DNAの改修者

kujibiki

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第522話 シャルルの眼

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「トリス、お願いがあるんだけれど…」

ケープノット領都から戻ってきた翌日、朝食後にトリスを部屋に呼びました。

「えっ、何ですか? もしかして…専属メイドへの復帰ですか?」

「違うよ…」

そう答えると残念そうにしていましたが、今年中には自分の子供の専属になるのです。
トリスのお腹も少しプックリしてきたような気がします。

「実は新しい魔道具を作ったんだ。これは販売出来ないけれどね…」

そう言いながら掌に6cm四方の立方体を取り出します。

先日、アイとマオが今年最初の産卵をしたので、この機会にいよいよ作ってみようと思ったのです。
今年はイベントが多いからね…。
もちろんこれとは別に自分用の試作機もあります。

「これは何でしょう?」

「名前はまだ決めていないけれど、これは見たものを記録として残せる魔道具なんだよ…」

「はぁ~?」

「……」
トリスは意味が分かっていないみたいなので、実際に使ってみて理解してもらうしかないか…。
僕はレンズをトリスに向けると上面にあるボタンを押します。

パシャッ!

「な…何か音がしました!」

「これでトリスを写したんだよ」

そう答えながら背面にある小さなモニターから先ほど撮った写真を選択し、魔道具の上方の空中に映し出します。
大きさも自由に変えられる空中ディスプレイになる仕様です。

「えっ、これって私ですか…?」

「そうだよ…」

「何だか思っていた自分の顔と違いますぅ~。それに左目が半分閉じているような…」

「ハハ…、僕の目線だし、一瞬を切り取っているから鏡で見るのとは違うよね」

トリスは空中ディスプレイに映る自分の顔を触ろうとしていましたが、もちろん手はすり抜けています。



「ちょっと複雑だけれど使い方は簡単だから…」

僕はまず“写真”と“動画”について説明をした後、撮る為のレンズ、映像出力を兼ねるモニター、その他のスイッチについて理解しやすい言葉にして説明していきます。

小さな立方体なのでモニターも小さいですが、見たままの高精細仕様で、記録用の属性石はマイクロSDカードの様に薄く小さくしています。

記録用の属性石は入れ換えられるようにしておきましたが、この一枚だけで想像もつかないほど大容量になっており、魔法のおかげで記録データが消えてしまうという事もありません。
やっぱりもっと早く作っておくべきだったかな…。

でも、自分の複製とも言える【AI】によるフルオート機能や音声認識、望遠に広角、その他にもライトにマイクなど多機能に出来たのは今だからとも言えます。

更に【飛行】を付与しているのでドローンにもなり、自動で撮影もしてくれるので助かります。
もちろんこれにも【接続】を付与してあるので、僕としてはちょっと覗き見感覚で使えそうです。

「シャルル様、凄いですよ…」

「そうでしょ。撮った写真や動画からシャルルカードの様に【印刷】も出来るからね!」

続いて目の前に魔道具を放ると、フッと瞬時に距離を取って移動し僕達の方にレンズを向けています。
さすが僕の【AI】だけあって指示しなくても状況を理解しています。

「シャルル様、浮いていますよ…」

「トリス、さっき説明したレンズの方を見て…、撮るよ…」

パシャッ!

トリスを抱き寄せて改めて一枚写真を撮ってみました。

「シャルル様と一緒に撮れました!」

「簡単でしょ?」

手を離し【AI】に任せた場合、直前まで触っていた者の近くに空中ディスプレイを飛ばしてくれるので構図も確認できるようになっています。



「それで、本題なんだけれど…。一番最初から女性器の観察に詳しくて、色々な女性の胸や女性器を見てきたトリスにやってもらいたいことがあるんだ」

「何でしょう?」

「領民の女性にも名称を教えたり、女性器の観察が出来る様な手引書みたいな本を一緒に作って欲しいんだ」

「手引書ですか…?」

「うん…」
「多分、皆の女性器の観察方法は一人一人違うと思うんだ。トリスにも自分が気持ちの良いやり方はあるでしょ? 色々な仕方や感じ方の違い、愛液や潮の出る感覚などを皆に協力してもらって本にしようと考えているんだよ…」

「それは凄いです…。もしかしたら自分の知らない気持ち良さを知ることもあるのですね」

「そういう事。パートナーの皆にとっても、将来僕達の子供たちの世代にとっても手引書があると良いと思っているんだよ」

「なるほど…、お任せください!」

「トリスの目の前で女性器の観察をしてもらう訳じゃないからね。皆に使い方を伝えて渡すんだよ。トリスは編集者、まとめ役だからね」

「はいっ」

「……」
分かっているのかな…。

ちょっと心配ですがトリスは昔から胸や女性器に興味を持っていましたし、女性器の観察にも熱心だったので任せておくと資料は揃う事でしょう。

(あっ、スライムを使っている者には前もって注意をしておかないとな…)



XX XY



パシャッ! パシャッ!

