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第273話 ルージュ領編18
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「お母様!? なのですか…」
「……まずはユナ、本当にごめんなさいね」
「あなたの言う事を疑っていたわけではありませんが、後継者のことを考えると不安があって…」
「しかし、あなたの言うようにシャルル様は間違いなく神様の子供でしたよ」
「お母様…」
「シャルル様がどうおっしゃるか分かりませんが、ユナがシャルル様の為に生き、側にいたいと言うのなら認めましょう」
「……」
そう言ってもらえるのは嬉しいのですが、一晩で変貌してしまったお母様を見ていると言葉が出てきません。
「シェリー様、一体何があったのですか?」
「まるで若返ったようですよ」
「ルチアとスージーが驚くのも無理はありませんね。私が一番驚いているのですから…」
「シャルル様のおかげなんですよ」
「「おかげって…」」
「お母様、私より先にシャルル様と仲良くされるのはずるいですよ」
(ユナ様もそこはずるいとかの問題ではなく…)
「と、とりあえず私もルーシャ様と親交を深め、領同士でも友好関係を深めていくことにしました…」
「シャルル様には王領でも名誉領民となっていただきますので、ユナもシャルル様に付いて行っても問題ないということです」
「そ、それについては嬉しいですけれど…」
「今日は“転移の祠”を使って王都とルーシャ様のエルスタイン領都を繋ぐ予定にしています」
「“転移の祠”で他国に行けるようになるのですか…?」
「ルージュ領都はすでにエルスタイン領都と繋がっているそうです。これで私も気軽にシャルル様にお会いしに行けますよ。フフ…」
「お、お母様、なんだかとてもひどいですよ~!」
XX XY
『シャルル、昨晩はありがとう』
『シェリー様もとっても喜んでおられたわ』
「かなり疲れや弱っているところがあったからね」
「あんなに変わられて驚いたけれど、元気になってもらえて良かったよ」
朝はシェリー様に泣きながら喜ばれ、それを見ていたサマンサ様も一緒に泣いて喜んでおられました。
『今日はねシェリー様達と一緒に王都に行って、“転移の祠”をエルスタイン領都と繋げますよ』
『シャルル、面倒だけどお願いしますね』
「うん、そうするとバルトリア王国の王都にもいつでも来られるようになるんだよね」
『そうよ。シェリー様もシャルルを王領の名誉領民にされるそうよ。シェリー様のお屋敷も出入り自由よ』
「それは嬉しい事だけど、そんなこと良いの?」
『サマンサ様もシェリー様もそれだけシャルルのことを大切に想われているのよ』
朝食後、僕とお母さん、シエラお姉ちゃん、エリシア、オーリエ、サマンサ様にシェリー様、ユナ様と魔動力車に乗ってルージュ領都の“転移の祠”に向かいます。
シェリー様の魔動力車なので運転席にはシェリー様のところのメイドさんが座っています。
「シャルル様、本当にありがとうございました。こんなに身体が軽やかに動かせるなんて夢のようです」
「胸もこんなに軽くて、柔らかくプルプルになりましたよ」と、顔に胸を押し付けてこられています。
「お、お母様、どうしてシャルル様の隣に座っているのですか…」
「私が…、私が…」
「良いじゃない…、あなたはシャルル様に付いて行くんでしょ」
「シャルル様、ユナをよろしくお願いしますね」
「えっ、ユナ様もエルスタイン領都に来るの!?」
「はい、不束者ですがよろしくお願い致します」
「それから私の事はオーリエさん達と同じように、ユナと呼び捨てにしてください」
「じゃあ、ユナも僕の事はシャルルでいいからね」
「はいっ!」
「ユナ…さん、良かったですね」
「ありがとうございます。エリシア…さん」
「オーリエさんも色々と教えてくださいね」
「まさか本当にユナ様までシャルルの元に来られるなんて…」
身長はトリスさんぐらいかしら、胸もシエラさんぐらいあって体型も良いのに、これでシャルルに覚醒してもらったら、私がシャルルに相手にしてもらえなくなりそう…。
「フフ…、オーリエさんも私の事はユナでかまいませんからね」
「……」
ルージュ領都の“転移の祠”に着くとまずはシェリー様の王都に転移します。
