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第208話 マイヤ魔道具製作所
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ガチャ…。
「すいません…」
「はい、どちらさまでしょうか」
「こちらはマイヤ魔道具製作所で間違いないでしょうか?」
「はい…」
「私は王城からの使いの者なのですが、マイヤさん…、こちらの責任者の方はおられますでしょうか」
「しょ、少々お待ちください…」
「お待たせしました、この魔道具製作所の責任者のマイヤですが…」
「あなたがマイヤさんですか…。私は王都からの使いの者で、“シャルルの風”の登録完了をお知らせに参りました」
「えっ!? もう登録が完了したのですか?」
シャルル様がケープノット領都を発たれてからまだ一月も経っていません。
「女王様がシャルル様の為に直接指示をされましたので…」
(女王様がシャルル様の為に…?)
ルーシャ様の為にって言うのならまだ分からない事も無いけれど…、一体何があったのでしょうか。
もう話が凄すぎて分からないので話を進めます。
「それで、こちらが登録証となります」
登録証を見ると、“シャルルの風”の発明者や機能、製作所元の詳細と責任者である私の名前等が記載されていました。
「確かに…、受け取りました」
これでいつ発売しても他の魔道具製作所に真似をされることは無いでしょう。
「それから、女王様からお手紙を2通預かっております」
「一つは製作責任者のマイヤさんに。もう一通はマイヤさんがこのケープノット領都、領主のエバーミット様にお渡しするように言付かっております」
「えっ…、私がエバーミット様に直接…?」
「そういうことになりますね。まずはこちらを開封しお読みください」
私は使いの方が勧められるように一通の手紙を読みました。
「これって…、女王様直筆じゃないですか…」
「そう申したつもりでしたが…」
内容はルーシャ様とシャルル様に許可をいただいたから、登録証を持って行った使者に“シャルルの風”をいくつか譲ってほしいと言うものでした。
「分かりました。シャルル様が許可されているのに販売しないわけにはいきませんね」
「ありがとうございます」
「では、ルーシャ様のお屋敷にお送りする予定の初回分と同じ数量でかまいませんか?」
「どれくらいになるのでしょう」
「はい、30個ですね…」
「あっ、ありがとうございます! 女王様も喜ばれる事でしょう」
あれ…? 多かったでしょうか…。
「では、すぐにご用意しますね。少々お待ちください」
ふぅ~、まさかシャルル様が直接女王様に商品の紹介をして下さっているなんて…。
一月に400個ほどの生産じゃ到底満足に供給できないわね。
どうしたら良いのかしら…。
「お待たせいたしました」
私は販売予定金額の30個分を受け取り、使者の方に“シャルルの風”を渡します。
「もう一通のお手紙も出来るだけ早くエバーミット様に直接お渡しするようにしてくださいね」
そう言いながら使者の方は王都に戻っていかれました。
「マイヤ、誰かお客だったのか?」
「あっ、ロクサーヌ…。王都から“シャルルの風”の登録証が届いたのよ」
「もう登録されたのか?」
「それが女王様が直接指示されたみたいなの…」
「たぶん、女王様が試される機会があったんだろうね。使ってみればあの魔道具のすごさは分かるからな」
「さて、登録も済んだことだし、いよいよロクサーヌにもエルスタイン領都へ行ってもらうわよ」
「そうだな、シャルル様にお会いできるのが楽しみだよ」
XX XY
翌日、私は女王様から預かった手紙を持ってこのケープノット領領主エバーミット様のところへ伺いました。
屋敷の門番の方には不審がられましたが、女王様からのお手紙に付いている印を見て、急いでエバーミット様のところへ通していただけました。
「あなたが女王様からの手紙を持ってきたそうですね」
「はっ、はい。領都で魔道具製作所をしていますマイヤと申します」
「こ、こちらがお預かりしているお手紙です」
そう言って差し出すと、エバーミット様の側に立っていたメイドの方が近寄ってきて手紙を受け取りエバーミット様の方へ届けています。
「エバーミット様…」
「ありがとう、ロイス」
ふむふむ…。
グレイス様はどうされたのかしら…。
このマイヤって女性に手紙を届けさせるだなんて…。
(えっ…?)
