錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第百五十三話 王の慈悲

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「此度の一件、誠に大儀であった。 大精霊様も魔神王の魔の手から救い出すとは流石は我が国の英雄である。 報酬を渡さねばならんな。 さて、錬金術にてなんでも出来てしまうマーガレットに見合う物が用意出来るであろうか…」

陛下…やってくれたな。

「ありがたき幸せにございます。 褒美なのですが、マーガレット領に大きな土地を頂けましたら…」

「ふむ、それは砂糖と米を増やす為ではないか? それで褒美として本当によいのか?」

これが狙いか! 砂糖と言う単語で貴族達がざわつき始めた。

「…此度の戦いは自分一人では為しえなかった事です。 一人が傲慢になってしまえば皆の顔が潰れるかと思いましたので」

「良かろう。 しかし、どうしたものかのう。 皆に配る報酬は…」

ここまで黙っていた宰相が口を開く。

「皆に均等に報奨金を配り、マーガレット領で役立たせる様にとお申しつけになっては」

「ふむ、良いな。 それを元に商売を増やすもよし、領地で金の巡りを良くするもよし。 まぁ、妥当か。 それと全員に『倒魔勲章』を授与しよう」

倒魔勲章? 初めて聞くぞ。

「では、説明させていただきます。 先の魔王討伐の一件から、上級の魔族や悪魔などを打ち倒した者に新たな勲章を…と言う事になりましたので生み出された勲章でございます。 その第一号となるのが、マーガレット伯爵御一行になるのです」

宰相が細かく説明してくれる。

「王一角兎のアルにも報酬をやらねばな」

え? アルにもくれるの?

「報酬にはなるか分からんがアルはアストレア国家としても法で保護させてもらう事とする。 手出しをした者は罰する…。 これで報酬になっただろうか」

「アルを守って頂けるだけで光栄にございます」

「ブッブッブー(ありがとう! 王様!)」

なんかアルも喜んでるし、それで良いか…。
ミザリア母様とアレク父様はどうなるのだろうか…。

「陛下、あちらの大精霊の事はご存じだったのですか?」

ジュエル第二王子殿下が言い放つ。
さっき聞かせろって言ってたからね。

「あぁ、ここに居る貴族連中は知っておるだろうな。 マーガレットの本当の親がそこに居るミザリアである事も含めてな」

「そう…でしたか。 大精霊は数が多くありません。 どういった経緯で…」

「ふむ、それも必要か。 そこに居る大精霊ミザリアは水を司る大精霊だ。 その為水のある世界には必ず居ると言っても過言ではない。 そして、マルディンとの出会いは…。 二人に聞け。 余はあんなの恥ずかしくて口に出来ん」

「畏まりました」

俺もジュエル第二王子殿下も陛下が口ごもった理由は全く知らないし、一部の貴族が顔を隠しているのが不思議に感じた。

「話は逸れたが、アレク・フォン・マルディンよ。 素直に答えよ。 お主は領地に戻り、マルディンの地を再度統治する事は出来るのか?」

父上がこの上なく真剣な顔で深呼吸をする。

「出来るのか…と言われますと…自信はございません」

「お主の自信など、民は知らん! 貴族として、しっかりと最後まで責務を全しなさい! アレク…。 それは息子もちゃんと育てろと言う事だ。 二度と魔王の器にならぬ様な強き男に育てよ」

「はっ! お心遣い感謝します」

宰相が溜息をつきながら陛下に尋ねる。

「それは勇者が…。 三賢者も揃った状態だから出来る余裕ですか?」

「ん? そうだが?」

がははと笑い出す陛下。

俺も宰相もジュエル第二王子殿下も頭を抱えていた。
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