「シェリー様、魔力の魔道具は大丈夫ですか?」
「サマンサ様、大丈夫ですよ。帰りの分はすでに用意してありますから…」
「しかし、本当にエルスタイン領都まで行けるのですか…?」
『シェリー様、大丈夫ですよ。ではお願いします』
「はい、ではいきますね。【転移】…」
シェリー様が【転移】を発動されると一瞬で雰囲気の違う“転移の祠”に移りました。
「皆さん、王都に着きましたよ」
「ルーシャ様、次はどうされるのですか?」
『はい、このままエルスタイン領都へ転移します』
「このままですか…?」
「まぁまぁ、シェリー様、これからが凄いですからルーシャ様にお任せしましょう」
「サマンサ様…」
『では、シャルルお願いできますか?』
「うん」
ルーシャ様がシャルル様の手を握られ【転移】を発動されると、一瞬でまた違う雰囲気の“転移の祠”に着きました。
「ルーシャ様、まさかここは…」
『ええ、ここがエルスタイン領都の“転移の祠”です』
「そんな…、本当に…」
「シェリー様、魔力さえあれば私達もいつでもシャルル様に会いに来られますよ」
「本当ですね。とっても嬉しいです…」
『じゃあ、今度はもう一度王都に戻りましょうか…』
「えっ!? 魔力は…どうやって…?」
『シャルル、お願いね』
ルーシャ様がシャルル様にそうお願いされると、シャルル様が私の手を握ってこられました。
『シェリー様、そのまま転移をしてみて下さい』
「は…い…。では…【転移】…」
「えっ!? お…王都に戻ってきましたよ…」
『シャルルは私達が想像もつかないほどの魔力を保有しているのです』
『シャルルがいればおそらく何度でも転移は可能でしょう』
「シャルル、すごいです。さすが私が探していた男性ですよ」
「まさに天使ですねぇ」
「せっかくですから私の王城にもお立ち寄りください」
「その間にユナの支度をさせますので…」
「お母様…」
「ルーシャ様とシャルル様のおかげでいつでも行き来することは出来るようになりましたが、さしあたっての身の回りの手荷物も必要でしょう」
「ユナさん、水着必須ですよ」
「そうなのですかエリシアさん」
「帰りにまた海で遊ぶかもしれませんからね」
『それは確かに…。では少しお邪魔させていただきましょう』
「……まずはユナ、本当にごめんなさいね」
「あなたの言う事を疑っていたわけではありませんが、後継者のことを考えると不安があって…」
「しかし、あなたの言うようにシャルル様は間違いなく神様の子供でしたよ」
「お母様…」
「シャルル様がどうおっしゃるか分かりませんが、ユナがシャルル様の為に生き、側にいたいと言うのなら認めましょう」
「……」
そう言ってもらえるのは嬉しいのですが、一晩で変貌してしまったお母様を見ていると言葉が出てきません。
「シェリー様、一体何があったのですか?」
「まるで若返ったようですよ」
「ルチアとスージーが驚くのも無理はありませんね。私が一番驚いているのですから…」
「シャルル様のおかげなんですよ」
「「おかげって…」」
「お母様、私より先にシャルル様と仲良くされるのはずるいですよ」
(ユナ様もそこはずるいとかの問題ではなく…)
「と、とりあえず私もルーシャ様と親交を深め、領同士でも友好関係を深めていくことにしました…」
「シャルル様には王領でも名誉領民となっていただきますので、ユナもシャルル様に付いて行っても問題ないということです」
「そ、それについては嬉しいですけれど…」
「今日は“転移の祠”を使って王都とルーシャ様のエルスタイン領都を繋ぐ予定にしています」
「“転移の祠”で他国に行けるようになるのですか…?」
「ルージュ領都はすでにエルスタイン領都と繋がっているそうです。これで私も気軽にシャルル様にお会いしに行けますよ。フフ…」
「お、お母様、なんだかとてもひどいですよ~!」
XX XY
『シャルル、昨晩はありがとう』
『シェリー様もとっても喜んでおられたわ』
「かなり疲れや弱っているところがあったからね」
「あんなに変わられて驚いたけれど、元気になってもらえて良かったよ」
朝はシェリー様に泣きながら喜ばれ、それを見ていたサマンサ様も一緒に泣いて喜んでおられました。
『今日はねシェリー様達と一緒に王都に行って、“転移の祠”をエルスタイン領都と繋げますよ』
『シャルル、面倒だけどお願いしますね』
