【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る

にゃーつ

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あの女が今日見た光景を話せば向こうも動きが活発になる。

事を急がなければならない。

「ルイ、おやすみ。今日は疲れたでしょ?ゆっくり寝なね?」

明日の朝イチで父上に報告するか。この間提案したことも進めたいし。

「セド、今日は一緒に寝てほしい。」

・・・・・!?!?!?!?

「?ぇ、、い、一緒に、、?え?あの、その、、え?」

「だめ?」

「いや!!ダメじゃない!!ね、寝る!!!」

やっべー、、、僕の理性よ、全力で働け。頑張れ。

無になるんだ。

そうだ、難しいことを考えよう。ルーチェとかスカナとかラフマのこととか考えよう。

「セド、大好き。」

「僕も好き。」

あぁぁぁぁぁ、反則だ。そんなん言われたら理性吹っ飛んでしまいそうだ。ピトッて!ピトッてくっついてきた!

可愛い、何この子、、、もう無理。

難しい話をしよう。ルイも巻き込んで。

そうだ、話すのはまだ先にしようかと思ったけど今日話そう。

「ルイ、聞いて欲しいことがある。というかお願いがある。」

以前僕が父上や公爵に提案したこと。

それは、

ラフマの国王をサベルクに招待すること。

少し危険な賭けだが、同じ国を標的にしているもの同士だ。僕は以前からラフマと交友関係が結べるようになれば政治も経済も発展すると確信していた。

ラフマは自然豊かで自国内で独特な文化が発展している。特産品も多くあるはずだ。我が国からは技術力という力を渡すことができれば手を取り合い友好関係を結べるのではないかと考えていた。

今回、なぜラフマがルーチェを狙っているのか。それがいちばんの謎だ。

そこを解明しなければ、今後我が国もラフマに狙われる可能性がある。それを未然に防ぐためにもラフマの国王と面会をしておきたい。

もちろん、最終的な僕の目標は共闘しルーチェを潰すこと。

僕としてはあの王族が地位を失うことが1番なのだ。国民達に罪はない。

あのふざけた宗教は撤廃させなければいけない。

今回スカナがルーチェと接触したということは両国が手を組みサベルクを攻撃する予定の可能性が高い。国民に被害を出さないためにもラフマまで完全敵対にはなりたくはない。

「ルイ、ラフマという国を知っている?」

「うん、知ってる!」

かわいい、、、じゃなくて!!

「そこの国の人と会おうと思ってるんだ。ルイも一緒に来てくれないか?ルイがリユべ語を話せるって言ってたでしょ?ラフマと対面する時に力を貸して欲しい。」

ラフマの公用語リユベ語。

これが出来るルイの力を借りたかった。

ラフマの情報は噂レベルしか流れてこない。こちらが圧倒的に不利だ。

「ルイを利用するようなことしてごめん。だけど、ルイの力を借りないと難しい。ルイを完全に自由にするために僕は全力を尽くす。だから、ルイの力を貸して欲しい。」

「嬉しいよ。僕、これまで自分が誰かの力になれるなんて思いもしなかったから。セドが力を貸してって僕を頼ってくれるの嬉しい。セドが僕をあの部屋から連れ出してくれたことに恩返ししたい。僕に出来ることならなんでもさせて欲しい!」

恩返しか、、もう助けたなんて事実以上に僕は貰ったものが多すぎるんだけどな。

「恩返しならもう貰いすぎてるくらいもらってるよ。ルイがそばにいてくれることがいちばん嬉しいから。」

「そうなの?・・・ならさ、その、、上手にできたら褒めてくれる?」

「もちろん。たくさんぎゅってして褒めるよ。こうやってね。」

ルイを体ごとぼくの腕の中に閉じ込める。抵抗なんて全くせずに少しすりすりしてくるのが可愛すぎて、また僕は崩れそうな理性と戦う。

「ん、、セド、、ぼ、く、、」

「うん、眠いのに話しちゃってごめんね?ずっとこうしてるから目を閉じて眠りな?」

今日は精神的に疲れたはずだ。怖くてたまらなかっただろうにセドの婚約者は僕だって宣言してくれた。
あの瞬間だけは幸せだったな。

「ん、、あ、、今日の、、まだ、、」

柔らかい唇に触れると、満足したように目を閉じた。

今日のおやすみのキスをまだしていなかったから、それを言ってるんだな。
キスすると恥ずかしがるのに嬉しそうにする。そんな姿見て、抱きしめてて同じベッドにいて。それでも手を出さずに居られる僕を誰か褒めて欲しい。



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