「なるほど…」

“もにたー”という物に映っている範囲が“写真”として記録されるのですね。

本当に不思議で面白い魔道具です。
私が手を離してもその場にフワッと浮いています。

(え~っと…、確か声でも…)

「私の上半身を撮って…」

パシャッ!

「今度は全身」

パシャッ!

(おぉ~っ)

範囲を確認する為の映像が近くに現れますが、ほとんど気にする必要もありませんね。
簡単な言葉でもすぐに撮ってくれますし…。
撮った写真を確認すると、本当に見たままの姿が映し出されています。

「色々な体勢で撮るの楽しい~!」
(これで女性器の観察を撮るのよね…、ゴクリ…)

シャルル様から与えられた魔道具を手にリビングに向かいます。



「あっ、トリスさん…、シャルルに呼ばれていたみたいだけれど…?」

「ジェシカさん、エリシアさん達もおられたのですね。ちょうど良かったです」

他にもオーリエさんやユナさん、シエラ先輩とメンテール先輩が寛いでいました。
最初は自分が…と思いましたが、先に誰かに試してもらっても良いかもしれませんね。

「どうかしたの?」

「フッフッフ…、実はシャルル様からこの魔道具を預かり、大役を任されたのですよ~」

「何ですかそれ…?」

「こ…これは…、そう…“シャルルの眼”ですね」

「“シャルルの眼”!?(×全員)」

「今から何が出来るかお見せしますね」

え~っと、こっちのボタンを押せば“動画”が撮れるのよね…。

ポチッ!

「な…何ですか? それをこちらに向けて…?」

「赤色の光が点灯していますよ…」

「では、私もそちらに…」

シエラ先輩とメンテール先輩が怪訝そうにしていますが、“シャルルの眼”から手を離すと私も皆さんの側に座ります。

「えっ、浮いていますよ…?」

「トリスさん、それは一体?」

「まぁまぁ、ユナさんもオーリエさんも慌てない…」

じゃあ、まずはこれくらいで…。

「停止してこっちに…」

そう指示を出すと“シャルルの眼”は手元に戻ってきます。
最後に触れていた者の指示が優先されるそうです。

「良いですか~、この“シャルルの眼”は見た物を記録するのですよ~」

写真や動画を映し出す為のボタンを押し、先ほどの動画を選択すると映像が空中に現れます。

「うそっ、空中に私達がいる…」

「これって、絵なの?」

「絵じゃない…、動いているわ!」

「皆さん、これは“動画”と言うのです。私達が何をして何を話していたかも残せるのですよ」

「凄いわね~」

「さすがシャルル様…」

「それから…、これが“写真”と言います。“動画”とは違い動きません」

さっき試し撮りした自分の写真を見せます。

「凄い、まるで鏡に映したようね」

「“シャルルの眼”に指示を出せば思ったように写してくれるのです」

「それで、トリスのいう大役とは…?」

「そうでした。実はこの“シャルルの眼”で皆さんがそれぞれお勧めする女性器の観察を“写真”や“動画”にして記録して欲しいのです」

「え~っ!?(×全員)」

「どういう事なの、トリス?」

「シャルル様は私達の胸や女性器、女性器の観察の方法などを記録して本にしようと考えておられます。本にする事で領民の女性に知識を広めたり、私達の子供の世代にも受け継がれていけるようにされるおつもりです」

「さすがシャルル様…。私達の子供が“女”になった時に学ぶ為ですね」

「シャルルはそんな先の事まで考えているのね…」

「どうすれば気持ちが良くて、どんな風に感じるのか、本にした時に誰にでも理解してもらえるようにお願いします。シャルル様は『手引書』だとおっしゃっていましたから…」

「なるほど…、シャルル様はこのエルスタイン領都に公衆浴場を作ろうと考えられていますからね。きっと領民の女性達が身体の反応に戸惑わないように考えられての事でしょう」

「シエラ先輩、本当ですか!?」

「あっ、そう言えば皆は知らなかったわね。いつかは分からないけれど、シャルル様がそう考えられているのは確かよ…」

「あのお風呂を領民にまで…(×5)」

「とりあえずシエラ先輩やメンテール先輩、ユナさんのようにお腹が大きい方は“誕生の儀”が済んでからで良いと思います。子宮で受胎していると領民の女性は驚くでしょうからね…。では、ジェシカさんからお願いしましょう」