なに…、そんなことが…。
「エバーミットさ…ま?」
「マイヤさん、あなたがシャルル君の考えた魔道具を製作し、その魔道具が王都で登録されたことが書かれているけれど…」
「はい…、その通りです」
(えぇ~~~っ!?)
シャルル君の登録した“シャルルの風”と言う魔道具の偽物が出ないように念押しされているわ。
「マイヤさん、シャルル君の名を汚したら厳罰にすると書いてあるわよ」
「ひぇ~~~っ、そ、そんなぁ~」
「それは冗談だけれど、“シャルルの風”と言う物の偽物が出ないようにと心配されているわ」
「そ、そうでしたか…」
「ところで、その“シャルルの風”というのはどんな魔道具なの?」
「こ、これがシャルル様の考えられた“シャルルの風”です」
私は念のために持ってきていた商品を鞄から取り出します。
再びロイスさんという方が受け取り、箱を開けて実機をエバーミット様のところへ運びます。
「これはどういったものなの?」
「はい、髪を乾かす魔道具です」
私はその場から少し大きな声を出し、使い方について説明をします。
まずは…、カチッ。
ブォ~~~~!
「これはいつもと同じような風ね」
それじゃ赤色を…、カチッ。
「あっ、熱い風が出てきたわ…」
そしてこっちは…、カチッ。
「今度は冷たい風が…」
「す、素晴らしいわ!」
「これから寒くなってくるのに、まさに女性があこがれる魔道具だわ」
「実際に使用されるともっと驚かれると思いますよ」
「これを販売するのね」
「はい、登録も完了しましたし、あと数日で販売を開始します」
(なるほど…)
グレイス様が手紙に書かれていることも分かるわ。
マイヤには伝えていませんが、手紙にはこの“シャルルの風”を速やかに広めて欲しいと書いてありました。
「マイヤ、あなたの魔道具製作所では一ヶ月にどれくらい生産できるのですか?」
「はい、400個から「少ないわっ!!」…500…個…ほどです…」
「ひぇ~~~っ」
「せめて倍…。いや、口伝てで知られるほどそんな数量じゃ足りなくなるわね」
シャルル君にしてみれば、誰が作っても売れればそれだけお金が入るのだけれど…。
シャルル君がなぜマイヤさんに製作を任せたかが問題よね…。
「それにしても、あなたがシャルル君と面識があるなんて…」
「はい、偶然魔道具製作の見学に立ち寄られたのです…」
「そうですか…」
本当に偶然なのかしら…ね。
「最初の販売の売れ行きをみて、さらにお金を借りて従業員を増やし、生産量を増やしていく予定です」
「しかしそれでは遅いですね」
「でも、借りられるお金は今はこれが精一杯で…」
「分かりました。領都が支援致しましょう」
「まずは生産量を3倍に出来るだけの場所と設備、人員を確保するのです」
「もちろん、従業員選びは慎重に…。急いでいるからと不良品を作ればシャルル君があなたをどう思うか分かるでしょう?」
「それこそ本当にシャルル君の名を汚したと女王様が怒られますよ」
「は、はいっ!」
助けていただいたシャルル様に恩を仇で返すようなことをするわけがありません。
「それで…、相談なのですが、支援させていただくのでこの“シャルルの風”は先行していくつか譲っていただけるのでしょうか?」
「もちろん代金は支払いますよ」
「うっ…」
エバーミット様っておっとりしているようで交渉が上手ですね。
「シャルル様の許可がないのですが、先ほどお渡しした商品と別に5個くらいなら…。後は販売時に領民の方と同じように並んでいただくしかないですね」
「分かりました。まずはそれだけあればいいでしょう」
屋敷の者は欲しければ買いにいくでしょうから。
