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第二十二話

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明らかに人間の気配ただ、明らかに異質。
ただ異質ならば幾らでも見た事があるけれど…。 それこそガリウスさんや、母さんもそうだ。
ただ、この気配はヤバイ。
強者のモノとはかけ離れているけれど一体なんなのだろうか。

「おやおや。 ワタクシの所有物共がこんな所に居たとは…。 どうやって奴隷紋から逃げたのかは分かりかねますが、ネズミも駆除した事ですからこれ以上の損害はないでしょう。 おい、”元” 所有物共これが何か分かるか?」

「…ボス。 てめぇが殺したのか!」

「ワタクシの屋敷に侵入したネズミを駆除したまでですからね」

話の流れだとこのワタクシ系おじさんはこの盗賊のおじさん達の本当のボスを殺したって事かな?
それで、わざと煽りに来たのかな。 だとしたらここに居るのが殿下だという事も僕が聖女の子である事も知っていそうだけれど。
それでも来たという事は何かしらの対策があるのかな。

『主様、彼奴を切り伏せる許可を』

絶対出さないからね。
何が起こるか分からないんだから。

『コイツノタマシイハクラワナイ、カリトル』

だから駄目だよ。

「てめぇだけは! てめぇだけは許さねぇ…。 どうしてボスがお前なんかに!!!」

「やはりコイツが先導していた主犯…。 カマを掛けた甲斐はあるネぇ。 これは、お前達が比較的良く会っていた人物を模して作った模造品だよ? 騙されるとは忠誠心が足りないのがまたそそるネぇ。 そうは思わないかい、聖女のご子息殿」

やっぱり僕を知っているんだ。
でもここで僕が返事をしてしまうのは奴の思惑通りかもしれない。

「聖女の子息…というのはどちらの人物の事を指して言っておられるのかな?」

ナイスアシスト。

「で、殿下…! それは…」

ここで一人の盗賊が耳打ちをして来る。

「あいつはこの街だけでなく幅広く奴隷商をしている奴です。 しかも、それは違法な奴隷、亜人、更には国外の…法律どころか条約すらも破っている様な奴隷すら扱っています。 登録名はグレゴリーですが偽名との事。 商会名もグレゴリー商会です」

この盗賊達って本当は良い人達なんじゃないかって疑い始めて来ているんだけれど。
殿下のアイコンタクト的にも多分そうだよね…。

外にあるこの商人の護衛らしき人物の反応は三つ。
正直殿下のみでも制圧できる数…と言うかこの街の衛兵や冒険者なら下位の者でも制圧出来そうな戦力だ。

もしかして、一般的な人達って弱いのだろうか…。
この街の衛兵や冒険者の練度って凄く良いのだろうか? だとしたらもっと鍛えて最強の街に…!

「不穏な表情はやめてください…。 うちの他のメンツが怯えてます」

ごめんなさい!!!!
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