「わ…私からですか!?」

「ここにいる中で受胎していないのはジェシカさんだけですし…。明日以降はカリーナさんやアデルさん、クーシアさんでしょうか…」

ヌエットとエリオンはまだ受精したところですし、フランやロッキ、それにクリスさん達も帰ってくればお願いできますね。

「シャルル様から編集を任されていますから、良ければ写真を撮るところはお手伝いしますよ…」

「はい…」



XX XY



「トリスさん、本当に始めるのですね…」

お風呂に入った後、部屋で裸になりトリスさんの前に立ちます。
裸になる事にはもう抵抗はありませんが、“シャルルの眼”越しに見えるトリスさんの雰囲気に少し緊張します。

「もちろんです。まずは色々な胸や女性器の例として写真を撮っておきますね」
(フフ…、なかなかの役得です)

パシャッ! パシャッ!

「ジェシカさんの“写真”や“動画”がこの後皆さんの参考になりますから大役ですよ~」

「そんな~」

「シャルル様に綺麗にしていただいた身体を見ていただかないと…」

「そ、そうでした…」

「ジェシカさんが気持ち良いと思う胸の揉み方があればお願いします」

「こ…こうかな…」

パシャッ!

「良いですね~、胸が柔らかそうに見えますよ。少し大きくなったようですね~」
「乳首も摘まんでみましょう!」

パシャッ!

「そんなに近づいて撮られたら恥ずかしいです…」

「良いじゃないですか…。ジェシカさんは若い内から記録に残せて羨ましいですよ…」

「トリスさん…」
「そ、そうですよね。パートナーの一人としてこれから生まれてくる子供たちに自信を持って見せられないとダメですよね」

確かに艶やかで若々しいといっても年齢的な違いはあるものね…。
それに、いずれは私の子供が見る可能性もあるのです。

「そうですよ。ずっと残っていくのですからね。それにパートナーの皆さん全員にお願いするのですから、今回全力を出さないとジェシカさんの番は当分回って来ませんからね」

ハッ!
「が…頑張りますっ!」

「じゃあ今度は女性器の形や、くりの大きさも分かるように撮っておきましょう」

「は…い…」

ベッドに上半身を起こした状態で座ると脚を広げ、女性器を開きます。

クパッ…。

「綺麗ですよ~。くりも大きくなっているんじゃ…」

パシャッ! パシャッ!

(あぁ~ん)
何だか気持ち良くなってきちゃう~。



「では、後はジェシカさんの好きなように女性器の観察をして下さい。“シャルルの眼”に指示するだけで“写真”や“動画”を撮ってくれます。ジェシカさんが女性器の観察を知った時の事を思い出して、こうすれば感度が良くなるという写真を撮ったり、動画の場合は声に出して説明もお願いしますね」

このまま見ていたいところですがシャルル様にダメだと言われていますからね…。

「は…い…」

「シャルル様に気持ち良いことを伝えるように…、ジェシカさんと“せっくす”をしたいと思っていただけるよう頑張って下さいね」

「は、はいっ!」



XX XY



今日はあの後魔道具の話題で持ちきりでした。

トリスが勝手に“シャルルの眼”と名付けていたのです。
まぁ、確かに目だけれど…。
もしかしたらもういくつか用意しておいた方が良いかもしれません。

結局、何回か説明する羽目になりましたが、使いこなしてもらわないと作った意味がありません。
一度それぞれのパートナーと記念写真でも撮っておこうかな…。

ふと“シャルルの眼”に【接続】してみると、女性器のアップが脳裏に映し出され、クチャクチョと音まで聞こえてきます。

(トリス…?)

ちょっと引いて見ると、ジェシカが一生懸命に女性器の観察をしていました。
ジェシカからだったのか…、ちょっと予想外です。

(ジェシカもこんな風に女性器の観察をしていたんだ…)

ハハ…、色んな方向から近づいて見ることも出来て良いなぁ。

「そうか…、“シャルルの眼”があればセックスをしているところも撮れるんだ…」

「さすが鬼畜なご主人様、気付いてしまわれましたね…」

「アイ…」

「パートナーの皆さんとのセックス大全集でも作ってみましょうか?」

「あっ、それも良いね!」

ハメ撮りも自由自在。
自分では見えないアングルから見られるのはちょっと新鮮だな…。

「マスター、変態です~」

「……よし、じゃあ今晩はアイとマオでAV撮影でもしてみるか!」

「あ~ん、マスターが無視しました~」

「マオだって嬉しいくせに…」

2冊目はパートナーの為だけのHow To Sex集でも良いかもしれません。
予想外に使える魔道具が出来たと思います。
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