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しおりを挟む目を開けると、これまでほとんど経験したことないような眩しさを感じる。
ここ、どこ、、、。
すごい広い部屋。ベッドもフカフカだし、窓が大きい。それに何個もある。だからこんなに眩しいんだ。
もしかして冥界?
僕死んだの?
---ガチャ
「っ!!!!ルイ!!目が覚めたの?」
この人、、セ、ド???
「僕のことわかる?」
コクリと頷く。
何が起こっているのかわからない。
ハッと気づいて首に手をやると大事にしていたネックレスがないことに気づいた。
その行動を見てセドがベッドの横にあるチェストの上からネックレスを取り首にかけてくれた。
「これ探してたの?」
こくりと頷くと嬉しそうな顔をした。なんでそんな嬉しそうなの?
「説明しなきゃいけないね。その説明をする前に、1つ話さなくちゃいけなくて。・・・・そのルイはさ?僕とは何回会ったことあると思う?」
なに言ってるんだ?あのパーティーのときと、今回で2回目だ。
指で2という文字をつくると
首を横に振られる。
セドは見ててというとあっという間に鳥の姿になった。
「・・・セド!」
人前だというのに思わず声が出てしまった。だって、撃たれただ聞いたのに。どうしてここにセドがいるの?
すぐにセドはまた人のセドに戻った。
「変化魔法って言ってね、人以外に変化することができるんだ。だから、これまでずっとルイの元に通ってた鳥は僕なんだ。黙っててごめんね?あの夜から君のことが忘れられなくて、どうしてももう一度君に会いたくて。」
僕が、忘れられなかったみたいにセドも忘れられなかったの?
でも、なんで僕がここにいるのかはわからない。ここがどこなのかも。セドが何者なのかも。
セドはベッドに腰掛けると全てを話してくれた。
ここがサベルクであること。セドが僕をあの城から連れ出してくれたこと。
僕が死にかけていて今は治療中なこと。
まるで物語だ。そんなこと僕に起きるわけがない。だって僕は国を不幸にする疫病神で、、!!!サベルクにいたらこの国にまで災いが訪れてしまう。
あわててベッドから降りようとしたが体に力が入らないし、目眩がした。
「っちょ!なにしてんの!まだ動いちゃダメだよ。栄養失調もあったんだから。どうしたの?何か欲しい?」
「・・・・・・帰る」
そう言った途端彼の表情がずっと冷たくなった。
「ダメだ。絶対に帰さない。それだけは譲れない。君のことが好きなんだ。大切なんだ。もう傷ついてほしくないんだ。」
・・・好きって、、なに?わかんない。
!?な、なに!?
セドに抱きしめられる。
「君が僕の前では思いっきり泣いたり笑ったりできるように頑張るから、だからお願い、ここにいて。」
でも、災いが、、、、
「災いが起こるとか思ってる?もしそうなら、ルイが原因では絶対に起こらないよ。」
なんでそう言えるの、、わかんない。
「サベルクは科学も魔法も発展した国だ。科学的にも君の国での迷信は確実に間違いだと証明できる。何か悪いことが起こったのならばそれは王族の対処が悪かったんだ。」
どういうこと?僕が初子だから、だから国災いが来たんでしょ?生まれた時から、ずっとそう言われてきた。
お前のせいだ!!って、何度も何度も。
父上も母上も、双子の妹も、弟たちも、お前のせいで国が不幸になったって。
そう言ってたじゃん。
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