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第二百九話 クリスタルロッド
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今日も職人達に混ざって仕事をこなすミノタウロスを眺めながら自分の作業を進めていく俺。
多分言葉は通じていないんだけれどなんとなく意思疎通が取れている様で良かった。
エキドナはすぐにこちらの言語を話せる様になり、こちらも色々と手伝ってくれているのでかなり助かっている。
「ねぇ、キング? 俺はもっと自由が欲しいよ…」
「ほほほ…。 そうですな、旦那様はもう立派なご領主さまですから…。 ですが、ジンや残った大罪の事が動き出せば仕事は減るかと…」
「…それ、実質仕事増えてるよね?」
「そうとも言いますな? ほほほ」
「なんていう間抜けた会話をしてらっしゃるんですか…。 とても素晴らしい能力を持った方々の会話とは思えませんが…」
シルキーに呆れられてしまっている。
もうこの光景も恒例の流れになりつつある。
「テイル? また何かやってるの?」
「え? 流石にそれは冤罪だから!!!」
謂れのない罪は被りたくないです!
やめてくれ…。
「なら良いのよ?」
「と言うよりもはや、監視してない?」
「…してないわよ?」
「いや、代わる代わる監視してる様な気がしてならないんだけれども」
「さ、流石にテイルの考えすぎじゃない?」
あぁ、確信犯ですねぇ。
ジャービル様に相談案件ですかね、これは。
流石に許す事は出来ませんね。
プライバシーの侵害だ!
使い方が合ってるかは知らないが。
「あ、そうだ…サリィにこの杖をプレゼントしようと思ってたんだよね」
一本の杖を取り出す。
「何…これ…」
「他の子達にもそれぞれちゃんと用意してるんだけど、たまたま最初に会ったのがサリィだっただけだよ。 これはクリスタルロッドって言って先端に魔力の込められた水晶がはめ込まれてる杖だね。 不満だったら捨てても良いよ。 俺の手作りだけ…」
言い切る前に杖を奪い頭をぶん殴られた。
何故に?
「テイル? たまたま最初に会ったのが私だったってのは一言余計ね??? 嬉しいから貰うけど。 この杖…聖属性の通りが凄く良い気がする…」
流石にノンデリカシーが過ぎたか?
「あぁ、聖属性に順応させてあるから多分そうなってるだろうね」
「じゃあ、この中だったら私専用みたいなモノって事ね?」
「ん? うん? そうなるのかな?」
何を言い出したかと思えば…。
「なら良いわ。 さっきの事は水に流してあげる」
割と理不尽に怒られ、理不尽に許されてる気がするのだが…。
まぁ、喜んで貰えてるのならそれでいいだろう。
「まぁ、各自に適応した様な物を用意しないと無駄になっちゃうからさ」
「それもそうね。 そういうとこだけは気が利くのよね」
「おい、今聞き捨てならない事言わなかったか?」
「気のせいよ?」
「旦那様。 お早い内に皆様方にお渡しをしに行かれた方がよろしいかと…。 遅くなるときっと…。 いえ、お早い方が大層お喜びになられる事かと…」
「確かにそうだね。 行ってくるよ」
そうして俺は皆を探しに行くことになったのだった…。
多分言葉は通じていないんだけれどなんとなく意思疎通が取れている様で良かった。
エキドナはすぐにこちらの言語を話せる様になり、こちらも色々と手伝ってくれているのでかなり助かっている。
「ねぇ、キング? 俺はもっと自由が欲しいよ…」
「ほほほ…。 そうですな、旦那様はもう立派なご領主さまですから…。 ですが、ジンや残った大罪の事が動き出せば仕事は減るかと…」
「…それ、実質仕事増えてるよね?」
「そうとも言いますな? ほほほ」
「なんていう間抜けた会話をしてらっしゃるんですか…。 とても素晴らしい能力を持った方々の会話とは思えませんが…」
シルキーに呆れられてしまっている。
もうこの光景も恒例の流れになりつつある。
「テイル? また何かやってるの?」
「え? 流石にそれは冤罪だから!!!」
謂れのない罪は被りたくないです!
やめてくれ…。
「なら良いのよ?」
「と言うよりもはや、監視してない?」
「…してないわよ?」
「いや、代わる代わる監視してる様な気がしてならないんだけれども」
「さ、流石にテイルの考えすぎじゃない?」
あぁ、確信犯ですねぇ。
ジャービル様に相談案件ですかね、これは。
流石に許す事は出来ませんね。
プライバシーの侵害だ!
使い方が合ってるかは知らないが。
「あ、そうだ…サリィにこの杖をプレゼントしようと思ってたんだよね」
一本の杖を取り出す。
「何…これ…」
「他の子達にもそれぞれちゃんと用意してるんだけど、たまたま最初に会ったのがサリィだっただけだよ。 これはクリスタルロッドって言って先端に魔力の込められた水晶がはめ込まれてる杖だね。 不満だったら捨てても良いよ。 俺の手作りだけ…」
言い切る前に杖を奪い頭をぶん殴られた。
何故に?
「テイル? たまたま最初に会ったのが私だったってのは一言余計ね??? 嬉しいから貰うけど。 この杖…聖属性の通りが凄く良い気がする…」
流石にノンデリカシーが過ぎたか?
「あぁ、聖属性に順応させてあるから多分そうなってるだろうね」
「じゃあ、この中だったら私専用みたいなモノって事ね?」
「ん? うん? そうなるのかな?」
何を言い出したかと思えば…。
「なら良いわ。 さっきの事は水に流してあげる」
割と理不尽に怒られ、理不尽に許されてる気がするのだが…。
まぁ、喜んで貰えてるのならそれでいいだろう。
「まぁ、各自に適応した様な物を用意しないと無駄になっちゃうからさ」
「それもそうね。 そういうとこだけは気が利くのよね」
「おい、今聞き捨てならない事言わなかったか?」
「気のせいよ?」
「旦那様。 お早い内に皆様方にお渡しをしに行かれた方がよろしいかと…。 遅くなるときっと…。 いえ、お早い方が大層お喜びになられる事かと…」
「確かにそうだね。 行ってくるよ」
そうして俺は皆を探しに行くことになったのだった…。
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