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ある日、昼過ぎに彼の元を訪れるとすぐに食事の時間となった。
彼は細すぎて心配になる。
食事の回数が少ないし、食事量も私が一食に食べるよりも少ない。
これではいつか倒れてしまうのではないかと思う。
彼の食べ方はとても綺麗だ。
いつも食べ残しひとつなく食べ終える。
だが今日はサラダに入っていたエビを全て残している。嫌いなのか?少し彼のことが知れたような気がして嬉しくなった。
苦手であろうエビを一気に口に入れると食器を片付け、いつもは食後に本を読むのに今日は布団に入ってしまった。
どうしたんだ?
まだまだ彼といたかったが、公務もあるので小窓から飛び立つ。
「セドリック!!毎日どこに行ってるのよ!母上に教えて?夢中になれる人が見つかったの?はやく紹介してよ!」
毎日毎日飽きもせずに聞いてくる母。
「・・・まだ名前も知らぬのです。何者なのかもわからぬのです。」
「セドリック、、あなたその人のことが好きでたまらないって顔してるわよ。はやく恋を実らせなさい?そして母上にはやく紹介して!エリックと楽しみに待ってるんだから!」
本当に、愉快な人だ。
いつかね。と言い残して母の元を去った。
その晩、やはり彼の様子が気になり本日2度目となるが彼の元へ飛び立った。
公務なんかせずに、彼の元へ残れば良かった。心の底から後悔した。
彼は高熱を出し、体中に発疹が出ており、苦しそうに呼吸をしていた。
「はぁ、、はぁ、、、、っ、、」
少しは医学に精通しているから分かるが、これはアレルギー症状だ。
それもかなり重いな。喉が腫れ、呼吸がしづらくなっているのだろう。
治療をせねば。
そう思った途端に、足音が聞こえる。
まずい、どこかに隠れなければ!
「っ、、、こっち、、、、」
彼が布団の中へと導いてくれた。
こんな球接近するなんて思わなかった。彼と、、お、、同じ布団に、、
ドアが開く音がしたとき、彼はジェスチャーで静かにと伝えてきた。
この声は、、この国の王と王妃、か?
「あなた、ルイったら、熱があるようよ!!苦しそうにしているしもしかして!」
「いや、幼子ならば高熱で死んでくれるがもう18歳。この程度の熱では死なぬだろう。だがまあ、医者に見せずに放っておけば少しは可能性があるな。」
「最近城のお金も少なくなってきたわ。この子が生まれたからよ。初子がこの子だったから。ねぇ、他国に依頼して殺害を頼むのはダメなの?」
「それが誰かに漏れたらどうするんだ。こいつの存在を知っている産婆は他国に追いやった。そこでホラを吹こうが我が国に影響することはないし、証拠もない。だが、依頼するとなっては証拠が残る。残らない方法があればいいんだがな。」
「そうね。まぁ、この熱で死んでくれるのが1番ね。」
「あぁ、さぁ、こいつの様子も見たんだし、可愛い子供たちの元へ戻ろう。明日は家族で出かけるのだから。」
そう言って去って行った。
彼は細すぎて心配になる。
食事の回数が少ないし、食事量も私が一食に食べるよりも少ない。
これではいつか倒れてしまうのではないかと思う。
彼の食べ方はとても綺麗だ。
いつも食べ残しひとつなく食べ終える。
だが今日はサラダに入っていたエビを全て残している。嫌いなのか?少し彼のことが知れたような気がして嬉しくなった。
苦手であろうエビを一気に口に入れると食器を片付け、いつもは食後に本を読むのに今日は布団に入ってしまった。
どうしたんだ?
まだまだ彼といたかったが、公務もあるので小窓から飛び立つ。
「セドリック!!毎日どこに行ってるのよ!母上に教えて?夢中になれる人が見つかったの?はやく紹介してよ!」
毎日毎日飽きもせずに聞いてくる母。
「・・・まだ名前も知らぬのです。何者なのかもわからぬのです。」
「セドリック、、あなたその人のことが好きでたまらないって顔してるわよ。はやく恋を実らせなさい?そして母上にはやく紹介して!エリックと楽しみに待ってるんだから!」
本当に、愉快な人だ。
いつかね。と言い残して母の元を去った。
その晩、やはり彼の様子が気になり本日2度目となるが彼の元へ飛び立った。
公務なんかせずに、彼の元へ残れば良かった。心の底から後悔した。
彼は高熱を出し、体中に発疹が出ており、苦しそうに呼吸をしていた。
「はぁ、、はぁ、、、、っ、、」
少しは医学に精通しているから分かるが、これはアレルギー症状だ。
それもかなり重いな。喉が腫れ、呼吸がしづらくなっているのだろう。
治療をせねば。
そう思った途端に、足音が聞こえる。
まずい、どこかに隠れなければ!
「っ、、、こっち、、、、」
彼が布団の中へと導いてくれた。
こんな球接近するなんて思わなかった。彼と、、お、、同じ布団に、、
ドアが開く音がしたとき、彼はジェスチャーで静かにと伝えてきた。
この声は、、この国の王と王妃、か?
「あなた、ルイったら、熱があるようよ!!苦しそうにしているしもしかして!」
「いや、幼子ならば高熱で死んでくれるがもう18歳。この程度の熱では死なぬだろう。だがまあ、医者に見せずに放っておけば少しは可能性があるな。」
「最近城のお金も少なくなってきたわ。この子が生まれたからよ。初子がこの子だったから。ねぇ、他国に依頼して殺害を頼むのはダメなの?」
「それが誰かに漏れたらどうするんだ。こいつの存在を知っている産婆は他国に追いやった。そこでホラを吹こうが我が国に影響することはないし、証拠もない。だが、依頼するとなっては証拠が残る。残らない方法があればいいんだがな。」
「そうね。まぁ、この熱で死んでくれるのが1番ね。」
「あぁ、さぁ、こいつの様子も見たんだし、可愛い子供たちの元へ戻ろう。明日は家族で出かけるのだから。」
そう言って去って行った。
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