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第40話 諜報員1

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『本部、こちら031、032と共に日本に降り立ちました』

『了解、両名は親善大使として総領事館へ向え』

『了解しました!(大使館じゃないのね…)』



「オリビア、一体日本で何を調べるのかしら…」

「ちょっとフローラ、デーブ部長が言っていたじゃない…。日本の侵略者に対する特殊部隊についてよ」

「そうだった? 下っ端は辛いわね…、こんな最前線に送られるだなんて…」

シングルになんか一生なれないのは分かっているけれど…。
001~009まではエリート中のエリートと言われています。

「地理的にCN国に近いだけで侵略者はどこにでも現れるから同じよ…」

「国家間は平和だけれど本当に退屈な時代よね~」

西暦という時代には“殺しのライセンス”というものがあったそうで、第四次世界大戦以前はシングルの諜報員達は世界を股にかけ、やりたい放題だったと聞きます。

「人類同士の争いが無くなって良かったじゃない…。そのおかげでいつでもどこへでも行けるのだから…」

第四次世界大戦後、地球は侵略者対それ以外に分かれましたが、人類はそのおかげで一致団結しています。
それに人類に友好的な異星人によって各国に技術供与が行われエネルギー問題や環境問題も無くなったのです。

その反面軍事力には差が無くなり、互いの諜報能力は無に等しくなっています。
今では衛星から他国を覗き見る事は不可能で、結局何かを調査する為には現地に赴くしかないのです。

「でも、特殊部隊ってどの国にもあるわよね」

「日本はちょっと特殊なのよ。形の上では一つの国だけれど国土は七つに分けられていると言われ、事実上首都も無くなっているのよ」

「それとどういう関係が?」

「なぜだか日本国軍には属していない戦力があるみたいなの…」
「神出鬼没らしいのよ」

「へぇ~、興味深いわね」



総領事館は東京にありました。
初めての日本なので観光したいところですが仕事が優先です。

コンコン、コン。
ガチャ…。

「あなた達が本国から来たエージェントですか…」

「エドガー様、私達は「詳細は結構です」…」

「調査任務だそうですから私が知る必要はありません。昔と違って私達は各国と友好関係にあるのですからね。それに私達が関わってしまうと気付かれる恐れもありますから…」

「そ…そうですか…」

「ですから、ここから出れば一般旅行客として行動してください」

「了解しました(だから大使館じゃなかったのね…)」
「しかし、基本的なことを教えていただけるでしょうか?」

「そうですね。まずこの国は政府の上に七つに分けられ元老院の様な組織があり、仮にどこかが侵略者に侵略されても政府が混乱に陥る事は無いようになっています」

「なるほど…(聞いていた通りです)」
「それで特殊部隊は…?」

「日本国軍の特殊部隊はこの東京のある関東地方と呼ばれる地域にはいないようです」
「なぜなら侵略者はユーラシア大陸の方から攻めてくることがほとんどだからです」

「日本海側ということですね」

「昔から日本国軍基地も日本海側に多いようですからね…」
「それにしても今更特殊部隊の調査とは意味があるのですか? 国によって工夫はされていますが戦術は似たり寄ったりですよ。それに武器の種類もそう変わりませんからね」

「だからこそ急に殲滅スピードが早くなった日本の工夫が気になるのかもしれません。本国も同じ島国ですからね」

本部から指示されているのは日本国軍に属していない特殊部隊のことですけれどね…。
その辺の事は総領事には知らされていないのでしょう。

「あっ、お二人の任務に口を出してしまい申し訳ありません。それでも、例え特殊部隊に出会っても敵対はしないでくださいよ」

「もちろんです。私達は編成や戦術を確認しに来ただけですから…」

「ハッハ…、日本は良いですよ~。技術が発展しても古き良き伝統が残されていますからね。時間があれば温泉はお勧めです」

「それにブレックスの感覚も同国人とは少し違うみたいですよ」
「国民性の違いでしょうか…。若いお二人でしたら日本人の男性と体験されてみてはどうですか? いつまでこちらにおられるか分かりませんが良い思い出になるでしょう」

「に…任務で来ていますから…」



XX XY



「オリビア、何だか勝手に行動しろってことだよね?」

「そうみたい…ね…」

まぁ、滞在費用は総領事館から出ることになっているから問題ないわね。

「オリビア、今日はホテルに行くだけだからさっそくハントでもする? 日本人とのブレックスに興味があるよ」

総領事も体験してみると良いと言っていたし…。

「フローラは誰とでもしたがるわね~。ゲイル長官ともしたって聞いたわよ」

「うん、したよ…。でも何だか刺激が弱かったんだよね~」

「脳波なんだから刺激と言ってもね…。実際にそんな大きな胸とお尻じゃ感覚も鈍くなるのかもね」

ゲイル所長もいい歳なのにこんな〇ッチと…。
フローラはオジサン受けが良いみたいだからね。
エドガーさんも話をしている私よりもフローラをよく見ていたと思います。

「オリビア、ひど~い」
「オリビアは小さい胸とお尻だから感覚が良いって言うの~?」

「私は小さくは無いわよ。フローラが大き過ぎるの!」

「あっ、デーブ部長とのブレックスを断ったから極東へ飛ばされたのかな?」

「なっ…、ゲイル長官とするならデーブ部長ともしておきなさいよ~」

もしかして私ってフローラとペアを組んでいるから一緒に?

「だって、私を見る目が気持ち悪いんだもの…」
「あのブヨブヨと繋がるなんて御免だわ…」

「ハァ~、よく言うわね…」



XX XY



結局、ホテルにチェックインした後、ホテルにあるブレックス設備で同じ宿泊客の日本人男性としてしまいました。

久しぶりでしたがまぁまぁ気持ち良かったです。
接触感覚はソフトでしたが、リフレッシュにはなりました。

「フローラはどうだったの?」

「う~ん、確かに同国人とは違ったかな…」
「ずっと身体を優しく揉まれているような感覚だったよ…。初めての感覚で気持ちは良かったけれど物足りなかったよ…」

している最中は気持ち良く感じていても、ブレックスが終わると空しく感じるのです。

「ブレックスってそんなものでしょ」

「……」
この大きな胸とお尻は何のためにあるのかしら?
この満たされない感覚にモヤモヤしてしまいます。
(ハァ~、誰としても同じなのかな…。ちょっと日本人には期待していたのに…)

「……エドガーさんが言っていたように国民性もあるのよ。もちろん相手によっても違うと思うけれどね」
「まぁ日本では食べ物や温泉を楽しみましょうよ」

「そうだね、ちょっとがっかり…。でもまだ機会はあるからね…」

「もう、ブレックスをしに来たんじゃないんだから…」

本当にフローラのせいで飛ばされているのなら、さっさと調査をして本国に帰りたいところです。
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