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32 ルーチェside
しおりを挟む「国王様、スカナから使者が来ております。」
「何だって?何の用だというのだ。」
「それが、この国に助太刀をすると申しております。」
「・・・通せ。」
我が国ルーチェは他国に比べ軍事力が低く戦争などすると痛手を負う。
そんなことになっては国の金が減ってしまう。
だからこそサベルクと友好国となっている。
対してスカナはルーチェよりはるか南の土地バロトと南大陸にあるヴィーロの3カ国で同盟を結んでいる国であり、サベルクとは国土をめぐり歴史的に何度も戦争を繰り返している国だ。
サベルクには劣るが高い軍事力を持った国である。
そのサベルクと敵対関係にあるスカナが我が国に何の用だ?
「お初にお目にかかります。わたくしはスカナ国王が側近のマリクと申します。」
「スカナがわが国に何の用ですかな?」
「我が国と同盟を結びませんか?」
なんだって?同盟だと?
「最近、サベルクと少し揉めたらしいじゃないですか。サベルクはこの国になにやら攻撃を仕掛ける予定みたいですよ?」
「なんだって!?サベルクが我が国に!?」
「えぇ。このままだと確実に負けますが、我々と同盟を組めば三国同盟が味方になります。そうなればサベルクも無傷とはいきません。我々としても、対サベルクにおいてこのルーチェの土地を利用したい。ラフマは関わってこないのでここが利用できればかなり有利に動けるんですよ。」
サベルクがこのルーチェに攻撃を仕掛ければ我が国の軍事力だけでは打つ手がない。だいたい、なぜ攻撃されなければならないのだ。あの疫病神を攫っていったと思ったらこのようなことになる、、やはりあいつを殺しておくべきだった。
「実は本日、我が国の王もこちらにおいでです。話をされますか?」
驚いた、、王自らこの地へやってきているとは。
「お会いしましょう。」
マリク殿が一旦席を外した数分後、ガタイの良い大男が部屋へ入ってきた。
「我がスカナの王であるワイツだ。」
「ルーチェの王スピナでございます。一つお伺いしたい。我が国を助けそちらにどのような利点があるんだ。」
「この国の領土はサベルクを落とすのに打ってつけなのだ。我が国はサベルクを敗北に追い込み我らが支配下とすることを最終目標にしている。」
こいつらを信じて負けたらサベルクにやられる、、でも、何もせずともやられるなら、、
「同盟の話、お受けいたしましょう。ただし、3つ条件があります。」
「多いな、、まぁ聞いてやろう。なんだ?」
「1つは先日、サベルクにこの城から1人連れ去られました。そいつをあなた方の手で殺していただきたい。」
あいつを、ルイを殺してもらう。殺し屋を雇うことで証拠が出ることを恐れていたが、もうそんなこと言ってられない。あいつのせいでこの国はどんどん悪い方向にいっている。
一刻も早くあいつの息の根を止めなくてはならない。
「ほぅ、いいだろう。人1人ぐらい容易い。2つ目は?」
「サベルクを落とし時代が大きく変わろうと変わらなかろうと私に今以上の地位を約束すること。」
「あぁ、それで?最後は?」
反応の読めんやつだ。
「ルーチェ王女のニナはサベルクのセドリック王太子と結婚したいみたいなのです。ですので、サベルクを落とした暁には結婚させてやりたいのです。」
「いいだろう。3つの条件は全て呑んでやる。交渉成立だ。」
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