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第百七十七話 転移の再現
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エキドナと思わしき蛇の怪物はなにやら様子を伺っているらしく、騎士団と睨み合っている様子らしい。
一旦王城に向かって陛下に報告に行った方が良いだろうかと思考する。
「魔法騎士団か宮廷魔法師辺りにでもテレパシー教えれば一人くらいは使えたやろうか…、失敗したの」
「仕方ないですよ、一度試してみたい事があるのですが良いですか?」
「ん? なんじゃ? どうせテイルの事じゃし変な事するんじゃろ?」
完全に俺を変な奴扱いし始めた。 解せぬ。
「魔王が使っていた転移の様な魔法を真似してみようかなと」
「錬金術でか? それだったら詠唱は失われたと言うぞ?」
俺は無言でスッと手を伸ばし、今居る場所と王城を折り曲げて繋げる様な形で魔法を構成していく。
王城からはかなり遠い辺境の為魔力を練るのも慎重にしないといけない。
「流石ですね。 神気を使わずにここまで練れますか…」
「どういう事じゃ?」
「元々転移の魔法は神の使う神技の一つを真似した物なので使用魔力量が凄まじい上に魔力制御が困難なため、元々扱える人が少なかったんだそうです。 錬金術師は魔法との親和性が元々高いとアレスディア様も仰っていました」
「流石は神じゃな。 主神と会話するとは。 という事はテイルのやっている事はまさに神業…と言う事じゃな」
過去の英雄譚では大いなる敵と遭遇した時に英雄となった賢者が転移を用い、各地に居る英雄達を集めた…と言う物もある。
これが本当の事なら王城くらいは距離的に届く様な気がする。
「あ、この魔力は王城と繋がっていますね。 あとは魔力で入口を構成するだけだと思います」
なんか昔みた児童向けアニメにある道具のどこにでも行ける扉を思い浮かべそうになったが、門の形状にすれば馬車も通れるんじゃないかなと思いソレを思い浮かべ形を作る。
「ふぅ、出来た。 一応王城の正門の所に転移する様にしました。 行きましょう」
皆頷いたが未知の魔法が少し怖いらしい。
「テイル君…これほんとに大丈夫なんだよね? 王城に着いたら身体がバラバラになってたりしない?」
マリアが思った事を口にしてしまい、エメリーとサリィも頷いていたので同じ思いなのだろう。
「じゃあ…俺を信じて。 …多分大丈夫だから」
「テイル君、最後に多分って言ったよね? 不安要素増したよ?」
クスっと笑ったフォンドニア嬢に腹を抱えて笑い出す賢者達。
「大丈夫じゃぞ、この門に魔力を通したら王城に行ったわい。 テイルを信じてやればいいんじゃ」
「これは私から見ても成功なので問題ないと思いますよ」
あまり納得していない様なので致し方ない。
仕方ないのでここは頭を回転させて…。
「じゃあ怖いと思う子は俺と手を繋いでいこうか」
サリィだけは慎ましい胸を張っていた。
「私は一人でも入れますもん!」
マリアとエメリーと手を繋いで入る事になったので、初めて恋人…と言うか夫婦的な事をした気がする。
「じゃあ行こう! 早く報告して応援に向かおう」
おう! と皆が声を揃えていた。
皆息ぴったり過ぎないですか…?
「フゴォ…(皆仲良くていいなぁ)」
「ブッブッブー!(自分らも仲良しになるのです!)」
うんうん、仲良き事は良きかな。
一旦王城に向かって陛下に報告に行った方が良いだろうかと思考する。
「魔法騎士団か宮廷魔法師辺りにでもテレパシー教えれば一人くらいは使えたやろうか…、失敗したの」
「仕方ないですよ、一度試してみたい事があるのですが良いですか?」
「ん? なんじゃ? どうせテイルの事じゃし変な事するんじゃろ?」
完全に俺を変な奴扱いし始めた。 解せぬ。
「魔王が使っていた転移の様な魔法を真似してみようかなと」
「錬金術でか? それだったら詠唱は失われたと言うぞ?」
俺は無言でスッと手を伸ばし、今居る場所と王城を折り曲げて繋げる様な形で魔法を構成していく。
王城からはかなり遠い辺境の為魔力を練るのも慎重にしないといけない。
「流石ですね。 神気を使わずにここまで練れますか…」
「どういう事じゃ?」
「元々転移の魔法は神の使う神技の一つを真似した物なので使用魔力量が凄まじい上に魔力制御が困難なため、元々扱える人が少なかったんだそうです。 錬金術師は魔法との親和性が元々高いとアレスディア様も仰っていました」
「流石は神じゃな。 主神と会話するとは。 という事はテイルのやっている事はまさに神業…と言う事じゃな」
過去の英雄譚では大いなる敵と遭遇した時に英雄となった賢者が転移を用い、各地に居る英雄達を集めた…と言う物もある。
これが本当の事なら王城くらいは距離的に届く様な気がする。
「あ、この魔力は王城と繋がっていますね。 あとは魔力で入口を構成するだけだと思います」
なんか昔みた児童向けアニメにある道具のどこにでも行ける扉を思い浮かべそうになったが、門の形状にすれば馬車も通れるんじゃないかなと思いソレを思い浮かべ形を作る。
「ふぅ、出来た。 一応王城の正門の所に転移する様にしました。 行きましょう」
皆頷いたが未知の魔法が少し怖いらしい。
「テイル君…これほんとに大丈夫なんだよね? 王城に着いたら身体がバラバラになってたりしない?」
マリアが思った事を口にしてしまい、エメリーとサリィも頷いていたので同じ思いなのだろう。
「じゃあ…俺を信じて。 …多分大丈夫だから」
「テイル君、最後に多分って言ったよね? 不安要素増したよ?」
クスっと笑ったフォンドニア嬢に腹を抱えて笑い出す賢者達。
「大丈夫じゃぞ、この門に魔力を通したら王城に行ったわい。 テイルを信じてやればいいんじゃ」
「これは私から見ても成功なので問題ないと思いますよ」
あまり納得していない様なので致し方ない。
仕方ないのでここは頭を回転させて…。
「じゃあ怖いと思う子は俺と手を繋いでいこうか」
サリィだけは慎ましい胸を張っていた。
「私は一人でも入れますもん!」
マリアとエメリーと手を繋いで入る事になったので、初めて恋人…と言うか夫婦的な事をした気がする。
「じゃあ行こう! 早く報告して応援に向かおう」
おう! と皆が声を揃えていた。
皆息ぴったり過ぎないですか…?
「フゴォ…(皆仲良くていいなぁ)」
「ブッブッブー!(自分らも仲良しになるのです!)」
うんうん、仲良き事は良きかな。
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