「うん、そうするとバルトリア王国の王都にもいつでも来られるようになるんだよね」
『そうよ。シェリー様もシャルルを王領の名誉領民にされるそうよ。シェリー様のお屋敷も出入り自由よ』
「それは嬉しい事だけど、そんなこと良いの?」
『サマンサ様もシェリー様もそれだけシャルルのことを大切に想われているのよ』
朝食後、僕とお母さん、シエラお姉ちゃん、エリシア、オーリエ、サマンサ様にシェリー様、ユナ様と魔動力車に乗ってルージュ領都の“転移の祠”に向かいます。
シェリー様の魔動力車なので運転席にはシェリー様のところのメイドさんが座っています。
「シャルル様、本当にありがとうございました。こんなに身体が軽やかに動かせるなんて夢のようです」
「胸もこんなに軽くて、柔らかくプルプルになりましたよ」と、顔に胸を押し付けてこられています。
「お、お母様、どうしてシャルル様の隣に座っているのですか…」
「私が…、私が…」
「良いじゃない…、あなたはシャルル様に付いて行くんでしょ」
「シャルル様、ユナをよろしくお願いしますね」
「えっ、ユナ様もエルスタイン領都に来るの!?」
「はい、不束者ですがよろしくお願い致します」
「それから私の事はオーリエさん達と同じように、ユナと呼び捨てにしてください」
「じゃあ、ユナも僕の事はシャルルでいいからね」
「はいっ!」
「ユナ…さん、良かったですね」
「ありがとうございます。エリシア…さん」
「オーリエさんも色々と教えてくださいね」
「まさか本当にユナ様までシャルルの元に来られるなんて…」
身長はトリスさんぐらいかしら、胸もシエラさんぐらいあって体型も良いのに、これでシャルルに覚醒してもらったら、私がシャルルに相手にしてもらえなくなりそう…。
「フフ…、オーリエさんも私の事はユナでかまいませんからね」
「……」
ルージュ領都の“転移の祠”に着くとまずはシェリー様の王都に転移します。
「シェリー様、魔力の魔道具は大丈夫ですか?」
「サマンサ様、大丈夫ですよ。帰りの分はすでに用意してありますから…」
「しかし、本当にエルスタイン領都まで行けるのですか…?」
『シェリー様、大丈夫ですよ。ではお願いします』
「はい、ではいきますね。【転移】…」
シェリー様が【転移】を発動されると一瞬で雰囲気の違う“転移の祠”に移りました。
「皆さん、王都に着きましたよ」
「ルーシャ様、次はどうされるのですか?」
『はい、このままエルスタイン領都へ転移します』
「このままですか…?」
「まぁまぁ、シェリー様、これからが凄いですからルーシャ様にお任せしましょう」
「サマンサ様…」
『では、シャルルお願いできますか?』
「うん」
ルーシャ様がシャルル様の手を握られ【転移】を発動されると、一瞬でまた違う雰囲気の“転移の祠”に着きました。
「ルーシャ様、まさかここは…」
『ええ、ここがエルスタイン領都の“転移の祠”です』
「そんな…、本当に…」
「シェリー様、魔力さえあれば私達もいつでもシャルル様に会いに来られますよ」
「本当ですね。とっても嬉しいです…」
『じゃあ、今度はもう一度王都に戻りましょうか…』
「えっ!? 魔力は…どうやって…?」
『シャルル、お願いね』
ルーシャ様がシャルル様にそうお願いされると、シャルル様が私の手を握ってこられました。
『シェリー様、そのまま転移をしてみて下さい』
「は…い…。では…【転移】…」
「えっ!? お…王都に戻ってきましたよ…」
『シャルルは私達が想像もつかないほどの魔力を保有しているのです』
『シャルルがいればおそらく何度でも転移は可能でしょう』
「シャルル、すごいです。さすが私が探していた男性ですよ」
「まさに天使ですねぇ」
「せっかくですから私の王城にもお立ち寄りください」
「その間にユナの支度をさせますので…」
「お母様…」
「ルーシャ様とシャルル様のおかげでいつでも行き来することは出来るようになりましたが、さしあたっての身の回りの手荷物も必要でしょう」
「ユナさん、水着必須ですよ」
「そうなのですかエリシアさん」
「帰りにまた海で遊ぶかもしれませんからね」
『それは確かに…。では少しお邪魔させていただきましょう』
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