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しおりを挟む「今度うちにおいでなさい?セドリック様から今回の話をいただいてすぐき屋敷にルイ君の部屋を用意したのよ。」
「僕の、、部屋?」
「えぇ、家族ですもの。自分の家に部屋があるのは当たり前でしょう?あなたの実家は我がアスバル家なんですもの。」
そっか。僕の実家はアスバル公爵家なのか。
ルイ・アスバルか、、。
ふふっ、初めての苗字だ。嬉しい。
アスバル家はこの国で外交関係を主に担当していると聞いた。
いろんな国と交流があるため屋敷の中には異国のものがたくさんあるそうだ。
サベルクは友好国が多いから貿易も盛んだ。本でしか見たことのないものを実際に見ることが出来るのはすごく楽しみに思う。
ここ数年は大きな戦争もなく平和だから国内でも多くの研究が成果を出しているそうだ。僕が今乗っている車椅子もその中でできたもの。他にも多くのものが開発されているそうでどれにも興味が湧いている。
今の1番の目標は、魔法が使えるようになること。セドがたくさんの魔法を見せてくれるから興味が湧いたのはもちろん、小さい頃から知識を頭に詰めるばかりだったから知識を使って行う魔法というものを使って見たいと思った。
ご飯をしっかり食べて完全に元気になれば教えると言ってもらった。
今の僕の体は、自分では健康だと思っていたが栄養失調気味でアレルギーによっても傷ついていた。
自分が思うよりも体は悲鳴を上げていたようだ。
「ルイ君、これを渡しておく。」
そう言って公爵様が渡してくれたのは指輪だった。銀色の指輪には盾が描かれていた。
「・・・?」
「これはね、アスバル公爵家の紋章が入った指輪だ。右手の小指につけるんだ。」
サベルクでは貴族は必ず指輪をしている。公爵家は銀の指輪、それ以外は銅の指輪、そして王家は金色の指輪。
さらに家の中での立場によってつける位置も違うそうだ。
当主は右手の人差し指、この家に嫁いできた者は左手の薬指に、当主の子供は右手の小指に指輪をつける。
そういえばセドの小指に金色の指輪がついていた。それにここにいる人全員ついてる。リルラ様は右手の小指と左手の薬指に指輪がついている。
「この指輪はルイ君がアスバル公爵家のものだという何よりの証になる。家族の証だよ。」
そう言って公爵様は僕の小指に指輪をはめてくれた。
「君はアスバル公爵家の一員だ。」
公爵様の言葉とこの家族の証が嬉しくて、
「セドリック様からもいつか指輪が貰えるかもしれないわね。でも、その前に王家であれば別のものが貰えるものね。」
なんていう夫人の声は僕に届いていなかった。僕の服の中に隠れて首にかかっているこのネックレスが王家の人間が生涯あなただけだと決めた相手に渡すネックレスだということを知らないままの僕だった。
のちのちにこのネックレスに助けられる日が来ることはまだ誰も知らない。
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