錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第三百二十六話

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さて、目的の場所は視認できるはずなんだけれども…。

「テイル君、これは認識阻害…しかも高レベルだね」

「解除は? 出来そう?」

「出来るけど解除したら戻せるかどうか…」

「そうかぁ。 それなら魔法阻害を使えば一時的になら普通に通れたりしない?」

うーん、と考え込む旧王国最高火力さん…。

「出来るとは思うけど、トラップに引っかかったらどうしようかなって感じかな」

「トラップは大丈夫でしょ。 あそこで脳筋達が張り切ってるし」

はぁ…と溜息の出る俺達。
まぁ、なんとかなるだろう。
凄く強力な魔法阻害を発動させる。

そこで一瞬だけ背筋がゾクっとしたのに気が付く。

「なんか…食いしん坊が増えた気配がする」

「奇遇だね。 僕もだよ」

「同じく、私もよ」

「同感ね…」

え、これって誰が食いしん坊に目覚めたんだ?
飲食店の方々には大層ご迷惑が掛かっているだろうから、食料の改善も早めにやらないとな…。

「陛下、残して来たコウモリより連絡が…。 ジャービル様とアルガス様が屋台で食べ歩きのし過ぎで苦情が入ったそうです…。 なんでも悪酔いしながら食べ歩いていたようで」

「報告ありがとうね。 この認識阻害を超えたら周囲の警戒を頼んだよ」

「御意!」

帰還したらジャービル様とアルガスさんへの酒の提供を禁止しよう。
どんな事よりも重要事項だ。

「さて、向こうは熱烈な歓迎っぽいね」

明らかに向けられている敵意。
ただし、それは俺に向いてはいない。 そう、元大罪に向いている。
流石の皆も額に汗をにじませている。

「これは中々…」

「あれ? これってさ、人間の気配じゃないよね?」

確かにそう感じる。 どちらかと言えばホムンクルスに似ているが…。

「もしかしてゴーレムに魂を…だとしたら禁忌だよ」

へぇ、そんなのあったのか。
まるで某錬金術師漫画だな。

「それって錬金術とか?」

純粋に疑問をぶつける。

「いや、魔法でも錬金術でもなく魔術…の類だね。 精神分離と精神定着…禁忌中の禁忌だよ。 それを行った研究者達はもう死んでいるはずだけれど…」

魔術…ね。
現代では魔法も魔術も混同して捉える場合がある。
それはまぁ致し方ないとしても…。 過去にそんなヤバイ連中が居たのかよ。

「その生き残りが居る…としたら?」

「可能性は捨てきれないと思うけれど…」

「そう、魔術と言うのは魔法と同じく魔力が必要なのさ。 すなわち…」

なるほど、きっと禁忌って言うレベルなら魔力も生半可な物ではないのか。
だとしたら行使出来るとなれば相当な…。

「流石だ、もう理解しているのか」

「あ、うん。 きっと魔力の消費量の問題だと思うんだ。 だとしたら…」

「ヤバイのが居るかも、って事だね」

と思っていたのも束の間だった。

後に起こる事は予想外にもほどがあったのだ。
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