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第86話 修学旅行12:遭遇1
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月に来て2日目。
今日は月面施設の見学や散策に出掛けられることになりました。
もちろんかぐやが特別に許可を出してくれたのは言うまでもありません。
「マスター、かぐやさんをパートナーにしておいて良かったですね」
「本当だよ。月面に僕の足跡を残しておくんだ!」
「前々世のご主人様の記憶では月面に“最初の一歩”があるのですよね?」
「うん、見たかったけれどアメリカの管轄地だって…」
さすがに一般人がウロウロ出来ません。
まぁ、月面に立って地球を眺めるのと、実際に歩いて足跡を残せればそれで良いのです。
XX XY
「竹林司令、よく許可を出されましたね。遠足じゃないんですよ」
なぜか一晩で艶やかに瑞々しく変貌されたばかりではなく、雰囲気が柔らかくなったと朝から噂になっています。
「フフ…、問題ないわ。シャルル様達…、警護の方達がしっかりされていますからね」
地上では魔法で侵略者を撃退されていたとか…。
今はエステティシャンというからおかしいけれど…。
「あんっ」
「どうかされましたか?」
何だ、司令らしからぬ艶めかしい声は…?
「な…何でもないわ」
両乳首とクリを締め付ける“三つの輪モード”と膣の中にピッタリ嵌まっている“二つの球モード”が身体を動かす度に、また身体が反応する度に互いに刺激を与えてきます。
私の大きなクリトリスもキュッと締め付けられていて、弾けそうな感覚です。
どちらのモードも発動はさせていませんが愛液が常に溢れ出ているのは分かります。
“下着モード”も併用させていないと大変よね。
そんな事まで考えられているシャルル様が凄すぎるのだけれど…。
午後から用事も無さそうならスライムリーマンも頂いたことだし部屋でオナニーでもしていようかしら…。
XX XY
僕達は3台の探索車に分かれて月面を移動します。
1台目の探索車には僕と可憐さんが、2台目はアイと詩子、3台目はマオと百合が乗っており、案内の為に整備された細い道の上をNOGカーで進んでいきます。
「もう基地があんなに小さく…」
「私達、月にいるのよね」
「静かで何も無いです」
「空間が真っ黒で星だらけです」
「地球があんなに遠くに…」
「シャルル様、どこに向かっているのですか?」
「最初は施設の見学みたいだよ…」
自動運転にお任せです。
「農場や畜産施設、軍事施設や研究施設などもあるんだって」
僕達がいた本部の基地より大きい施設がたくさんあるそうです。
コロニーの開発をしているなら当然か…。
XX XY
ビィ―――ッ! ビィ―――ッ! ビィ―――ッ!
“警告 未確認飛行物体接近中。未確認飛行物体接近中。防衛レベル5に設定”
「竹林司令!?」
「本当に接近しているの? 通過じゃないのね?」
侵略者たちが私達の索敵範囲内を通過するのは珍しくはないので、被害が無いのなら黙認してきたのですが…。
「はい、月面基地に向かってきています。各国戦闘機もスクランブル発進とのこと」
「日本宇宙軍も即時発進!」
宇宙空間で戦闘すると双方に少なからず被害が出るのは侵略者も分かっているはずなのに…。
「はいっ」
「基地外で作業している者は最寄りの施設に避難」
「はい!」
ハッ!
シャルル様達にも連絡しないと…。
XX XY
「あ~楽しかった」
本当に重力が1/6なんだな。
足跡どころか跳び回りました。
いっぱい記念映像も撮ったけれど、宇宙服で生徒達が判別できないのが残念です…。
「シャルル様、勝手にあんな物を作っても良かったのですか?」
「大丈夫、近くに施設もない荒野だし…」
詩子は心配していましたが、映像だけではあれなので皆の名前を刻んだ小さな鏡面仕上げのオベリスク風記念碑を建てておいたのです。
一部の生徒達はどうやって作ったんだと不思議そうにしていましたが、マジックというノリで押し切りました。
本当は皆の集合写真…ならぬ集合像を造ってみたかったのですが、さすがに誤魔化せないので断念しました。
《ご主人様、さっき見た宇宙戦闘機が発進していきますよ》
《本当だね…。それもあんなにいっぱい…》
格納庫で見た以上に発進している感じだな…。
戦闘機は“ガ○ォークバ○キリー”タイプではありませんでしたが格好良かったです。
「「「凄いですね~」」」
「「速い~!」」
「「「格好良い~!」」」
「では、そろそろ私達も基地へ戻りましょうか。もうすぐ昼食の時間ですからね」
「そうだね」
「皆さ~ん、基地へ戻りますよ~」
「は~い(×全員)」
ビ―ッ、ビ―ッ、ビ―ッ!
