錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

文字の大きさ
上 下
197 / 385

第百九十六話 宿敵到来

しおりを挟む
疾いッ!!!
しかも一撃一撃がバカみたいに重い!
ただの統率種なんてレベルじゃない!
正直今まで戦った敵よりも遥かに強い。

魔王を遥かに凌ぐ…。

「我が斧をヒトの身で受け止められるとは! 何年…いや…何千年ぶりだろうか…昂る…!!! 昂る!!! 昂るっっ!!!」

なんだこれっ!? 感情に応じてこいつの身体が更に速度を増し、もっと重くなっていく。
明らかに異常だ。

「良いだろう。 名乗る事を許そうニンゲンの子よ!!!」

「…人に名を聞く前に自分が名乗るのが礼儀って教わらなかったかっッ!」

そう悪態をつきつつギリギリ攻撃を受け流す。

「我にはその様な教育をした者は居なかったのでな。 まぁ良いだろう。 ニンゲンの礼儀に乗っ取り我が先に名乗るとする。 我はエンシェントオーガのオルタナ。 強欲を司る者なり」

「…大罪…」

「然り。 ニンゲンの子よ。 貴様は博識の様だ。 褒めてやろう。 しかし、強欲を司るからと言って我がワガママだと言う事は無いぞ」

いや、アンタバトルジャンキーだろ。
その時点でだいぶ強欲だよ。

「俺は…テイル・フォン・マーガレット英雄爵。 今代の勇者だ」

「相手にとって不足なし…いや、しかし、この程度で勇者を名乗られてもな…」

ピキーン!

チャキ…。
錬帝…そう銘を打たれたこの刀…元は聖剣だった物だ。
中に居たアリサに許可を貰い打ち直した。
皆が寝静まってる間に。

静かに音を立てると言う矛盾を孕んだこの刀。
錬金術の力だけでなく魔法や神の力、精霊の力など様々な力に順応出来るようにしてある。
神を超えた一振り…とでも言うべきか。
これを次元の鏡と言う神具で見ていたらしい某鍛治の神が悔しがっていたらしいが…それはまたのお話で。

「なんだそのひ弱な剣は…爪楊枝か?」

「そう思うならそれでいいよ」

一度抜刀したものの今の距離を鑑みて納刀。
一呼吸…。 目を閉じ、集中する。
いつでもいい、いつでも。

「舐めやがって!」

エンシェントオーガが疾風が如き速さで近付き凶斧を振るう。
しかし、その斧が俺に届きうる事は無かった。

「月影一心流秘技・閃弧」

凶悪な斧は砕け散った。

「なに!? 我の知らぬ剣技…! だが、見えぬ訳では無い…!」

流石の身体能力…。
初見で武器を犠牲にしてでも身体を守ったのは尊敬に値する。

「ふはは! 剣を使えるのが貴様だけでは無いぞ!」

な!? マジックバッグ!?
しかも取り出した剣はかなりの業物だぞ!?

「さぁ、仕切り直しだ殺り合おう、もっとも…殺されるのは貴様だかな? 殺したあとは…。 遠くで見て居るあのニンゲン共の番だァ! グルァァァァァァ!」

プツン…。
俺の中でナニカがキレた音がした。
あぁ、分かったよ、今まで見せた事のない月影一心流最後の奥義を見せてやるよ。
皆もここを目指すんだぞ。

抜刀した刀を片手で構え、左手を刃に添え抜き足の様な技を使い一気にエンシェントオーガの前に詰める。

「月影一心流最終奥義・煌」

この瞬間この世界から強欲と言う脅威は消え去った。
太古より眠っていた大罪と言う存在が今になって復活した原因は不明だが、テイルを怒らせたら怖いということだけは皆が理解したのは言うまでも無い。
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。 ※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。 ※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・) 更新はめっちゃ不定期です。 ※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

4/4ー俺の親が自重しなかった結果チートな身体を得た。

ギン
ファンタジー
病気がちで子供時代の殆どを病院で過ごした黒鉄 倭人《クロガネ ワヒト》は人生の最後をそのまま病院にて終わらせる。 何故か先に異世界転生していた、自重しない親のおかげ?でチートな身体を得た主人公。 今度は多分、丈夫な身体でこの世界を楽しむ予定だ、異世界を異世界らしく生きて行きたい所だが、何せ親が先に来ているから。大体のことはもうお膳立てされている。そんな異世界を、自分のやりたい様に行動して行く。親父もハーレム作ったから。自分も作ろうかなとか思ってるとか、思ってないとか。 学園編、冒険者編、各種族編までは構想があるのでサクサク進める事を目標にしています。 そんなお話です。 2章のエピローグまでは1日1話程度の更新で進もうと思っています。 1日分で3000文字↑の量になります。 小説家になろうでも同じ小説で執筆中です。見やすい方でどうぞ。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

処理中です...