DNAの改修者

kujibiki

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第279話 ルージュ領編21

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ルージュ領都に来て9日目の朝、いよいよエルスタイン領都へ戻ることになりました。

オーリエとユナがエルスタイン領都へ来ることになり、サマンサ様とシェリー様とも出会えて、ルージュ領都と王都とも“転移の祠”を使ってエルスタイン領都といつでも行き来できるようになりました。

魔道具製作所のこともあるのでまたすぐに来ることになるかな…。



「ではお母様、しばらくお別れです」

「ユナ、シャルル様に嫌われないように頑張るのですよ」

「はいっ!」

昨晩、お母様はシャルルと一緒にお風呂に入ったおかげでまた少し艶やかになられたようです。

皆さんの話によると、シャルルに覚醒してもらっても女性器の観察をして自分の身体の感度を上げておかないとシャルルのしてくれる気持ち良いことが享受できないそうです。
私も頑張ってシャルルのすべてを受け止められるようにならないと…。



「では私もルーシャ様達と一緒にエルスタイン領へ行きますね」

「オーリエも早く大きくなるのですよ~」

「お母様、言う事はそれですか!?」

お母様はそう言いながら柔らかく綺麗になった大きな胸を両腕で下から支えプルンと揺らしています。
昨晩はシャルルと一緒だったそうなので、また少し髪が艶々とし肌も瑞々しくなっているように見えます。

「貧相な身体では皆さんみたいに大切にしてもらえませんよ。ユナ様も驚くほどお綺麗になられたのですから…」

(うぅ…、それを言われたら…)
一昨日、ユナさんもシャルルに覚醒してもらったおかげで驚くほど綺麗になられています。

「シャ、シャルルは体型で判断しないわよ…」

そうは言っても元から胸もシエラさんぐらい大きくて体型の良かったユナさんが仲間に加わると私は本当にお子様のようです。
一つしか歳が違わないのにこの差はなんでしょうか…。

「ルーシャ様、オーリエをよろしくお願いします。我が儘なことを言いましたら遠慮なく叱ってやってください」

『はい、サマンサ様』

「ルーシャ様、今度こちらの領主会議が終わりましたら、今年中に一度エルスタイン領へお伺いさせていただきたいと思います。その時はよろしくお願いしますね」

『ええ、お待ちしていますよシェリー様。でも“シャルルの風”のこともありますので私達の方が先にまたこちらに伺うかもしれませんね』

「ルーシャ様、シャルル様、いつでも気軽にルージュ領都へ来てくださいね。“転移の祠”の警備の者にも自由に行き来出来るように伝えておきますから…」

「王都の警備の者にも同じように伝えておきますよ…」

『ありがとうございます。サマンサ様、シェリー様』

「「シャルル様、本当にいつでも来てくださいね~!」」

「うん、サマンサ様もシェリー様もお元気で…、またすぐに遊びに来るよ」

昨晩、ルージュ領都最後の夜は再びサマンサ様とシェリー様と一緒にお風呂に入ってから寝ました。
オーリエやユナも驚くほど二人ともさらに艶々と若々しくなっていてとっても喜んでいるようです。



帰りはサンディお姉さんもローザお姉さんもいないので、トリスお姉ちゃんとエリオンお姉ちゃんが運転席に座っています。

「サマンサ様もシェリー様も変わりすぎなんじゃないでしょうか」

『でも、シエラ…、私達より年上の女性があんなにお綺麗になられるのはとっても嬉しいことよ』
『グレイス様もそうですが、私達がお二人と同じくらいになってもあれほど若々しくいられることが分かったのですから…』

