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しおりを挟む「かっわいいぃ~!!!!」
リルラ、様?
「んもぅ!!可愛すぎ!!天使!!セドリックにはもったいないわよ!!!本当に可愛い!!!」
抱きしめられたままわちゃわちゃと僕を触るリルラ様。
何が起こってるかわからなくてされるままになっているとセドがリルラ様を僕から引き剥がした。
「姉さん、いいかげんその見た目と中身のギャップを改めたら?」
確かに、見た目は顔が整っていて綺麗で凛々しくてクールそうな感じだけど中身はすごい明るい方。
「なによ、あなたこそ好きな人の前だからって猫かぶってるじゃない。」
「まぁまぁ、2人とも落ち着きなよ。セドリックもリルラも。な?」
「ベルト、ちゃんと姉さんの手綱握っててよ。暴走しないように。」
目の前で繰り広げられる言い合いはなんだか面白く思ってしまった。姉弟喧嘩を仲裁するベルト様はすごく物腰が柔らかくて、2人とのギャップがある。
「この3人はね、幼馴染なのよ。だからベルトはセドリック様を呼び捨てにできるの。もちろん、公の場では様をつけるけどね?この3人の喧嘩おもしろいのよ。」
喧嘩してるのにすごい楽しそうに見ている夫人と呆れたような公爵様。
僕も最初はぽんぽん飛び交う言い合いに面白みを感じていたが、だんだんと心配になってきた。これどうやったら収まるの、、、?
どうしようかと思っていると、
「2人とも、そろそろいい加減にしないと僕怒るよ?」
ベルト様のその一言で2人の言い合いが終わった。
え、すごい。
「ほら、見てごらん?ルイ君の困った顔。2人の喧嘩見て怖かっただろうね、困惑しただろうね。そんなことでいいのかな?」
その言葉を聞いてハッとしたように2人は僕のそばに来て、
「ルイ、ごめんね?怖かった?ごめんね。姉さんとは仲良しだから。ね?」
「ルイ君、ちょっとじゃれあいなのよ。ね?怖くないわよ?」
「大丈夫、、その、、びっくりしただけ、です。」
僕には弟や妹が4人もいるけれど、誰ともまともに話したことがないし喧嘩もしたことがない。一方的に罵られるだけのかんけい。だから2人のやりとりに驚いた。これが物語で見た兄弟喧嘩。
「ルイ君、お詫びにこのお菓子一緒に食べましょう?今日のために焼いてきたの!」
そう言って差し出してくれたものは僕の見たことのないものだった。
「・・・?」
「ルイ、これ見たことない?」
「うん、、お菓子っていう言葉は辞書で見たことがある。食事のほかに食べる嗜好品 、ふつう小麦などを主材料とし、砂糖・乳製品・鶏卵・油脂・香料などを加えて作る。」
僕のその言葉にルイ以外の人が目を見開き驚いていた。お菓子を見たことがないのがそんなに珍しいことなのか。
僕はそう思ったんだが4人は違ったようだ。
「ルイ君、、辞書の内容を覚えてるのかい?」
公爵様が、そう尋ねたのでもちろん
「はい。」
そう答えた。
何でそんな驚いた顔をしてるの?
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