「では、速やかに生産体制を整えるように…」
XX XY
ふぅ~、今日は朝からとても疲れたわ。
屋敷からの帰りは魔動力車で送ってもらったけれど、“シャルルの風”を持って帰るためだったようです。
でも女王様のおかげでエバーミット様にも会えて、生産能力も3倍になるように支援していただけることにもなったし、しばらくは生産に集中できそうね。
ガチャ…。
「あぁ、マイヤ、店頭にいたんだね」
「ロクサーヌ…、今領主様のお屋敷から戻ってきたところよ…」
「もしかしてエバーミット様にお会いしてきたのか?」
「そうよ。なんだかんだと分からないうちに、この魔道具製作所も直に3倍の規模になりそうよ」
「それはすごいなぁ」
「ところで、私は二日後にエルスタイン領都に向けて出発しようと思うんだけど、準備はいいかい?」
「ちょうど知り合いがエルスタイン領都へ向かうそうで、魔動力車に便乗させてもらおうと思っているんだよ」
「そう、商品は大丈夫よ」
そうか、他領へ運ぶ魔動力車が必要になってくるのか…。
今まで他領に販売するなんて考えもしなかったけれど、これは一度エバーミット様にご相談した方がいいわね。
「マイヤ、これは販売しだしたら商人が絡んでくるんじゃないか?」
「そう…かもね」
“シャルルの風”は商人には任せられないわ。
ケープノット領内は直接販売できるとしても、他領でどうやって販売するかも考えておかないとダメね。
「ロクサーヌ、明後日までに手紙を書いておくから、ルーシャ様とシャルル様に渡してくれるかしら」
この件もエバーミット様に確認しておかないとダメでしょう。
「あぁ、ちゃんと手渡しするよ」
「ありがとう」
二日後、ロクサーヌはエルスタイン領都のシャルル様の元に届ける30個の“シャルルの風”を魔動力車に積ませてもらい旅立っていきました。
私も見送ったその足でエバーミット様のお屋敷へ輸送用の魔動力車と商人などについての相談をしに行くのでした。
「すいません…」
「はい、どちらさまでしょうか」
「こちらはマイヤ魔道具製作所で間違いないでしょうか?」
「はい…」
「私は王城からの使いの者なのですが、マイヤさん…、こちらの責任者の方はおられますでしょうか」
「しょ、少々お待ちください…」
「お待たせしました、この魔道具製作所の責任者のマイヤですが…」
「あなたがマイヤさんですか…。私は王都からの使いの者で、“シャルルの風”の登録完了をお知らせに参りました」
「えっ!? もう登録が完了したのですか?」
シャルル様がケープノット領都を発たれてからまだ一月も経っていません。
「女王様がシャルル様の為に直接指示をされましたので…」
(女王様がシャルル様の為に…?)
ルーシャ様の為にって言うのならまだ分からない事も無いけれど…、一体何があったのでしょうか。
もう話が凄すぎて分からないので話を進めます。
「それで、こちらが登録証となります」
登録証を見ると、“シャルルの風”の発明者や機能、製作所元の詳細と責任者である私の名前等が記載されていました。
「確かに…、受け取りました」
これでいつ発売しても他の魔道具製作所に真似をされることは無いでしょう。
「それから、女王様からお手紙を2通預かっております」
「一つは製作責任者のマイヤさんに。もう一通はマイヤさんがこのケープノット領都、領主のエバーミット様にお渡しするように言付かっております」
「えっ…、私がエバーミット様に直接…?」
「そういうことになりますね。まずはこちらを開封しお読みください」
私は使いの方が勧められるように一通の手紙を読みました。
「これって…、女王様直筆じゃないですか…」
