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第86話 メンテールの変貌
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コンコン、コン…。
「……テール!」
ドンドンドン!
「メンテール!」
ドンドン…。
「は、はい、はい…」
私はドアを叩かれる音で目が覚めました。
(な、なんですか~。もう~)
ガチャ…。
「メ、メンテール…!?」
「あっ、シエラ、おはよう」
「おはようじゃありません。今、何時だと思っているんですか」
「は…いっ!?」
「とっくに朝食の時間になっているんですよ」
「ハッ! もう朝!?」
「それよりあなた、パジャマがはだけてますよ」
「あれ? なんでだろう…」
「それより、早くシャルル様の準備をしてあげて食堂へ来るように。もうみんな揃っていますよ」
シエラはそう伝えると食堂へ戻りました。
なんだかとっても身体が軽く感じて、それに下腹部も熱く感じて力が巡っているような…。
まるでこれまでの自分の身体じゃないみたい…。
顔を洗うために洗面場へ行き、鏡に映った自分を見て驚きました。
「へっ!? これが私…」
両手で自分の頬を触りながら、身体を左右に動かして眺めてみます。
肌はしっとりと瑞々しくなっていて、はだけたパジャマから見える自分の胸もいつもより張りがあり、大き目の突起部分は変な表現ですがピンピンとしていて、とっても血色が良いように見えます。
長い髪も先日のシエラのように艶々としており、濃い青色の髪であっても光を反射するような輝きがあるのです。
ハッ!
「自分に見蕩れているわけにはいかないわね…」
シャルル様を起こして準備をしてさしあげないと…。
でも先に着替えを…。
あれ? パジャマの股間部分がグッショリと濡れていました。
ま、まさか…、私がおねしょ!?
急いで自分の寝ていたところを見ると、やっぱりベッドもお尻のあった部分が濡れています。
(ひぃ~っ、なんてこと…)
私は急いで身体をお湯で洗い流して着替えを済まし、シャルル様に気付かれないように起こすのでした。
「シャルル様、申し訳ありません。私が寝坊したばっかりに…」
「うん、いいよ、いいよ。僕もグッスリ眠れたしね。すぐに行けば大丈夫だよ」
「でも、なぜか僕の寝巻の膝部分が濡れているんだよね…」
「えっ!?」
「股の部分は濡れていないからおねしょじゃないとは思うんだけど…」
「な、なんででしょう…ねぇ」
私は言い訳が思いつかずごまかすのでした。
「それにしても、メンテールお姉ちゃん、今日は一段と綺麗だね」
「髪もキラキラしているよ」
「ありがとうございます。たぶんシャルル様のおかげです」
「僕の…?」
「それよりせっかく綺麗なんだから、今日はいつものように髪を纏めるんじゃなく、おろした状態で軽く留めておく程度で良いんじゃない?」
「そ、そうですか? シャルル様がおっしゃるならそのように…」
XX XY
『シエラ、どうでした? 起きていましたか?』
「あれは寝起きでした。パジャマの上もはだけてました…」
『……』
「それに、先日の私と同じように驚くほど艶やかでしたよ」
『やっぱり…。いきなりシャルルに身体を洗ってもらったんでしょうね…』
「メンテールも気付いてしまったでしょうか?」
『メンテール自身が変化に気付いたのなら、きっと話をしてくるでしょう』
「どうしたんですか、ルーシャ様にシエラ先輩、そんな所でヒソヒソ話して…」
「シャルル様が見えませんけど、何かあったんですか?」
「トリスにキルシッカ…、何もありませんよ。ただメンテールが寝坊したみたいでシャルル様も朝食に少し遅れると話していただけですよ」
「え~、メンテール先輩がですか?」
「トリスもメンテールを見れば分かりますよ…」
「遅くなってすいません」
「ごめんね。お母さん達を待たせちゃって…」
そう声を掛けると、こちらを振り向いた全員が固まってしまいました。
「えっ、どうしたのお母さん?」
「シ、シエラお姉ちゃん?」
「あっ、え~っと…、メ、メンテール先輩?」
「何を言っているのトリス、私に決まっているじゃないの」
「メンテール先輩、綺麗ですっ!」
「ありがとう、キルシッカ」
『メンテールが髪をおろしているなんて本当にめずらしいわね。驚きましたよ…』
「はい、シャルル様が綺麗な髪だから今日だけでもおろしたらと言われたんです」
「肌も瑞々しくって、髪も艶々じゃない…」
やっぱりシャルル様に身体を洗ってもらったのね…。
「この間、シエラの髪が艶々していたのが私も分かったような気がしたわ」
『メンテールも気付いてしまったのね…(ボソッ)』
私はルーシャ様から耳元でそんな風に言われたのでした。
「早く、朝食を食べようよ。お腹すいちゃったよ」
シャルル様の一声で、とりあえず穏やかな朝食が始まります。
「……テール!」
ドンドンドン!