『シャルル様ですか?』
「えっ、かぐや?」
「どうかしたの? 今から基地へ戻るところだけれど…」
『そうでしたか、良かった~。ではお早く』
「何かあったの?」
『実は侵略者が月面基地へ攻めてきたようなのです』
「何だって!?」
「「ご主人様(マスター)?」」
「侵略者が攻めて来たそうだよ」
「このタイミングとは予想外でしたね…」
「マスター、フラグを回収できましたよ!」
「マオ、喜んじゃダメだろう」
「とにかく基地へ…」
さっきの戦闘機はその為か…。
遠くで戦闘が始まったみたいですが、ここからは基地を挟んで反対側みたいで全く影響はなさそうです。
「シャ…シャルル様! 私達の背後に…」
「どうしたの、百合?」
「「ご主人様(マスター)!」」
「キャ―――ッ!(×全員)」
「皆、落ち着いて…」
「どうして、こんなところに…。いつの間に現れたんだ…?」
頭上には大きな宇宙船がまるで静止画のように微動することなく浮かんでいました。
「詩子、百合、可憐さんは皆を探索車に乗せて基地へ戻るんだ!」
「アイとマオは襲撃に備えて」
「「はいっ」」
「シャルル様達は…?」
「僕達は大丈夫だから…」
いざとなればすぐに基地へ戻れます。
アイ達に皆の警護をしてもらっても良いのですが、侵略者の目的によっては僕一人で対処できるか分かりません。
そうこうしている内に宇宙船の底面中央に開口部が現れ、まぶしい光が降り注いできます。
(もしかして僕達を攫うつもりだったのか? 想像通りならこの光に捉えられてはいけないはず…)
「詩子、百合、可憐さん、早く行くんだ。僕達は宇宙船に乗り込む! かぐやにも報告を!」
「アイ、マオ、行くよ!」
「はいご主人様、どんな異星人でしょうか?」
「マスター、私も容赦はしませんよ~」
XX XY
「……吸い込まれたようだな」
「「……」」
「アイ、マオ…?」
気を失っているのか…。
なるほど、吸い込まれると同時に気を失うようになっているんだな…。
僕はアイとマオに【回復】をして状態異常を治します。
「「ご主人様(マスター)不覚です…」」
「まぁ、こんな宇宙船を持っているぐらいだからね。異星人の技術なんだろう」
きっと宇宙船もカモフラージュしていたんだろう。
『どうした、これだけか?』
『はい、この三人が先に飛び込んで来てしまい…』
『どうして立っているんだ?』
『大きい個体には効きませんでした』
『何だと…』
三人の侵略者が何かをしている間にそれぞれ【結界】を張り、酸素濃度を確認してからヘルメットのマスク部分を開放します。
(あいつらが…グレイか…)
イメージ通り背丈は140cm前後、ひょろっとした体型にちょっと緑がかった浅黒い皮膚、どこを見ているか分からない大きな眼という容姿で一瞬忌避感を感じますが恐怖感はありません。
「地球人達よ、わざわざ捕まりに来たとはな…」
「……」
口は動いていないのに言葉が頭の中に…。
テレパシーか。
「仲間を助けようとした勇気は認めてやるが恐ろしくて声も出ないか…」
「いや別に…」
僕は思ったことを声に出します。
「頭でっかちですね~」
「キモいです。それに性器がない…?」
「……何だと、この崇高な我々に向かって…」
「我々からすれば地球人の方が劣等種族で、実験や繁殖用の動物でしかないのだ」
「特に男は下等生物みたいに性器をぶら下げてな…」
「この女たちは使えそうですよ」
「我々の苗床にしましょう」
「そうだな。男はいつものように改造か…。予定とは狂ったが久しぶりに母星への奴隷でも良いかもな」
「「「フヒフヒフヒ……」」」
(奴隷だって? マオじゃないけれど、笑い方がキモい…)
「いやぁ~、地上では人類が怖いのか全く姿を見せてくれないから会えて良かったよ」
「誘拐したりリーマンを改造してテロをするのは止めてくれるかな…」
「何だと…」
「「我々が臆病だというのか!?」」
「リーマンによる爆破攻撃はもう効かないから…」
そう答えながら偉そうにしていた一体を【結界】で隔離します。
『……』
【結界】内で喚いているようですが何も聞こえません。
「おい、仲間に何をした!?」
「開放しろ!」
「僕達からすればお前たちを拘束するのは簡単なんだよ」
「「何だと…、劣等種族の分際で」」
「これだけ大きな宇宙船だからまだお前たちの仲間が乗っているんだろう?」
「そうだ、仲間を呼んでお前たちを拘束してやる」
