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筆者、10数年来保持していた株主優待株次々切り捨てていく 前編

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 株主優待の魅力を伝えるのも目的のこのコーナーで、筆者は実に四分の三の
優待銘柄を昨年から小刻みに処分してきました。
 特にこの三か月は嵐のように見切っています。
 
①その真意は
②そのなかでも残した銘柄は?

を語り、皆さんにも私なりの
「投資の極意」
をお伝えしようかと思います。

 過去にも述べたことがありますが、株式投資の中で一番の利益の元は
①「キャピタルゲイン」
です。購入したときの株価が値上がりし、売却したときの差額(税引き分考慮)
がそのまま儲けになり、特に株価が二倍以上にもなれば配当数年分よりはるか
に儲けになるはずです

②二番目が「配当享受」です。配当目当ての場合なら、安定して好配当を続け、
増配も期待できる大型株(武田薬品、三井住友フィナンシャルグループ、
花王、三菱HCキャピタルなど)に投資して10年以上単位で持ち続けること
です。
 10年かけて株価が買ったときの1.5~2倍程度以上になり、その間に増配も
続ければ買ったときは配当利回りが3~4%でも10年後には買値の6~10%
くらいになることも十分あり得るので資金を多く持つ人は①だけでなく②の
ほうをメインに据えていいくらいです。

③そして最後が株主優待。これは「おまけ」みたいなものですが、実は株主優待
はプレゼント貰うのが好きな小市民的な初心者の投資家には「罠」になるエサ
みたいのでもあります。

 と言うのは株主優待は
①企業にとってあくまで好意であり、実施する義務はない
②よって特にカタログギフトや金券などの優待はいつでも廃止リスクがある
③そして優待銘柄は個人投資家の人気が高いのでもともと指標数値的には
「割高」である
④結果、廃止されると個人投資家の失望売りで株価下落のリスクは常に高い
⑤なのにもう既に割高すぎて株価の値上がりも増配も期待しにくい銘柄が
多く、企業も「優待」で釣っているから増配傾向が他の優待無し銘柄より
抑えられている
⑥優待を貰うとそれを消費するための行動が株主側に心理的に生じる

というデメリットがあるのだ。
これを知らずに、ただ「プレゼントがもらえる」つもりで何位も調べずに
購入して損する投資家も多い。

 だから当たり前のことだが
A 100万円の銘柄で配当1%+食事券5000円、PER50倍、ROE5%

B 100万円の銘柄で配当4%で優待無しでPER10倍、ROE10%
の銘柄(他にもPBRとか自己資本比率とかキャッシュフォロー表とか
見るべきものは沢山あるから一概には言えないけど)ならBの銘柄で
配当40000円貰うほうが、Aで10000円+Aの店舗のみで使用可能でお釣り
もでない食事券貰うより上なのはお判りでしょうか?

 貰っても積極的に使いこなすくらいの株主優待券でない限りは配当を沢山
貰ってその分で好きなものを自由に買う方が精神的にも健康的なのです。

 しかし、幸い私は10~15年前に集中的に購入した優待銘柄が多かったので
キャピタルゲインもかなり潤っていたので、
「使い切れないくらい、また使うためにわざわざそのための消費行動を取る
気持ちにさせる優待銘柄は全て利益確定してその分、キャピタルゲインと
インカムゲイン(配当)重視のシフトにしよう」
と優待生活優先気味の投資を完全にパラダイムシフトしたのでした。

 逆に言えば自分が手元に残している優待銘柄は
「それでも優待価値があり手放したくない銘柄」
になっています。
 後編では私が手放した銘柄と遺した銘柄について語りたいと思います。


                            <続く>
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