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しおりを挟む「痛った、、、ったく、、いきなり撃つか?普通。」
ルイに会いに来たが木で塞がれていて声しか聞けなかった。
普段ルイは話すことなんてほとんどないから割と大きめの声を出したことに驚いた。
焦ったような声してたな。
昨日無理してでも行けばよかった、、
鳥の声が聞こえるほど近くにいたんだ。
きっと昨日行かなかったからルイは待っててくれたんだ。
ほんの数秒しかルイの声聞いてないのにいきなり撃ってきやがって。
ごめんって謝ってたな、、ルイは悪くないのに。
とりあえず治癒魔法使うか、、、いや。
この傷、使えないか?
銃弾もおそらく残ってる。
咄嗟にそう思い、馬車に乗り国に戻る。
自分が痛いくらいなんともない。父上に相談だ。これが使えるなら痛くていい。
ルイはもっと痛いんだから。
「セ、セドリック様!?!?なぜそんなお怪我を!?!?治癒魔法をなぜかけられぬのです!血が!今すぐ治癒魔法の使えるものを呼びます!!」
僕が帰ってきたと思ったら腕が血だらけなんだからそりゃあ驚くよな。
しかも治癒魔法を使える僕が治していないんだから、何事かとも思うのも無理はない。
「レスター、落ち着け。このままでいいんだ。父上に会いたいんだが時間取れるか?」
「殿下は今、妃様と庭を散歩しておられますので小言を言われる覚悟があるならお時間作れると思いますが。」
父と母は毎日2人で庭を散歩する。あまり外出できないから毎日敷地内でデートをするんだそうだ。これを邪魔するとたとえ子どもであっても父上に怒られる。
「・・・緊急だから我慢するしかない。父上のところへ向かうぞ。」
「で、私たちのデートを邪魔してまで伝えたいこととはなんだ。セドリック、お前なぜ治癒魔法をかけない。」
僕は父上にルーチェの城で起こったことと自分の考えを伝えた。
「ほー、なかなかいいんじゃないか?こちらの準備も最終段階だ。1週間ほどで彼を迎えに行けるぞ?この案でいくか?最終的にはお前が判断しろ。」
1週間、、これまでを思うと短いが今のルイの状況を考えると長い。
だが、これが今できるベストなのだと信じよう。
「1週間後、ルーチェへ向かいます。」
ルイ、遅くなってごめん。
迎えにいくから。
それまで頑張って。お願い。
あの暗い部屋で1人過ごすルイを想う。
ルイが吐露したあの言葉たちはずっと僕の脳裏に焼き付いて離れない。
早くちゃんとした姿で君に会いたい。
君に、この気持ちを伝えたい。
僕は君のことが好きで好きでたまらない。好きな気持ちが溢れ出てくる。
毎分毎秒ごとに君への好きが更新されるんだ。はやく、君のもとへ行きたい。
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