「フッ、お前たちに逃げ場はないんだからな」
「逃げるつもりなんかないよ。こちらから来たのに…」
「グレイって馬鹿なんですね」
「レベルが分かって良かったよ」
まぁ、僕達を劣等種族と呼んでいるぐらいだから本気ではないのかもな…。
仲間を呼ばれる前に残りの二人も【結界】で拘束してから船内を進みます。
「たくさん乗っていると良いんだけれどね」
「ご主人様、【意識操作】で逆テロ攻撃ですね」
「そういう事!」
「マスター、このまま母星に行って懲らしめましょうよ」
「それもありか…、奴隷として連れて行かれている人間がいるなら助け出してあげたいし…」
そんな話をしながら出会うグレイを問答無用で【結界】で拘束していきます。
「マスター、ここが艦橋でしょうか?」
「そうみたいだな」
ここに来るまでに改造室や人間の保管室のようなところもありました。
誰も捕まっていなかったのが幸いです。
まぁ、僕達を捕まえるつもりだったんだからな…。
ブォ―――ン!
『なぜ、こんなところまで人間が!?』
「あれが親玉か…」
他のグレイと違ってちょっと紫黒い感じの奴がすぐに目に留まります。
『拘束しろ!』
「アイ、マオ、【結界】を!」
「「はいっ!」」
(ひぃ、ふぅ、みぃ、よ…)
「ここには9体か…」
「ご主人様、全部で20体でしたね」
「意外に乗っていた方か…」
「マオ、悪いけれど拘束している者達をここへ連れて来てくれるかな」
「はい、マスター」
船内のグレイ達が艦橋に集まると、【結界】を一つにして纏めて拘束します。
20体も集まると外見にも少しずつ違いがあるのが分かります。
まぁ、全員がキモいことには変わりませんが…。
「ご主人様、基地の安否を…」
「あっ、そうだった」
【結界】から親玉の頭だけを自由にすると、すぐに喚いていましたが【意識操作】で大人しくさせます。
「よし、お前はもう僕達の命令には逆らえない」
「直ちに引き上げさせろ」
宇宙船からの映像で基地を見ると特に被害は無さそうです。
被害は戦闘機ぐらいか…。
こちらの為の陽動だったようです。
グレイは本当にやることがセコいな…。
タコみたいに当たって砕けてくれれば良いのに…。
『は…い…』
「じゃあ、早速お前たちの母星に案内してもらおうか」
「ご主人様、残りの者達にも【意識操作】を施しておきました」
「おっ、助かったよ」
「かぐやに連絡したかったけれど仕方がないな…」
「マスター、明後日までに戻ってくれば大丈夫ですよ」
「そうだな。それなら全速力で行くとするか」
XX XY
「何ですって、シャルル様達が!?」
「はい、私達を助けるために自ら宇宙船の中に…」
「いつの間にか見えなくなりましたが、おそらくそのまま…」
「そんな…、シャルル様が…」
侵略者を撃退される力をお持ちでも攫われてしまったら…。
「安心してください。可憐さんがシャルル様が大丈夫だと言われたら問題ないと言っていましたから…」
「可憐さん?」
「あぁ、宝条家のご令嬢です。今回シャルル様に警護していただいているのも宝条家のおかげなのです」
「とりあえず、しばらく待つ気でいましょう。私達の愛おしい男性なのですから…」
「そうですね…」
昨日紹介されたパートナーの井筒詩子さん、立花百合さんの話を聞いて少し落ち着きました。
何事もなければ良いのですが…。
今日は月面施設の見学や散策に出掛けられることになりました。
もちろんかぐやが特別に許可を出してくれたのは言うまでもありません。
「マスター、かぐやさんをパートナーにしておいて良かったですね」
「本当だよ。月面に僕の足跡を残しておくんだ!」
「前々世のご主人様の記憶では月面に“最初の一歩”があるのですよね?」
「うん、見たかったけれどアメリカの管轄地だって…」
さすがに一般人がウロウロ出来ません。
まぁ、月面に立って地球を眺めるのと、実際に歩いて足跡を残せればそれで良いのです。
XX XY
「竹林司令、よく許可を出されましたね。遠足じゃないんですよ」
なぜか一晩で艶やかに瑞々しく変貌されたばかりではなく、雰囲気が柔らかくなったと朝から噂になっています。
「フフ…、問題ないわ。シャルル様達…、警護の方達がしっかりされていますからね」
地上では魔法で侵略者を撃退されていたとか…。
今はエステティシャンというからおかしいけれど…。
「あんっ」
「どうかされましたか?」
何だ、司令らしからぬ艶めかしい声は…?