「メンテール!」
ドンドン…。
「は、はい、はい…」
私はドアを叩かれる音で目が覚めました。
(な、なんですか~。もう~)
ガチャ…。
「メ、メンテール…!?」
「あっ、シエラ、おはよう」
「おはようじゃありません。今、何時だと思っているんですか」
「は…いっ!?」
「とっくに朝食の時間になっているんですよ」
「ハッ! もう朝!?」
「それよりあなた、パジャマがはだけてますよ」
「あれ? なんでだろう…」
「それより、早くシャルル様の準備をしてあげて食堂へ来るように。もうみんな揃っていますよ」
シエラはそう伝えると食堂へ戻りました。
なんだかとっても身体が軽く感じて、それに下腹部も熱く感じて力が巡っているような…。
まるでこれまでの自分の身体じゃないみたい…。
顔を洗うために洗面場へ行き、鏡に映った自分を見て驚きました。
「へっ!? これが私…」
両手で自分の頬を触りながら、身体を左右に動かして眺めてみます。
肌はしっとりと瑞々しくなっていて、はだけたパジャマから見える自分の胸もいつもより張りがあり、大き目の突起部分は変な表現ですがピンピンとしていて、とっても血色が良いように見えます。
長い髪も先日のシエラのように艶々としており、濃い青色の髪であっても光を反射するような輝きがあるのです。
ハッ!
「自分に見蕩れているわけにはいかないわね…」
シャルル様を起こして準備をしてさしあげないと…。
でも先に着替えを…。
あれ? パジャマの股間部分がグッショリと濡れていました。
ま、まさか…、私がおねしょ!?
急いで自分の寝ていたところを見ると、やっぱりベッドもお尻のあった部分が濡れています。
(ひぃ~っ、なんてこと…)
私は急いで身体をお湯で洗い流して着替えを済まし、シャルル様に気付かれないように起こすのでした。
「シャルル様、申し訳ありません。私が寝坊したばっかりに…」
「うん、いいよ、いいよ。僕もグッスリ眠れたしね。すぐに行けば大丈夫だよ」
「でも、なぜか僕の寝巻の膝部分が濡れているんだよね…」
「えっ!?」
「股の部分は濡れていないからおねしょじゃないとは思うんだけど…」
「な、なんででしょう…ねぇ」
私は言い訳が思いつかずごまかすのでした。
「それにしても、メンテールお姉ちゃん、今日は一段と綺麗だね」
「髪もキラキラしているよ」
「ありがとうございます。たぶんシャルル様のおかげです」
「僕の…?」
「それよりせっかく綺麗なんだから、今日はいつものように髪を纏めるんじゃなく、おろした状態で軽く留めておく程度で良いんじゃない?」
「そ、そうですか? シャルル様がおっしゃるならそのように…」
XX XY
『シエラ、どうでした? 起きていましたか?』
「あれは寝起きでした。パジャマの上もはだけてました…」
『……』
「それに、先日の私と同じように驚くほど艶やかでしたよ」
『やっぱり…。いきなりシャルルに身体を洗ってもらったんでしょうね…』
「メンテールも気付いてしまったでしょうか?」
『メンテール自身が変化に気付いたのなら、きっと話をしてくるでしょう』
「どうしたんですか、ルーシャ様にシエラ先輩、そんな所でヒソヒソ話して…」
「シャルル様が見えませんけど、何かあったんですか?」
「トリスにキルシッカ…、何もありませんよ。ただメンテールが寝坊したみたいでシャルル様も朝食に少し遅れると話していただけですよ」
「え~、メンテール先輩がですか?」
「トリスもメンテールを見れば分かりますよ…」
「遅くなってすいません」
「ごめんね。お母さん達を待たせちゃって…」
そう声を掛けると、こちらを振り向いた全員が固まってしまいました。
「えっ、どうしたのお母さん?」
「シ、シエラお姉ちゃん?」
「あっ、え~っと…、メ、メンテール先輩?」
「何を言っているのトリス、私に決まっているじゃないの」
「メンテール先輩、綺麗ですっ!」
「ありがとう、キルシッカ」
『メンテールが髪をおろしているなんて本当にめずらしいわね。驚きましたよ…』
「はい、シャルル様が綺麗な髪だから今日だけでもおろしたらと言われたんです」
「肌も瑞々しくって、髪も艶々じゃない…」
やっぱりシャルル様に身体を洗ってもらったのね…。
「この間、シエラの髪が艶々していたのが私も分かったような気がしたわ」
『メンテールも気付いてしまったのね…(ボソッ)』
私はルーシャ様から耳元でそんな風に言われたのでした。
「早く、朝食を食べようよ。お腹すいちゃったよ」
シャルル様の一声で、とりあえず穏やかな朝食が始まります。
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