【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る

にゃーつ

文字の大きさ
上 下
41 / 105

40

しおりを挟む

シャーリ家の2人からネックレスやイヤリングなど宝石のついているものを中心に山賊たちに取られて行く。

2人は恐怖のあまりただただ取られ終わるのを待っているようだ。

僕にも手が伸び始めた。
全部セドがくれたものだから、身につけていたかったな。





「あっ、、それ、、待ってください」

服についていたブローチやカブスボタンなどが取られて行くのはぼーっと見ていられたが、服の中にしまっていたあのネックレスに手がかかった。

それは嫌だ。なぜかは分からないけどある日突然僕の首にかかっていたネックレス。あの部屋で心の拠り所になっていた。

もうセドと会えないなら、また心の支えになるものだから。

それだけは取らないで。

その一言が言えない。


「お頭ぁ!!!こいつのネックレスめちゃくちゃいい値がつきそうだぜ!!」


嫌だ。

セド、嫌だよ。

取らないで。僕の。



バチッ!!!!!!!バンッ!!!




・・・え?何?

僕のネックレスを取ろうとした男が部屋の端まで吹っ飛んだ。

何?何が起こったの?


「お前何しやがった!!!!」

大男がそう叫ぶが僕にだって全く分からなかった。

僕自身は何もしていない。本当に、急にあの男の人が吹っ飛んだんだ。

大男が怒りのままに僕に近づいてくると、また大男が吹っ飛んだ。

え、、、また?

「お前!!お頭に何しやがる!!!」

周りにいた人たちがそう叫ぶが、2人が吹っ飛んだのを見て僕には近づいてこない。

「チッ、公爵家の人間だ。そういう魔法だろう。このレベルの使い手だとは思わなかったぜ。はぁ、、はぁ、、・・・・・・ん?」

魔法?そんなの使ってない。だって僕は魔力を持って生まれた人間じゃないから、魔石なしでは使えないってセドが言っていた。

まだ教えてもらってないし、魔石も持ってない。

「おい、お前、、、、、王家と関わりがある人間か。」

「・・・・・・?」

王家、、、セドのこと?

「お前ら!!急いでこいつをどっかに捨ててこい!!!!まだアスバルの家に連絡してねえだろうな!!!」

急に大男が叫び始めた。
焦ったように周りの人たちに指示を出す。

「いえ、もうしちまいましたよ?どうしたんですかい、お頭。アスバル家からの身代金なんて大金じゃないですか。あ、この容姿だから人身売買の方に連れてくんですか?」

人身売買という言葉にぞくっと身の毛がよだつ。

人を売り買いする、、、そんな普通のことみたいにいうのか。

僕は売られて知らない人のところへ奴隷として行かなきゃいけなくなるのかな。

「ちげえ!!!こいつのネックレスを見ろ!!!!これを付けてるやつに手を出したら王家が出てくんだ!!!」

「なんでですかい?アスバル家はそりゃ王家と近しいが、出てきても騎士ぐらいでしょ?」

「お前ら知らねえのか!!このネックレスは王となる者が自身が生涯をかけて守り抜くと愛すると決めた相手、つまり婚約者に渡す代物だ!!魔力がこもってるから害をもたらす俺たちは吹き飛ばされたんだ!!つまりこいつは、王太子セドリックの婚約者!!!王家のやつらの魔法の実力は桁違いだ!俺たちが太刀打ちできるレベルじゃねえ!!それに王族は相手への守護心や独占欲が桁違いだと聞く、、、セドリックが直接乗り込んでくるだろうよ、、、、俺たち殺されるぞ。」

このネックレスは、、セドが僕に送ったものなの?

このネックレスがこの男たちから僕を守ってくれたってこと?

「早く!!!こいつを捨ててこい!!魔力を辿られる!!!」

---スドーーーン

大きな音が鳴ったと思ったら薄暗かった部屋がすごく明るくなった。何事かと上を見ると、さっきまで蜘蛛の巣だらけの消えかけの電球がついているだけの天井があったのに綺麗な晴空が見えた。




しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

優しく暖かなその声は(幽閉王子は最強皇子に包まれる・番外編)

皇洵璃音
BL
「幽閉王子は最強皇子に包まれる」の番外編。レイナード皇子視点。ある日病気で倒れたレイナードは、愛しいアレクセイに優しくされながら傍にいてほしいとお願いしてみると……?

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

キミと2回目の恋をしよう

なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。 彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。 彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。 「どこかに旅行だったの?」 傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。 彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。 彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが… 彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

処理中です...