「そう申したつもりでしたが…」
内容はルーシャ様とシャルル様に許可をいただいたから、登録証を持って行った使者に“シャルルの風”をいくつか譲ってほしいと言うものでした。
「分かりました。シャルル様が許可されているのに販売しないわけにはいきませんね」
「ありがとうございます」
「では、ルーシャ様のお屋敷にお送りする予定の初回分と同じ数量でかまいませんか?」
「どれくらいになるのでしょう」
「はい、30個ですね…」
「あっ、ありがとうございます! 女王様も喜ばれる事でしょう」
あれ…? 多かったでしょうか…。
「では、すぐにご用意しますね。少々お待ちください」
ふぅ~、まさかシャルル様が直接女王様に商品の紹介をして下さっているなんて…。
一月に400個ほどの生産じゃ到底満足に供給できないわね。
どうしたら良いのかしら…。
「お待たせいたしました」
私は販売予定金額の30個分を受け取り、使者の方に“シャルルの風”を渡します。
「もう一通のお手紙も出来るだけ早くエバーミット様に直接お渡しするようにしてくださいね」
そう言いながら使者の方は王都に戻っていかれました。
「マイヤ、誰かお客だったのか?」
「あっ、ロクサーヌ…。王都から“シャルルの風”の登録証が届いたのよ」
「もう登録されたのか?」
「それが女王様が直接指示されたみたいなの…」
「たぶん、女王様が試される機会があったんだろうね。使ってみればあの魔道具のすごさは分かるからな」
「さて、登録も済んだことだし、いよいよロクサーヌにもエルスタイン領都へ行ってもらうわよ」
「そうだな、シャルル様にお会いできるのが楽しみだよ」
XX XY
翌日、私は女王様から預かった手紙を持ってこのケープノット領領主エバーミット様のところへ伺いました。
屋敷の門番の方には不審がられましたが、女王様からのお手紙に付いている印を見て、急いでエバーミット様のところへ通していただけました。
「あなたが女王様からの手紙を持ってきたそうですね」
「はっ、はい。領都で魔道具製作所をしていますマイヤと申します」
「こ、こちらがお預かりしているお手紙です」
そう言って差し出すと、エバーミット様の側に立っていたメイドの方が近寄ってきて手紙を受け取りエバーミット様の方へ届けています。
「エバーミット様…」
「ありがとう、ロイス」
ふむふむ…。
グレイス様はどうされたのかしら…。
このマイヤって女性に手紙を届けさせるだなんて…。
(えっ…?)
なに…、そんなことが…。
「エバーミットさ…ま?」
「マイヤさん、あなたがシャルル君の考えた魔道具を製作し、その魔道具が王都で登録されたことが書かれているけれど…」
「はい…、その通りです」
(えぇ~~~っ!?)
シャルル君の登録した“シャルルの風”と言う魔道具の偽物が出ないように念押しされているわ。
「マイヤさん、シャルル君の名を汚したら厳罰にすると書いてあるわよ」
「ひぇ~~~っ、そ、そんなぁ~」
「それは冗談だけれど、“シャルルの風”と言う物の偽物が出ないようにと心配されているわ」
「そ、そうでしたか…」
「ところで、その“シャルルの風”というのはどんな魔道具なの?」
「こ、これがシャルル様の考えられた“シャルルの風”です」
私は念のために持ってきていた商品を鞄から取り出します。
再びロイスさんという方が受け取り、箱を開けて実機をエバーミット様のところへ運びます。
「これはどういったものなの?」
「はい、髪を乾かす魔道具です」
私はその場から少し大きな声を出し、使い方について説明をします。
まずは…、カチッ。
ブォ~~~~!