「な…何でもないわ」
両乳首とクリを締め付ける“三つの輪モード”と膣の中にピッタリ嵌まっている“二つの球モード”が身体を動かす度に、また身体が反応する度に互いに刺激を与えてきます。
私の大きなクリトリスもキュッと締め付けられていて、弾けそうな感覚です。
どちらのモードも発動はさせていませんが愛液が常に溢れ出ているのは分かります。
“下着モード”も併用させていないと大変よね。
そんな事まで考えられているシャルル様が凄すぎるのだけれど…。
午後から用事も無さそうならスライムリーマンも頂いたことだし部屋でオナニーでもしていようかしら…。
XX XY
僕達は3台の探索車に分かれて月面を移動します。
1台目の探索車には僕と可憐さんが、2台目はアイと詩子、3台目はマオと百合が乗っており、案内の為に整備された細い道の上をNOGカーで進んでいきます。
「もう基地があんなに小さく…」
「私達、月にいるのよね」
「静かで何も無いです」
「空間が真っ黒で星だらけです」
「地球があんなに遠くに…」
「シャルル様、どこに向かっているのですか?」
「最初は施設の見学みたいだよ…」
自動運転にお任せです。
「農場や畜産施設、軍事施設や研究施設などもあるんだって」
僕達がいた本部の基地より大きい施設がたくさんあるそうです。
コロニーの開発をしているなら当然か…。
XX XY
ビィ―――ッ! ビィ―――ッ! ビィ―――ッ!
“警告 未確認飛行物体接近中。未確認飛行物体接近中。防衛レベル5に設定”
「竹林司令!?」
「本当に接近しているの? 通過じゃないのね?」
侵略者たちが私達の索敵範囲内を通過するのは珍しくはないので、被害が無いのなら黙認してきたのですが…。
「はい、月面基地に向かってきています。各国戦闘機もスクランブル発進とのこと」
「日本宇宙軍も即時発進!」
宇宙空間で戦闘すると双方に少なからず被害が出るのは侵略者も分かっているはずなのに…。
「はいっ」
「基地外で作業している者は最寄りの施設に避難」
「はい!」
ハッ!
シャルル様達にも連絡しないと…。
XX XY
「あ~楽しかった」
本当に重力が1/6なんだな。
足跡どころか跳び回りました。
いっぱい記念映像も撮ったけれど、宇宙服で生徒達が判別できないのが残念です…。
「シャルル様、勝手にあんな物を作っても良かったのですか?」
「大丈夫、近くに施設もない荒野だし…」
詩子は心配していましたが、映像だけではあれなので皆の名前を刻んだ小さな鏡面仕上げのオベリスク風記念碑を建てておいたのです。
一部の生徒達はどうやって作ったんだと不思議そうにしていましたが、マジックというノリで押し切りました。
本当は皆の集合写真…ならぬ集合像を造ってみたかったのですが、さすがに誤魔化せないので断念しました。
《ご主人様、さっき見た宇宙戦闘機が発進していきますよ》
《本当だね…。それもあんなにいっぱい…》
格納庫で見た以上に発進している感じだな…。
戦闘機は“ガ○ォークバ○キリー”タイプではありませんでしたが格好良かったです。
「「「凄いですね~」」」
「「速い~!」」
「「「格好良い~!」」」
「では、そろそろ私達も基地へ戻りましょうか。もうすぐ昼食の時間ですからね」
「そうだね」
「皆さ~ん、基地へ戻りますよ~」
「は~い(×全員)」
ビ―ッ、ビ―ッ、ビ―ッ!
