まる。僕はここに捕まっているだけなのか?
何か、できることがあるんじゃないのか?
「っ!!!」
また扉が開いた。次は誰っ
「あ!!兄貴ーー!!!」
この人が、、僕を、殺す命を受けた人、、、?
大丈夫、僕の父はお父様だけ。僕の母もお母様だけ。僕の兄弟はベルト兄様と姉様だけ。
「お前、めんどくさいことをしてくれたな。サベルクに戸籍など作りよって、しかもサベルクが攻めてくるなど、本当にお前は疫病神だ!!生まれてすぐに飢餓被害を引き起こし、地震も起きたし、台風被害がひどい年もあった。さらに戦争など!!お前のせいで多くの民が死ぬんだ!!」
「・・・でも、、」
「汚い声を聞かせるなと何度言えばいい!!黙れ!!」
そうだった。セドがいつもルイの声は可愛いねって言ってくれてたから忘れてた。
頭の中でルカが大丈夫、大丈夫って言ってくれてるのが聞こえる。
セドとのことを思い出すんだ、僕が信じるのはセドだ。
「ふんっ!お前が死んだとさっさと伝えてあいつらを一網打尽にする。スカナの操影術があればサベルクなど敵ではない!いざとなれば国民を盾にすればいいしな。」
辞書の中では国王という意味は一つだ。でも、こんなにも違う。
サベルクの国王様はセドよりも強い魔法の使い手で何か争いが国で起きると前線に向かう。セドも同行することが多い。国民の声を聞くために各地方を1年かけて回って話を聞きにいく。どんなに小さい村にも1年に1回は国王が訪れる。
各領地の会議には出席者の3割は平民とするという法を定め、貴族だけでなく平民も満足するような国づくりをしている。
ラフマの国王、レオ殿もそうだ。独立国家ではあったが上に立つ者が肉食だからと草食の獣人のことも考えながら平和な獣人国家を作るために尽力を尽くしている。
国民第一を考えて、サベルクと同盟を組み国が発展するようにと動いてくれている。
そんな2人の国王を知っているからこそ、この人の、自分の利益しか考えていない、国民のことなんて何も考えていない。盾にするなんてそんな発言どうしてできるんだよ。
「あんたなんか、国王じゃないっ。」
---ドカッ
うっ、、お腹を蹴られてしまった。
でも、あんまり痛く、、ない。
大丈夫っ。
「今日まで生かしてやったのになんてことを言う!!お前はこの国で生まれた!私はこの国の国王だ!」
「僕はっ、、僕はルイ・アスバル!サベルクのルマの領主アスバル公爵の次男だ!!そして、サベルク王太子セドリック殿下の婚約者だ!!!」
「なっ!!!貴様っ!!!」
そう、僕はもうこの部屋でルカにだけ話しかけていた弱い子供じゃない。
アスバル家の次男として、王太子の婚約者として、今争っている最中のルーチェに怯え震えるわけにはいかない。
死んだって抵抗し続ける。
「はーいはい、ストップストップ!スカナの国王様にこいつの処理任せたのはそっちでしょ?そして、その命を受けたのはうちの兄貴だ。兄貴の獲物を横取りするんならここでお前を殺すけど?」
「くっ、さっさとこいつを殺さないか!!」
殺される直前まで抵抗する。そう決めた。
「国王様!!大変です!!」
「なんだ!!サベルクの奴らならスカナの奴らが引き留めてるはずだろう!!」
「それが!ラフマの獣人たちが参戦してきました!!」
レオ殿、、、
「なにっ!!!!なぜあの獣人の国が急にっ!!!」
レオ殿が着いたんだ、、、。
報告を受けた父上、いや、ルーチェ国王が慌てて出て行った。
おそらくもう、あの宿に僕がいないことはセドたちは知っているんだろう。
そして、レオ殿も着いた。
戦いが始まる。僕はここに捕まっているだけなのか?
何か、できることがあるんじゃないのか?
「っ!!!」
また扉が開いた。次は誰っ
「あ!!兄貴ーー!!!」
この人が、、僕を、殺す命を受けた人、、、?
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