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しおりを挟むシャーリ家の2人からネックレスやイヤリングなど宝石のついているものを中心に山賊たちに取られて行く。
2人は恐怖のあまりただただ取られ終わるのを待っているようだ。
僕にも手が伸び始めた。
全部セドがくれたものだから、身につけていたかったな。
「あっ、、それ、、待ってください」
服についていたブローチやカブスボタンなどが取られて行くのはぼーっと見ていられたが、服の中にしまっていたあのネックレスに手がかかった。
それは嫌だ。なぜかは分からないけどある日突然僕の首にかかっていたネックレス。あの部屋で心の拠り所になっていた。
もうセドと会えないなら、また心の支えになるものだから。
それだけは取らないで。
その一言が言えない。
「お頭ぁ!!!こいつのネックレスめちゃくちゃいい値がつきそうだぜ!!」
嫌だ。
セド、嫌だよ。
取らないで。僕の。
バチッ!!!!!!!バンッ!!!
・・・え?何?
僕のネックレスを取ろうとした男が部屋の端まで吹っ飛んだ。
何?何が起こったの?
「お前何しやがった!!!!」
大男がそう叫ぶが僕にだって全く分からなかった。
僕自身は何もしていない。本当に、急にあの男の人が吹っ飛んだんだ。
大男が怒りのままに僕に近づいてくると、また大男が吹っ飛んだ。
え、、、また?
「お前!!お頭に何しやがる!!!」
周りにいた人たちがそう叫ぶが、2人が吹っ飛んだのを見て僕には近づいてこない。
「チッ、公爵家の人間だ。そういう魔法だろう。このレベルの使い手だとは思わなかったぜ。はぁ、、はぁ、、・・・・・・ん?」
魔法?そんなの使ってない。だって僕は魔力を持って生まれた人間じゃないから、魔石なしでは使えないってセドが言っていた。
まだ教えてもらってないし、魔石も持ってない。
「おい、お前、、、、、王家と関わりがある人間か。」
「・・・・・・?」
王家、、、セドのこと?
「お前ら!!急いでこいつをどっかに捨ててこい!!!!まだアスバルの家に連絡してねえだろうな!!!」
急に大男が叫び始めた。
焦ったように周りの人たちに指示を出す。
「いえ、もうしちまいましたよ?どうしたんですかい、お頭。アスバル家からの身代金なんて大金じゃないですか。あ、この容姿だから人身売買の方に連れてくんですか?」
人身売買という言葉にぞくっと身の毛がよだつ。
人を売り買いする、、、そんな普通のことみたいにいうのか。
僕は売られて知らない人のところへ奴隷として行かなきゃいけなくなるのかな。
「ちげえ!!!こいつのネックレスを見ろ!!!!これを付けてるやつに手を出したら王家が出てくんだ!!!」
「なんでですかい?アスバル家はそりゃ王家と近しいが、出てきても騎士ぐらいでしょ?」
「お前ら知らねえのか!!このネックレスは王となる者が自身が生涯をかけて守り抜くと愛すると決めた相手、つまり婚約者に渡す代物だ!!魔力がこもってるから害をもたらす俺たちは吹き飛ばされたんだ!!つまりこいつは、王太子セドリックの婚約者!!!王家のやつらの魔法の実力は桁違いだ!俺たちが太刀打ちできるレベルじゃねえ!!それに王族は相手への守護心や独占欲が桁違いだと聞く、、、セドリックが直接乗り込んでくるだろうよ、、、、俺たち殺されるぞ。」
このネックレスは、、セドが僕に送ったものなの?
このネックレスがこの男たちから僕を守ってくれたってこと?
「早く!!!こいつを捨ててこい!!魔力を辿られる!!!」
---スドーーーン
大きな音が鳴ったと思ったら薄暗かった部屋がすごく明るくなった。何事かと上を見ると、さっきまで蜘蛛の巣だらけの消えかけの電球がついているだけの天井があったのに綺麗な晴空が見えた。
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