「これはいつもと同じような風ね」
それじゃ赤色を…、カチッ。
「あっ、熱い風が出てきたわ…」
そしてこっちは…、カチッ。
「今度は冷たい風が…」
「す、素晴らしいわ!」
「これから寒くなってくるのに、まさに女性があこがれる魔道具だわ」
「実際に使用されるともっと驚かれると思いますよ」
「これを販売するのね」
「はい、登録も完了しましたし、あと数日で販売を開始します」
(なるほど…)
グレイス様が手紙に書かれていることも分かるわ。
マイヤには伝えていませんが、手紙にはこの“シャルルの風”を速やかに広めて欲しいと書いてありました。
「マイヤ、あなたの魔道具製作所では一ヶ月にどれくらい生産できるのですか?」
「はい、400個から「少ないわっ!!」…500…個…ほどです…」
「ひぇ~~~っ」
「せめて倍…。いや、口伝てで知られるほどそんな数量じゃ足りなくなるわね」
シャルル君にしてみれば、誰が作っても売れればそれだけお金が入るのだけれど…。
シャルル君がなぜマイヤさんに製作を任せたかが問題よね…。
「それにしても、あなたがシャルル君と面識があるなんて…」
「はい、偶然魔道具製作の見学に立ち寄られたのです…」
「そうですか…」
本当に偶然なのかしら…ね。
「最初の販売の売れ行きをみて、さらにお金を借りて従業員を増やし、生産量を増やしていく予定です」
「しかしそれでは遅いですね」
「でも、借りられるお金は今はこれが精一杯で…」
「分かりました。領都が支援致しましょう」
「まずは生産量を3倍に出来るだけの場所と設備、人員を確保するのです」
「もちろん、従業員選びは慎重に…。急いでいるからと不良品を作ればシャルル君があなたをどう思うか分かるでしょう?」
「それこそ本当にシャルル君の名を汚したと女王様が怒られますよ」
「は、はいっ!」
助けていただいたシャルル様に恩を仇で返すようなことをするわけがありません。
「それで…、相談なのですが、支援させていただくのでこの“シャルルの風”は先行していくつか譲っていただけるのでしょうか?」
「もちろん代金は支払いますよ」
「うっ…」
エバーミット様っておっとりしているようで交渉が上手ですね。
「シャルル様の許可がないのですが、先ほどお渡しした商品と別に5個くらいなら…。後は販売時に領民の方と同じように並んでいただくしかないですね」
「分かりました。まずはそれだけあればいいでしょう」
屋敷の者は欲しければ買いにいくでしょうから。
「では、速やかに生産体制を整えるように…」
XX XY
ふぅ~、今日は朝からとても疲れたわ。
屋敷からの帰りは魔動力車で送ってもらったけれど、“シャルルの風”を持って帰るためだったようです。
でも女王様のおかげでエバーミット様にも会えて、生産能力も3倍になるように支援していただけることにもなったし、しばらくは生産に集中できそうね。
ガチャ…。
「あぁ、マイヤ、店頭にいたんだね」
「ロクサーヌ…、今領主様のお屋敷から戻ってきたところよ…」
「もしかしてエバーミット様にお会いしてきたのか?」
「そうよ。なんだかんだと分からないうちに、この魔道具製作所も直に3倍の規模になりそうよ」
「それはすごいなぁ」
「ところで、私は二日後にエルスタイン領都に向けて出発しようと思うんだけど、準備はいいかい?」
「ちょうど知り合いがエルスタイン領都へ向かうそうで、魔動力車に便乗させてもらおうと思っているんだよ」
「そう、商品は大丈夫よ」
そうか、他領へ運ぶ魔動力車が必要になってくるのか…。
今まで他領に販売するなんて考えもしなかったけれど、これは一度エバーミット様にご相談した方がいいわね。
「マイヤ、これは販売しだしたら商人が絡んでくるんじゃないか?」
「そう…かもね」
“シャルルの風”は商人には任せられないわ。
ケープノット領内は直接販売できるとしても、他領でどうやって販売するかも考えておかないとダメね。
「ロクサーヌ、明後日までに手紙を書いておくから、ルーシャ様とシャルル様に渡してくれるかしら」
この件もエバーミット様に確認しておかないとダメでしょう。
「あぁ、ちゃんと手渡しするよ」
「ありがとう」
二日後、ロクサーヌはエルスタイン領都のシャルル様の元に届ける30個の“シャルルの風”を魔動力車に積ませてもらい旅立っていきました。
私も見送ったその足でエバーミット様のお屋敷へ輸送用の魔動力車と商人などについての相談をしに行くのでした。
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