「それはそうですね」

『オーリエさんはともかくユナさんまで他国に来ることになって本当に良かったのかしら』

「はい、ルーシャ様には感謝しています。長年想っていた男性にようやく巡り合えたのですから…」
「自分を信じてシャルルを待っていて本当に良かったです」

シャルルに触られるとあんなに気持ち良いのですもの…。
女性として生まれてきて良かったと思います。

「シャルルのおかげでお母様達もあんなに若返ったようにしていただいたので、安心して出国できますよね」

「オーリエさんったら…」



XX XY



僕達は行きと同じように数日をかけて港町に戻ってきました。

途中、キアルに再び立ち寄った時には都市長のライラお姉さんに、僕達がエルスタイン領主一行だということ、僕がサマンサ様にルージュ領の名誉領民にしてもらったことなどを説明するととても驚いていました。

それに綺麗になったオーリエや王女様のユナが僕のパートナー候補としてエルスタイン領都に行くことになったことを知ってしばらく固まってしまっていました。

オーリエは、これ以上ライラお姉さんを驚かせてもいけないのでお母様が若々しくなったことは言わないでおきましょうと、苦笑いしながら言っていました。

ライラお姉さんがそれを知るのは一体いつになるのでしょうか…。



「ここが港町、あれが海なんですね。なんて広大な…」

「やっぱりユナも海を見るのは初めてなんだね」

「はい…、それにしてもオーリエさんはよく海を渡ってシャルルのところまで行かれましたね」

「そうでしょう!」

「その行動力は尊敬するわね」
エリシアがそう言いながらウンウン…と頷いています。

『そう考えると、オーリエさんが行動していなかったらユナさんの未来は違っていたたかもしれませんね』

「やっぱり私とシャルルは運命的なものがあるのかもしれませんね」と、ユナが優しく微笑んでいます。

「ユナさん、それは私のおかげですから…」



僕達はまずオーリエの案内で町長の館に向かい、保管されている魔動力車と魔動力船を確認することにしました。

「オ、オーリエ様、また港町に戻ってこられてどうかされたのですか?」

「それに、この短期間で身体もスッキリと綺麗になられて…」

「体型のことはいいのです…」
「私はもう一度エルスタイン領都へ向かうことになったのですよ。もちろんお母様の許可もありますから心配なく…」

「それでこの方達は…」

「こちらの方達は私が戻ってきたときに一緒だったお客様よ」

「そうだったのですか…」

「それで、『男性選手権』の優勝賞品を確認しに来たのだけど…」

「はい、ライラ様より伺っております」
「え~っと、確かシャルル様と言う方が今回の優勝者でしたよね」

「そうよ、こちらのシャルル様が優勝されたのよ」
オーリエに紹介され隣に立ちます。

「なっ!? こちらの男性が優勝者…」

「あなたは意外に思うかもしれないけれど、シャルル様より優れた者はいないわよ」

「……」
確かにたくましい男性ですが、まだ男の子のようです。



“ばななん”一年分は想像していたより量が多いみたいで、ライラお姉さんの計らいで、次の定期便で運送してもらうことになりました。

「では皆様、こちらが『男性選手権』の優勝賞品の魔動力車となります」

町長さんが案内してくれた車庫には、僕達が今乗ってきた魔動力車と同じくらいの物が置いてありました。

「「「おぉ~~~」」」
「「すごいです!」」
「もっと小さいかと思っていました」

「『男性選手権』の優勝賞品ですからこれぐらい当たり前では?」

「中はエルスタイン領の物と似ているんだね」

「シャルル、今は私達が大人数だからあの形だけれど普通はこうなのですよ」

「そ、そうか…」
これなら十分荷物も運べるようです。

『シャルル、どうしますか?』
『これも“ばななん”と一緒に定期便で運んでもらいますか?』

「それなんだけれどね。僕はこの港町に車庫を用意して置いておきたいんだけれど…」
「僕が許可した人達が使えるようにしたいんだ」

『そう……』

「これから見せてもらう魔動力船と一緒に保管できる出来るところはないかなぁ?」

「シャルル、大丈夫よ。今マドリーン号が停泊してある近くで保管してもらえるようにするわ」
「町長さん、お母様に確認してもらってもいいから最優先で場所を確保しておいてください」

