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第四十九話 激魔攻防
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剣を腰のマジックバッグから取り出す。
「遅いですよ!」
オルナが目にも止まらぬ速さでこちらに迫ってくる。
回避しながら剣を取り出すので精一杯だった。 まだルクインダルクの方は力に呑まれていて動けていない。
「ふふふ、余所見をする余裕があるのですか?」
ルクインダルクを横目に確認しただけで大きな隙を作ってしまった。
オルナの手が鋭くなり俺を切り裂こうとする。
俺は剣で精一杯、受け流し、一歩引き体制を直す。
オルナには隙が一切無い、かなり危機的状況だ。
「なぜ、俺なんだ!」
俺はなんとか声を出す。
「簡単ですよ。 力のある錬金術師は魔王様を脅かす。 魔王様は既に二度復活しているのです。 今一度あのお方を討伐してしまえば二度と復活は出来ないでしょう。 魔王軍幹部として邪魔者は排除します。 聖剣など...! 錬金術師など...! 勇者など...! 許さない!!!」
力の本質が変わった。 本気を出すつもりなのだろう。
防戦一方なこの状態では不味い…。
そうだ。 俺の読んだ本では勇者は無属性魔法の「身体強化」を使用していた。
詠唱が分からないなら強くイメージして錬金術で同じような物を作ってしまえばいい。
周囲の魔素を身体に取り込み循環させ、筋肉や神経に流すイメージをすることで良いはずだ。
かなり身体に負担はかかるだろうがいけるはずだ。
イメージする。 すると身体が淡く光る。
「今更小細工ですか?」
「あぁ、そうだよ!」
オルナの腕の振り下ろしを瞬時に回避し軽剣術の技である瞬閃を繰り出す。
まだ浅くだがちゃんと入った。 血管が幾つか切れたのか紫色の血が噴き出す。
「ふふふ、これだから錬金術師は…。 確実に殺します」
攻撃頻度が増え、片手から両手での攻撃に変わる。
俺も出し惜しみが出来ないので、魔法を使う。
「風の刃よ、切り裂け」
ブゥン
目の前からオルナが消える。
「詠唱なんて遅いんですよ」
真後ろで声がする。 縮地で距離を取り、闘技場の壁を蹴る。 錬金術でウィンドを模倣して足に纏わせ、さらに加速する。
そしてオルナの振りぬいた腕をぎりぎりで翳し、錬金術で模倣したエクスプロージョンを自爆覚悟でぶつける。
「ガッ…」
これだけでは火力不足だ。 加速しているその勢いで斬り込め!!!
刹那、身体に衝撃が走る。 すぐに強く蹴られたんだと分かる。
最悪の事態が起こってしまった。
ルクインダルクが戦える状態になってしまった。
「テイルフォンマルディンヲコロス」
ルクインダルクの身体がブレる。 来るッ!
肉弾戦だ。 いなしきれない。 高頻度で被弾してしまう。
負けたくない…。 伝説の二重詠唱…。 この錬金術の身体強化を二重にかけたらどうなる?
反動はすさまじいかもしれないがこいつらは倒せるかもしれない。
今やるしかない。
追いつける!
受け流せ! 斬り込め! まだやれる。
「風の刃よ…がはっ!」
俺の詠唱は止まった。 オルナに首を掴まれたのだ。 万事休すである。
詰んだことだけが瞬時に、そして明白に分かった。 いや、分からされてしまった。
「遅いですよ!」
オルナが目にも止まらぬ速さでこちらに迫ってくる。
回避しながら剣を取り出すので精一杯だった。 まだルクインダルクの方は力に呑まれていて動けていない。
「ふふふ、余所見をする余裕があるのですか?」
ルクインダルクを横目に確認しただけで大きな隙を作ってしまった。
オルナの手が鋭くなり俺を切り裂こうとする。
俺は剣で精一杯、受け流し、一歩引き体制を直す。
オルナには隙が一切無い、かなり危機的状況だ。
「なぜ、俺なんだ!」
俺はなんとか声を出す。
「簡単ですよ。 力のある錬金術師は魔王様を脅かす。 魔王様は既に二度復活しているのです。 今一度あのお方を討伐してしまえば二度と復活は出来ないでしょう。 魔王軍幹部として邪魔者は排除します。 聖剣など...! 錬金術師など...! 勇者など...! 許さない!!!」
力の本質が変わった。 本気を出すつもりなのだろう。
防戦一方なこの状態では不味い…。
そうだ。 俺の読んだ本では勇者は無属性魔法の「身体強化」を使用していた。
詠唱が分からないなら強くイメージして錬金術で同じような物を作ってしまえばいい。
周囲の魔素を身体に取り込み循環させ、筋肉や神経に流すイメージをすることで良いはずだ。
かなり身体に負担はかかるだろうがいけるはずだ。
イメージする。 すると身体が淡く光る。
「今更小細工ですか?」
「あぁ、そうだよ!」
オルナの腕の振り下ろしを瞬時に回避し軽剣術の技である瞬閃を繰り出す。
まだ浅くだがちゃんと入った。 血管が幾つか切れたのか紫色の血が噴き出す。
「ふふふ、これだから錬金術師は…。 確実に殺します」
攻撃頻度が増え、片手から両手での攻撃に変わる。
俺も出し惜しみが出来ないので、魔法を使う。
「風の刃よ、切り裂け」
ブゥン
目の前からオルナが消える。
「詠唱なんて遅いんですよ」
真後ろで声がする。 縮地で距離を取り、闘技場の壁を蹴る。 錬金術でウィンドを模倣して足に纏わせ、さらに加速する。
そしてオルナの振りぬいた腕をぎりぎりで翳し、錬金術で模倣したエクスプロージョンを自爆覚悟でぶつける。
「ガッ…」
これだけでは火力不足だ。 加速しているその勢いで斬り込め!!!
刹那、身体に衝撃が走る。 すぐに強く蹴られたんだと分かる。
最悪の事態が起こってしまった。
ルクインダルクが戦える状態になってしまった。
「テイルフォンマルディンヲコロス」
ルクインダルクの身体がブレる。 来るッ!
肉弾戦だ。 いなしきれない。 高頻度で被弾してしまう。
負けたくない…。 伝説の二重詠唱…。 この錬金術の身体強化を二重にかけたらどうなる?
反動はすさまじいかもしれないがこいつらは倒せるかもしれない。
今やるしかない。
追いつける!
受け流せ! 斬り込め! まだやれる。
「風の刃よ…がはっ!」
俺の詠唱は止まった。 オルナに首を掴まれたのだ。 万事休すである。
詰んだことだけが瞬時に、そして明白に分かった。 いや、分からされてしまった。
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