『シャルル様ですか?』
「えっ、かぐや?」
「どうかしたの? 今から基地へ戻るところだけれど…」
『そうでしたか、良かった~。ではお早く』
「何かあったの?」
『実は侵略者が月面基地へ攻めてきたようなのです』
「何だって!?」
「「ご主人様(マスター)?」」
「侵略者が攻めて来たそうだよ」
「このタイミングとは予想外でしたね…」
「マスター、フラグを回収できましたよ!」
「マオ、喜んじゃダメだろう」
「とにかく基地へ…」
さっきの戦闘機はその為か…。
遠くで戦闘が始まったみたいですが、ここからは基地を挟んで反対側みたいで全く影響はなさそうです。
「シャ…シャルル様! 私達の背後に…」
「どうしたの、百合?」
「「ご主人様(マスター)!」」
「キャ―――ッ!(×全員)」
「皆、落ち着いて…」
「どうして、こんなところに…。いつの間に現れたんだ…?」
頭上には大きな宇宙船がまるで静止画のように微動することなく浮かんでいました。
「詩子、百合、可憐さんは皆を探索車に乗せて基地へ戻るんだ!」
「アイとマオは襲撃に備えて」
「「はいっ」」
「シャルル様達は…?」
「僕達は大丈夫だから…」
いざとなればすぐに基地へ戻れます。
アイ達に皆の警護をしてもらっても良いのですが、侵略者の目的によっては僕一人で対処できるか分かりません。
そうこうしている内に宇宙船の底面中央に開口部が現れ、まぶしい光が降り注いできます。
(もしかして僕達を攫うつもりだったのか? 想像通りならこの光に捉えられてはいけないはず…)
「詩子、百合、可憐さん、早く行くんだ。僕達は宇宙船に乗り込む! かぐやにも報告を!」
「アイ、マオ、行くよ!」
「はいご主人様、どんな異星人でしょうか?」
「マスター、私も容赦はしませんよ~」
XX XY
「……吸い込まれたようだな」
「「……」」
「アイ、マオ…?」
気を失っているのか…。
なるほど、吸い込まれると同時に気を失うようになっているんだな…。
僕はアイとマオに【回復】をして状態異常を治します。
「「ご主人様(マスター)不覚です…」」
「まぁ、こんな宇宙船を持っているぐらいだからね。異星人の技術なんだろう」
きっと宇宙船もカモフラージュしていたんだろう。
『どうした、これだけか?』
『はい、この三人が先に飛び込んで来てしまい…』
『どうして立っているんだ?』
『大きい個体には効きませんでした』
『何だと…』
三人の侵略者が何かをしている間にそれぞれ【結界】を張り、酸素濃度を確認してからヘルメットのマスク部分を開放します。
(あいつらが…グレイか…)
イメージ通り背丈は140cm前後、ひょろっとした体型にちょっと緑がかった浅黒い皮膚、どこを見ているか分からない大きな眼という容姿で一瞬忌避感を感じますが恐怖感はありません。
「地球人達よ、わざわざ捕まりに来たとはな…」
「……」
口は動いていないのに言葉が頭の中に…。
テレパシーか。
「仲間を助けようとした勇気は認めてやるが恐ろしくて声も出ないか…」
「いや別に…」
僕は思ったことを声に出します。
「頭でっかちですね~」
「キモいです。それに性器がない…?」
「……何だと、この崇高な我々に向かって…」
「我々からすれば地球人の方が劣等種族で、実験や繁殖用の動物でしかないのだ」
「特に男は下等生物みたいに性器をぶら下げてな…」
「この女たちは使えそうですよ」
「我々の苗床にしましょう」
「そうだな。男はいつものように改造か…。予定とは狂ったが久しぶりに母星への奴隷でも良いかもな」
「「「フヒフヒフヒ……」」」
(奴隷だって? マオじゃないけれど、笑い方がキモい…)
「いやぁ~、地上では人類が怖いのか全く姿を見せてくれないから会えて良かったよ」
「誘拐したりリーマンを改造してテロをするのは止めてくれるかな…」
「何だと…」
「「我々が臆病だというのか!?」」
「リーマンによる爆破攻撃はもう効かないから…」
そう答えながら偉そうにしていた一体を【結界】で隔離します。
『……』
【結界】内で喚いているようですが何も聞こえません。
「おい、仲間に何をした!?」
「開放しろ!」
「僕達からすればお前たちを拘束するのは簡単なんだよ」