「わ、分かりました…」



次に魔動力船を見に行くと、マドリーン号より一回り小さな魔動力船でした。

『立派な魔動力船ねぇ』

「本当だね」

中を見せてもらうと、マドリーン号のように運転席と乗客室が一体型の形で、4人がゆったり座れる乗客席と6人ほどが十分眠れる部屋もあり、外部には荷物も積めるようになっていました。

「シャルル様、素敵な魔動力船ですね」

「こんなに素敵な魔動力船ならやっぱりエルスタイン領の港町にもって帰っても良いのではありませんか?」

「シエラお姉ちゃんの言うのも分かるけれど、僕はこれらで海運・陸運を出来れば良いかなって思ってるんだ…」

『シャルル、それって商会を作ろうとしているのですか?』

「そういえば、それに近いかな…」
「せっかくルージュ領都や王都とも友好関係が持てたしね。美味しい物があればエルスタイン領都に取り寄せたいでしょ」
【転移】は領都間でしか出来ないからね…。
「まぁ、サマンサ様やシェリー様に許可をもらわないとね」

「シャルル、お母様なら絶対許可されるわよ」

「私もお母様に許可をもらえるようにします!」

「シャルル商会の誕生ですねっ!」

「ト、トリスお姉ちゃん、まだ気が早いよ…」
「じゃあ、魔動力車と魔動力船はオーリエに任せてもいいかな?」

「ええ、ちゃんと保管場所を確保しておいてもらうわ」



XX XY



僕は優勝賞品を確認した後、一度宿に戻ってから夕食前にこの港町に収監されている運送屋のお姉さん達のところへ案内してもらいました。
少し話をするだけなので付いて来ているのはトリスお姉ちゃんだけです。

「サラお姉さん達、今日の仕事はもう終わったんだね?」

「シャ、シャルル様!?」

「「シャルル様だ~」」

「ど、どうしてこんなところへ…?」

「うん、僕達も明日エルスタイン領都へ向けて戻るつもりなんだよ」

「シャルル様、あの…、私がお教えした島にはもう…?」

「まだだよ、でも帰りに寄ってみるつもりだよ」
「サラお姉さん達の収監期間も教えてあげようと思ってね」

「あ、ありがとうございます。良かったです…」

食料などの備蓄はまだ少しあったはずですが、私達が収監されている間にあの娘達がどうなってしまうか分かりません。
食べるものが無くなったら散り散りになってしまうのではないかと心配していました。

「そうそう、サラお姉さん達は収監期間をもう聞いたの?」

「はい、先日聞きました。あれほどの犯罪に加担してしまったのに半年にしてくださって感謝しています」

「言っておくけどサマンサ様が決められたことだから僕は知らないよ」
「結果的にはオーリエも無事だったわけだし、それに攻撃をしてきたわけじゃなかったからそれぐらいで済んだのかも…」
「男性達は10年なんだよ」

「「「じゅ、10年…ですか…」」」

「動機も動機だしね…」
「そう思うと半年はすぐだよ」

「そうですね。ちゃんと罪を償ったら次はどんな理由があろうとも悪いことはしません」

「そうだね~。もし出所してしたいことが無かったら言ってよ。サラお姉さん達に任せてもいい仕事があるからね」

「シャルル様が私達にですか…?」
「「シャルル様~」」

「シャルル様のお役に立てるのならぜひ!」
「「異議な~し」」



XX XY



「シャルル様、分かりましたよぉ~」
「サラさん達にシャルル商会の運送を任されるのですね」

「だからトリスお姉ちゃん、シャルル商会ってまだ気が早いよ」
「まだ、何にも考えていないんだから…」
「さて、早く宿に戻ってみんなで夕食にしよう。この港町には来た時に食べていない物もあるみたいだしね」

「そうですねっ!」
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