「「何だと…、劣等種族の分際で」」
「これだけ大きな宇宙船だからまだお前たちの仲間が乗っているんだろう?」
「そうだ、仲間を呼んでお前たちを拘束してやる」
「フッ、お前たちに逃げ場はないんだからな」
「逃げるつもりなんかないよ。こちらから来たのに…」
「グレイって馬鹿なんですね」
「レベルが分かって良かったよ」
まぁ、僕達を劣等種族と呼んでいるぐらいだから本気ではないのかもな…。
仲間を呼ばれる前に残りの二人も【結界】で拘束してから船内を進みます。
「たくさん乗っていると良いんだけれどね」
「ご主人様、【意識操作】で逆テロ攻撃ですね」
「そういう事!」
「マスター、このまま母星に行って懲らしめましょうよ」
「それもありか…、奴隷として連れて行かれている人間がいるなら助け出してあげたいし…」
そんな話をしながら出会うグレイを問答無用で【結界】で拘束していきます。
「マスター、ここが艦橋でしょうか?」
「そうみたいだな」
ここに来るまでに改造室や人間の保管室のようなところもありました。
誰も捕まっていなかったのが幸いです。
まぁ、僕達を捕まえるつもりだったんだからな…。
ブォ―――ン!
『なぜ、こんなところまで人間が!?』
「あれが親玉か…」
他のグレイと違ってちょっと紫黒い感じの奴がすぐに目に留まります。
『拘束しろ!』
「アイ、マオ、【結界】を!」
「「はいっ!」」
(ひぃ、ふぅ、みぃ、よ…)
「ここには9体か…」
「ご主人様、全部で20体でしたね」
「意外に乗っていた方か…」
「マオ、悪いけれど拘束している者達をここへ連れて来てくれるかな」
「はい、マスター」
船内のグレイ達が艦橋に集まると、【結界】を一つにして纏めて拘束します。
20体も集まると外見にも少しずつ違いがあるのが分かります。
まぁ、全員がキモいことには変わりませんが…。
「ご主人様、基地の安否を…」
「あっ、そうだった」
【結界】から親玉の頭だけを自由にすると、すぐに喚いていましたが【意識操作】で大人しくさせます。
「よし、お前はもう僕達の命令には逆らえない」
「直ちに引き上げさせろ」
宇宙船からの映像で基地を見ると特に被害は無さそうです。
被害は戦闘機ぐらいか…。
こちらの為の陽動だったようです。
グレイは本当にやることがセコいな…。
タコみたいに当たって砕けてくれれば良いのに…。
『は…い…』
「じゃあ、早速お前たちの母星に案内してもらおうか」
「ご主人様、残りの者達にも【意識操作】を施しておきました」
「おっ、助かったよ」
「かぐやに連絡したかったけれど仕方がないな…」
「マスター、明後日までに戻ってくれば大丈夫ですよ」
「そうだな。それなら全速力で行くとするか」
XX XY
「何ですって、シャルル様達が!?」
「はい、私達を助けるために自ら宇宙船の中に…」
「いつの間にか見えなくなりましたが、おそらくそのまま…」
「そんな…、シャルル様が…」
侵略者を撃退される力をお持ちでも攫われてしまったら…。
「安心してください。可憐さんがシャルル様が大丈夫だと言われたら問題ないと言っていましたから…」
「可憐さん?」
「あぁ、宝条家のご令嬢です。今回シャルル様に警護していただいているのも宝条家のおかげなのです」
「とりあえず、しばらく待つ気でいましょう。私達の愛おしい男性なのですから…」
「そうですね…」
昨日紹介されたパートナーの井筒詩子さん、立花百合さんの話を聞いて少し落ち着きました。
何事もなければ良いのですが…。
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ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
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授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
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